運送業界でトラックやトレーラーのドライバーとして働くときに、運転免許が必要なことはご存知の通りですが、そのほかにも、運ぶものや運転する車体に応じて必要な資格がいくつか存在します。
今回は、さまざまな資格の中から、運送業界でドライバーとして働き始めるときに持っておくと便利な資格についてまとめました。
資格を持っていることで、運送業界で就職活動するときの採用面や待遇面などで有利に働くので、取得しておいて損のないものばかりです。
これから運送業界でドライバーとして活躍していこうとお考えの方は、ぜひ今回の記事を参考にしてください。
目次
中型以上の運転免許
トラックの運転で何よりも必須なのが、運転するトラックの大きさに応じた運転免許です。
特に大型免許を持っている人材は、それだけで運送会社にとってありがたい人材だと言えます。
その理由は、運送業界の人材不足が深く関わっています。
運送会社の「本音」
現在、運送業界全体で、深刻なドライバー不足に陥っています。
そのため、各運送会社はさまざまな方法で採用を強化しています。
会社によっては資格取得制度を設けており、入社後に資格を取れるようにして応募の際のハードルを下げているところもあります。
しかし、ドライバーの資格取得には割とコストがかかるため、本音を言えば即戦力になる人材が欲しいと考えるのが普通です。
そのため、運送会社で主に使われる中型以上のトラックを運転できる、中型免許や大型免許を持っているだけでも即戦力として活躍できます。
当然、採用につながりやすかったり、待遇面でも優遇されやすくなるので、できるなら中型以上の免許を持った状態で応募したいところです。
フォークリフトの免許
運送業界で働くドライバーの業務は、トラックを運転するだけではありません。
業種や荷物の種類にもよりますが、積み降ろしや伝票作成などもドライバーの業務のうちに入ります。
さて、トラックの車体が大きくなり、荷物の量が増えてくると、積み降ろしの内容が手積みではなくフォークリフトを使用したものに代わってきます。
フォークリフトの免許をドライバーが持っていれば、積み降ろしから配送までの業務を一人で完結できるので、運送会社にとってありがたい存在であり、好待遇になりやすいです。
逆に大型免許を持っていたとしても、フォークリフトの免許を持っていなければ、積み降ろしの際に追加の人員が必要になり、運送会社にとってロスが増えます。
当然、フォークリフトの免許を持っている人との待遇に差が出るケースもあるので、より良い条件で働こうとするなら、フォークリフトの免許は取得優先度の高い資格です。
公道を運転するなら小型・大型特殊自動車免許も必要
フォークリフトの免許で運転できるのは倉庫内の作業時のみであり、公道でフォークリフトを運転するためには、車体の大きさに応じて別途「小型特殊自動車免許(小特)」もしくは「大型特殊自動車免許(大特)」が必要になりますので注意しましょう。
玉掛作業者
荷主が建設や鉄鋼などの業界の場合、積み降ろしの際にクレーンを使うことが多いです。
クレーンで荷物を吊り上げる際、荷物をクレーンに引っ掛けるために必要な資格が玉掛作業者です。
玉掛作業者の資格を持っていれば、トラック以外のクレーンで荷物を吊り上げる際の玉掛作業ができるので、運送業界だけでなく幅広い業界に対応できる資格としておすすめです。
けん引免許
けん引免許はトレーラータイプの車両を運転するために必要な免許です。
けん引免許を使って運転する車両は、運転する「トラクターヘッド」と荷台部分の「トレーラー」に分かれていることが特徴で、そのほとんどは大型免許が必要な車両です。
そのため、持っていると便利な免許のひとつではありますが、大半の場合は大型免許の取得がほぼ前提になります。
大型免許の取得がまだなのであれば、まずはフォークリフトの免許や玉掛作業者の資格といった、汎用性の高い資格から取得しておくことをおすすめします。
けん引免許は以前の記事で詳しくご紹介していますので、けん引免許のことをもっと知りたい方はこちらもぜひ!
【関連記事:トラクタ&トレーラーの運転に必須!けん引免許について】
危険物取扱者
運ぶ荷物がガソリンや灯油、薬品などの危険物の場合、それぞれの荷物に応じた種類の危険物取扱者の資格が必要です。
業界によっては必須の資格であり、運送会社の採用条件で必須項目になっていることも少なくありません。
代表的なのはガソリンスタンドにガソリンを運ぶタンクローリーのドライバーの求人で、対応資格である「乙種第4類(乙4)」を採用の必須条件にしている会社は多いです。
また、危険物取扱者資格にはさまざまな種類があります。
詳しくは以前の記事でもお伝えしているので、危険物取扱者の資格について興味がある方は、こちらをご覧ください。
【関連記事:危険物取扱者資格では何ができる?就職に役立つ?】
今回は、トラックのドライバーとして活躍する上で有利に働く資格をご紹介しました。
取得の難易度や取得後の汎用性などから、紹介する順番に多少の違いはあったものの、すべての資格が「持っておくだけでこの先ずっと役に立つ」と言って良いでしょう。
自身の現状や働きたい業界などに合わせて必要な資格を手に入れ、より良い条件で運送業界に飛び込んでいきましょう。