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トラックのドライバーは本当にマナーが悪いのか?

「トラックのドライバーはマナーが悪い」と声を荒げる人は割と多いです。
運転中や駐車スペースなどで、マナーの悪いドライバーのせいで嫌な思いをしたことがあるのかもしれません。
しかし、すべてのドライバーがマナー違反をしているわけではありません。
実際には、マナーが悪いトラックのドライバーがいたり、トラック側はマナーを守って普通に運転しているつもりでも、乗用車側はマナーが悪いと感じるケースもあったりします。

なぜこのようなことが起きるのか、今回はトラックの運転マナーに関するお話です。

「マナーが悪いトラックの運転」は2パターン存在する?

マナーが悪いと言われるトラックの運転には、2つのタイプが存在します。
ひとつは、車両の構造上の問題で、トラックにとっては普通の方法で運転していても一般の乗用車にはマナーの悪い運転だと判断されてしまうタイプ、もうひとつは急な幅寄せやたばこのポイ捨て、意味のないクラクションのような悪質な運転をするタイプです。

マナーが悪いと「誤解」されやすいタイプ

トラック側にとってはマナーに問題ないとされる運転が、乗用車のドライバーにとってはマナー違反のように感じられるケースがあります。

その原因のほとんどは、トラックの構造上の問題によるものです。
いくつかの例をご紹介します。

車間距離を詰めて停車する

トラックの運転席は、乗用車と大きく違うポイントが2つあります。
ひとつは運転席が非常に高い位置にあること、もうひとつはボンネットがないことです。

この2つの構造から、トラックのドライバーは運転席から前方の道路を見下ろす形になります。
すると、前の自動車との間にある地面が広く見えるため、十分な車間距離を確保していると錯覚して、前の自動車との距離を詰めがちになります。

また、乗用車側にも目の錯覚が起きます。
バックミラーで後ろを見るとき、トラックのように大型の車体だと、それほど近づいていなくてもミラーの一面を覆いつくすことがあります。
すると、後ろの景色が全く見えず、トラックとの距離感が測れなくなるため、「後ろが見えなくなるほど車間距離を詰められている」と感じやすくなるのです。

結果、トラック側は十分な車間距離を確保できていると感じますが、乗用車から見ると、巨大なトラックが必要以上に車間距離を詰めているように感じます。
この感覚の違いが、トラックのドライバーのマナーが悪いと誤解されやすくなる原因のひとつです。

安全のため車間距離を大きめにとって走行する

特に大型トラックに顕著ですが、荷台に荷物を最大まで載せると、総重量が20トンを超すこともあります。
重量が重くなると、それだけ加速や減速のために時間がかかります。

そのため、荷物をたくさん載せているとブレーキに多くの時間と距離が必要になり一般の乗用車から見ると必要以上に車間距離を開けてノロノロと走っているように見えます。
特に高速道路ではそれが顕著で、次に紹介する追い越し時の並走とともに、後続車にとってはイライラのタネになっているかもしれません。

高速道路の追い越し車線で並走

トラックのマナーが悪いと言われる際、必ずと言っていいほど挙げられるのが、高速道路での追い越しに時間がかかり、ほとんど並走状態ですべての車線をふさぐ行為です。
後続の車からすれば、サッと追い越してスッと元の車線に戻って欲しいと感じるでしょうが、そうもいかない理由があります。

実はトラックには、時速90km以上の速度を出せないようスピードリミッターが取り付けられています。
これにより、高速道路で追い越しをしようとしても、最大で時速90kmしか出せないため、追い越す相手の車両との速度がほとんど変わらず、並走するようにゆっくりと前に出るしかなくなるのです。

トラックの構造上仕方ないことなので、一般の乗用車のドライバーには大目に見てもらいたいところでもありますが、一方でトラックのドライバーにも注意してほしい点があります。
それは、後続の乗用車が追い越そうと迫っているときに、それをふさぐようにして追い越し車線に出ないことです。

多くの場合、トラックよりも乗用車の方が追い越す速度が速いので、後続の乗用車が通り過ぎるのを待ってから追い越し車線に出れば、誰の邪魔をすることもなくスムーズに追い越しを行うことができます。
心に余裕をもって走行しましょう。

悪質な運転をするドライバー

誤解ではなく、本当に悪質なマナー違反をしているドライバーも、残念ながらいます。
急な幅寄せやポイ捨て、クラクション、ハイビームなどの行為は、一歩間違えれば大事故につながる恐れがあるので、同じトラックのドライバーの立場から見ても危険で悪質な運転と言えるでしょう。
また、特定の荷主と専属契約していて、荷主の名前の入った塗装を施している車両で場合は、荷主の信用も落ちます。

悪質な運転をするトラックに遭遇したら

もしも悪質な運転をするトラックに遭遇してしまったら、どのような対処をすればよいでしょうか。

トラック協会に相談

全国の都道府県には、トラックの安全な運行などを支援する組織として、トラック協会があります。
トラック協会では、情報提供や意見を問い合わせることができるようになっており、危険運転や騒音など、さまざまなことで相談できます。

運送会社にクレームを入れても、会社によってはきちんと対応してもらえない場合があります。
そのため、地域ごとのトラック協会や、全国を統括している全日本トラック協会などに相談して、危険な運転をしないように対処してもらいましょう。

危険度の高い運転だった場合は警察に通報

吸い殻や飲み物のポイ捨て、急な幅寄せなどの運転では、周囲の車に危険が及び、場合によっては大事故に発展する恐れがあります。
もしそんな場面に遭遇したとき、ドライブレコーダーなどで録画していたのなら、警察に通報するのも選択肢のひとつです。

ポイ捨てや幅寄せなどの危険運転は、道路交通法や軽犯罪法の違反行為です。
最近は、煽り運転による死亡事故増加などの背景もあり、危険な運転に対して罰則が強化されたり、通報による違反者の取り締まりに力を入れはじめたりしています。

危険な運転を繰り返すドライバーは重大事故を引き起こす可能性が高く、そうしたドライバーをきちんと警察に通報することで、自身や周りの人の身の安全を守ることにもつながっていきます。

【関連記事:危険な煽り運転!対策はあるの?】

今回は、トラックのドライバーによるマナー違反についてご紹介しました。
マナーが悪いと言われやすいトラックのドライバーですが、その大半はきちんとマナーを守り、車体の構造などから誤解されやすくなっているだけです。
誤解を生まない運転を心がけつつ、乗用車側にも理解を得られるように情報を発信していくと良いでしょう。

一方、本当に悪質な運転には正しい対処を行い、自分達の安全が脅かされることのないようにしましょう。

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