高速道路では逆走事故が2日に1回以上の頻度で発生しています。(平成28年度 国土交通省調べ)
スピードを出しやすい高速道路では、逆走事故が重大事故に発展しやすく、ときには死亡事故につながる例もあります。
なぜ高速道路を逆走してしまうのでしょうか。また、逆走しないための対策や、逆走車に遭遇してしまったときの対策はあるのでしょうか。
目次
逆走事故はどこで起きる?
高速道路の逆走事故はほとんどがインターチェンジやジャンクションで発生しており、平成28年の調査では6割を超えています。
インターチェンジやジャンクションで、入り口から入り損ねた車が出口から入ろうとするパターンや、分岐点に差し掛かったときに行き先を間違えてUターンするパターン、料金所が行き帰りで区切られておらず、間違って出口側の車線から高速道路に入ろうとするパターンなどがあります。
逆走事故はなぜ起きる?
ほとんどのドライバーは、自分が高速道路を逆走することはないと考えているのではないでしょうか。
にもかかわらず、毎年多くの逆走事故が高速道路で起きています。
その原因は何でしょうか。
いくつかの事例をご紹介します。
カーナビの読み間違い
最近は、カーナビの技術も進歩して、見やすく、分かりやすいカーナビも増えてきています。
しかし、インターチェンジやジャンクションなどの入り組んだ構造の道路では、カーナビの案内を勘違いすることも多く、目的地とは違う方向に進んでしまうことがあります。
進入後に間違った方向に進んでいることに気付き、慌てて戻ろうと逆走し、事故につながることがあります。
標識の見逃し
雪の多い日や激しい雨の日などは、道路標識が非常に見づらくなります。
そのため、インターチェンジやジャンクションのほか、サービスエリアやパーキングエリアの入り口などで、本来進入を禁止されている方向に誤って進んでしまい、逆走事故につながることがあります。
「逆走事故は高齢者が起こしやすい」は本当?
ニュースで逆走事故が取り上げられる際、高齢者の運転が話題に挙がることが多いですが、本当に逆走事故を起こすのは高齢者ばかりなのでしょうか。
国土交通省が、平成23~28年に起きた逆走事故のデータをまとめた統計によると、逆走事故全体のおよそ7割が65歳以上のドライバーであり、さらに75歳以上のドライバーになると、逆走事故の発生率が急上昇します。
このことから、確かに逆走事故は高齢者が起こしやすい事故だと言えるでしょう。
(参考資料:国土交通省「第5回 高速道路での逆走対策に関する有識者委員会 配付資料」より https://www.mlit.go.jp/road/ir/ir-council/reverse_run/doc05.html)
一方で、若年層のドライバーも約3割の割合で逆走事故を起こしており、「自分は高齢者じゃないから大丈夫」と油断して良いわけではないことは心にとどめておきましょう。
逆走しないために
間違って逆走してしまわないために、どのようなことに心がければよいでしょうか。
逆走の原因は、大きく分けて「勘違い」と「パニック」の2つです。
初めて通る道で、間違った道に向かってしまい、パニックになって引き返すというケースがよくみられます。
それを防ぐためにも、知らない道、初めて通る道へ向かおうとする際は、入念に下調べしてから発進する、分岐に差し掛かったときには、正しい方向の判断ができるまでスピードを落とすなどの対策をしましょう。
そして、万が一高速道路を逆走してしまったら、まずは安全なところに車を停車させて、車から非難し、道路わきの非常電話や持っている携帯電話などで通報しましょう。
逆走車に気付いたら
走行中、前方に逆走車がいることを知ったとき、2つ対処することがあります。
1つは、自分が逆走車との事故に巻き込まれないようにすること。もう1つは、他の車に注意喚起することです。
ハイウェイラジオなどで逆走車の情報を得たり、長い直線の先に逆走車の存在を確認したときには、慌てずに逆走車のいない車線に移動し、ハザードランプを灯火させてスピードを落としましょう。
逆走車との正面衝突は死亡事故になりやすく、上述の統計では他の事故に比べて40倍もの確率で死亡事故に発展するので、安全が確保できる速度で移動しましょう。
そして、自分の横を逆走車が通り過ぎるのを見かけた際には、後続の車両が逆走事故に巻き込まれないように注意喚起しましょう。
安全な場所に停車して通報する、インターチェンジやジャンクションの職員に伝えるなどの方法が挙げられます。
こうすることで、ハイウェイラジオや電光掲示板から逆走車の存在が後続の車両に周知されて、事故を未然に防げるようになります。
おわりに
今回は、高速道路で逆走事故が起きる原因と、その対処法についてご紹介しました。
高速道路を使う誰もが逆走してしまう可能性があります。
むしろ「自分は逆走なんてしないだろう」と思っている人ほど危険です。
逆走しないように対策し、万が一の際には正しい行動をとれるようになって、逆走事故を未然に防ぎましょう。