日本では、運転するしないに関わらず、自動車を持っていると「自動車税」と「自動車重量税」が発生します。
トラックも例外ではなく、大きさなどさまざまな条件に即した金額の自動車税と自動車重量税が発生します。
今回は、トラックを運用する際の自動車税や自動車重量税のかかり方と、節税可能な方法をご紹介していきます。
目次
自動車税
トラックの自動車税は、「最大乗車定員数」「用途」「課税・減税の有無」「最大積載量」で算出することができます。
それぞれ見ていきましょう。
最大乗車定員数
トラックの場合、最大乗車定員が3人以下か4人以上かによって自動車税の金額が変わります。
運送用のトラックなどは基本的に2人乗りであることが多く、ダブルキャブなどで4人以上が乗車できるようになっている場合、「貨客兼用車」とも呼ばれるようになり、別の価格設定で計算するようになります。
用途
トラックの自動車税では、車両の使用目的が自家用なのか事業用なのかによって金額が異なります。
同じ積載量の車両で比較すると、事業用のトラックの自動車税の方が自家用のトラックの自動車税よりも安く設定されています。
課税・減税の有無
自動車税ではある一定の基準を満たした車両に対して課税、もしくは減税を行っています。
例えば、「自動車税のグリーン化特例」と呼ばれる制度が導入され、一定の基準を満たしている車両に対して減税を行ったり、逆に車両の登録から一定以上の期間が経過している場合には重課が行われます。
※2018年5月現在
最大積載量
一般の乗用車の場合、自動車税はその車体が持つ「排気量」で変化しますが、トラックの場合は「車両の最大積載量」で変化します。
最大積載量1トンごとに21トンまで料金が決められており、22トン以上の場合は1トンにつき決まった額が加算されていきます。
こうした条件のもとに、トラックの自動車税が決定されます。
今回は、ほとんどのトラックが属する定員3人以下の車両の、税額の基準となる最大積載量での金額をご紹介していきます。
事業用と自家用で金額が異なるので、それらの違いも併せて表にしています。
トラック(最大乗車定員3人以下)の、1年間の自動車税額※2018年5月時点での数値です。
最大積載量 | 自家用(単位:円) | 事業用(単位:円) |
~1トン | 8,000 | 6,500 |
~2トン | 11,500 | 9,000 |
~3トン | 16,000 | 12,000 |
~4トン | 20,500 | 15,000 |
~5トン | 25,500 | 18,500 |
~6トン | 30,000 | 22,000 |
~7トン | 35,000 | 25,500 |
~8トン | 40,500 | 29,500 |
~9トン | 46,800 | 34,200 |
~10トン | 53,100 | 38,900 |
~11トン | 59,400 | 43,600 |
~12トン | 65,700 | 48,300 |
~13トン | 72,000 | 53,000 |
~14トン | 78,300 | 57,700 |
~15トン | 84,600 | 62,400 |
~16トン | 90,900 | 67,100 |
~17トン | 97,200 | 71,800 |
~18トン | 103,500 | 76,500 |
~19トン | 109,800 | 81,200 |
~20トン | 116,100 | 85,900 |
~21トン | 122,400 | 90,600 |
22トン~ | 1トンごとに6,300円ずつ加算 | 1トンごとに4,700円ずつ加算 |
(単位:円)
この数値に、グリーン化特例による判断をもとに減税や重課、現状維持が行われて実際に支払う金額が決定されます。
自動車重量税
自動車重量税は、車検の時に納付しなければいけない税金で、車検代とは別に支払う必要がある税金のことです。
「車両総重量」と「用途」、そして「経過年数」で分けられており、さらに「エコカー減税」という制度によって一部の車両は免税を受けることができます。
こちらもそれぞれご紹介していきましょう。
車両総重量
自動車税の場合と異なり、自動車重量税では「車両総重量」で金額が計算されます。
総重量1トン以下から1トンずつ適用され、最大30トンまで明確に定義されています。
用途
自動車税と同じく自家用か事業用かによって金額の基準が区別されています。
自動車重量税も、基本的には自家用よりも事業用で使用した方が安くなります(エコカーの場合は同じ金額になります。※2018年5月現在)
初度登録からの経過年数
自動車重量税は、車両の初度登録から13年、18年が経過した際に段階的に増税が行われます。
基本的に車両重量が重ければ重いほど、経過年数による増額の幅も大きくなります。
「エコカー減税」について
自動車重量税は、環境に配慮した車両に対する取り組みの一つである「エコカー減税」で軽減、免除してもらうことができます。
エコカー減税は、エコカーに認定されることで基本的な支払額が軽減されることや、初度登録時や初回の継続検査(2回目の車検)で減額を受けることができたり全額免除にしてもらうことが可能です。
自動車重量税は、車検の際に支払う必要がある税金です。
トラックを新車で購入した場合初年度の車検は免除されるので、実際には2年経過した際の初回継続検査(2回目の車検)の時に2年分の自動車重量税を支払うことになります。
そのため、エコカー減税の減税や免除の対象になっている車両は、初度登録後の初回2年度分の重量税が減免されることになります。
※2018年5月現在
自動車重量税は、非常に多岐にわたる要素から算出されます。
また、エコカー減税などの施策もありますが、状況によって内容が変わり、減額率や車両の評価基準が変わることがよくありますので、エコカーの対象になっているトラックを購入しようとしている方は注意が必要です。
自動車税や自動車重量税に対して対策ができる方法2選
ここまで、トラックを所有している場合に必要になる2種類の税金について大まかにご紹介しました。
トラックを新車で購入する際の参考になればと思います。
ここからはさらに、トラックの税金を節約できるコツをご紹介していきます。
「メンテナンスリース」を利用する
トラックを入手する方法として「メンテナンスリース」という方法があります。
メンテナンスリースとは、トラックを製造するメーカーなどのリース会社がトラックを購入し、車両を「借りる」扱いにして長期間運用する方法です。
所有権がリース会社にあるので、自動車税などの税金以外にも自賠責保険の費用や車検費用などが全てリース料金に含まれているため、料金的にもお得で、各種手続きを行う手間も少なくなります。
必要な時だけ「レンタル」する
緊急の場合や、一時的に車両が欲しい場合であれば車両のレンタルをお勧めします。
車両を所有しているのがレンタル会社なので、メンテナンス費用も各種税金も支払う必要がなく、必要な時に必要なだけ車両を使用することができるため予算の節約につながります。
長期間借りていると逆にコストが増えてしまうことがあります。その場合は購入やリースなど、長期間車両を手元に置いておける方法をおすすめします。
メンテナンスリースについて詳しくはコチラ…トラックの「メンテナンスリース」って何?
車両のレンタルについて詳しくはコチラ…購入か?レンタルか?車両を手に入れたいときの選択肢とおすすめの方法
いかがでしたでしょうか。
今回はトラックを所有していると必要になる「税金」についてご紹介しました。
さまざまな対策法がありますので、自分に合った方法を見つけて下さい。