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人材不足はドライバーだけではない?整備管理者とは

トラックのドライバーの人材不足が叫ばれている昨今。
実は現在、運送業界ではドライバーだけではなく、さまざまな職種の人材が不足しています。
中でも、事業所に1人は必ずいなければいけない「整備管理者」は、トラック運送業を営む事業者にとって欠かすことができない人材です。
そこで今回は、運送業界には欠かせない整備管理者についてご紹介していきます。

整備管理者とは

整備管理者とは、道路運送車両法に基づいて定められている、「トラックなどの大型車の点検や、整備を行う際に事業者が選任する管理者」のことです。
トラック運送業を始める際には、「運送業許可」というものを取得しなければいけませんが、運送業許可を取得するためには「運行管理者」と「整備管理者」の選任が必須となります。
※ちなみに、トラックのほか、バスやタクシーなどの車両を使った事業をする場合にも、それぞれ整備管理者の選任が必要になります。

また、複数の事業所がある事業者の場合には、各事業所につき1人以上の整備管理者が選任されていなければいけません。
さらに、外部の人を整備管理者として選任することはできず、「自社に所属している」か「自社を含んだグループ会社に所属している」人材の中から選任する必要があります。
このことも、運送業界での整備管理者の人材不足につながっている要因の1つといえるでしょう。

整備管理者の業務内容は?

整備管理者は、どのようなことをするのでしょうか。
整備管理者は、日常点検・定期点検をはじめとした、トラックやバスなどの車両の整備・点検業務を行います。
また、燃料や部品の管理などの管理、整備・点検に使用する施設の管理なども、整備管理者が行う業務にあたります。

具体的な管理項目は以下の通りです。

車両の管理

・整備管理
日常点検
定期点検
随時必要な整備
整備の外注
・燃料・油脂・タイヤ管理
品質管理
使用状況の把握
使用基準の作成
・部品・資材管理
品質管理
部品使用成績の把握
需給計画と保安管理
・車両故障対策
事故処理体制及び事故警報

使用の管理

・車両の使用成績に関すること
・車両の交換や代替に関すること
・車両検査に関すること

施設の管理

・車両収納能力の検討
・点検施設の検討
・洗車・排水施設の整備
・床面(舗装)及び車庫の整備

整備工場の管理

・整備工場に関すること
・点検整備に関すること
・整備要員に関すること

 

整備管理者になるには

さて、人材が不足している整備管理者ですが、誰にでもなれるわけではありません。
整備管理者になるには「道路運送車両法施行規則第31条の4」に基づき、次のうちいずれかの条件を満たしている必要があります。

整備の管理を行おうとする自動車と同種類の自動車の点検若しくは整備又は整備の管理に関して2年以上の実務の経験を有し、地方運輸局長が行う整備管理者選任前研修を修了した者

トラックやバスなど、自分が整備管理者として取り扱おうとしている車両と、同じタイプの車両の整備や点検の実務経験が、2年以上ある場合にクリアできる条件です。
整備管理者選任前研修は毎年数回、おおよそ2カ月に1度のペースで実施されており、ある程度自由なタイミングで研修を受けることができます。
研修後に「整備管理者選任前研修修了証明書」が交付され、晴れて整備管理者になることができます。
運送会社の整備補助者になったり、地域の整備工場やディーラー、ガソリンスタンドなどで働きながら経験を積むことができるため、上述の条件を満たして整備管理者になろうとする人が多いです。

自動車整備士技能検定のうち国土交通省令で定める次の種類に合格した者

・1級自動車整備士
・2級自動車整備士
・3級自動車整備士

整備の実務経験が少ない人が、試験を突破することで整備管理者になる場合の条件です。
試験内容は学科と実技に分かれており、まずはじめに学科試験に合格した人が実技試験を受けることができ、実技試験に合格することによって整備管理者になることができます。
自動車整備士技能検定を受けるためには「中学校卒業以上」「1年以上の自動車整備の実務経験」の2つの条件をクリアしている必要があるので、試験の難易度も相まって、こちらの方法で整備管理者になろうとする人はあまり多くはないです。

前2つの要件に掲げる技能と同等の技能として国土交通大臣が告示で定める基準以上の技能を有する者

先にご紹介した2つの条件と同じくらいの技能を持つ人は、上述の条件に基づいて整備管理者になることができるとされています。
しかし、2019年3月の時点では「告示で定める基準」自体が発表されていない(クリアするための条件が設定されていない)ため、この条件をクリアして整備管理者になることはできません。
今後、具体的な条件が決められることに期待しましょう。

いずれの方法でも、最低1年間は整備の実務経験が必要になるため、整備管理者になろうとするのであれば、運送会社や整備工場などで実務経験を積んでから挑戦すると良いでしょう。

いかがでしたでしょうか。
今回は、トラック運送業をしていく上で欠かせない整備管理者についてご紹介しました。
現在、運送会社の整備管理者は人手不足の状態に陥っていますので、整備管理者として働くことができる人材は非常に貴重です。
資格を得るまでのハードルはやや高いですが、就職などの際に有利に働くこともあるので興味がある方は挑戦してみてはいかがでしょうか。

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