工事現場を想像するとすぐに浮かんでくるのが、重量感のあるキャタピラと大きなアームが印象的な油圧ショベル。大きさも様々であることから、工事現場では需要の高い建機として日々活躍しています。
今回は、そんなニーズの高い油圧ショベルを必要とされている方の中で、「現場で使用することになったが、これからの使用頻度も低いのでレンタルを考えている」という方のために、油圧ショベルに関しての基本的な知識や運転に必要な資格、そしてレンタル方法をご紹介したいと思います。
目次
油圧ショベルとは?
そもそも油圧ショベルとは、土を掘ったり土を別の場所へ積んだりすることができるメジャーな建設機械の一つです。
油圧ショベルの呼び名
そして油圧ショベルには、メーカーや業界によって様々な呼称があります。
バックホー、ユンボが一般的な呼称とされていますが、他にもパワーショベル、ショベルカーなどと呼ばれています。
特にこれといった大きな違いはありませんが、メーカーや各業界で色々と名称が異なるようです。油圧ショベルとはその中でも特に建設業界で使用されている呼称です。
油圧ショベルの機能
油圧ショベルの機能というと、基本的に土をすくってトラックの積荷部分にまとめるといった掘削機能を想像すると思いますが、キャタピラやアームの部分に別のアタッチメントを取り付けることで、より様々な役割を果たします。
例えば、アームの先の部分(バケット)を網目のものに交換することによって、土石の中から大きな砕石をふるいにかけて選別することができます。
また、対象物を粉砕することに特化した「クラッシャー」と呼ばれるアタッチメントは、くちばしのような形状で、アームに取り付けることで先端に対象物を挟んで解体することに長けています。
油圧ショベルは他にも様々なアタッチメントがあるので、多様な用途に応じて活躍してくれる、汎用性の高い建機となります。
油圧ショベルの運転に必要な資格・免許
油圧ショベルを操作するためには、まず普通、大型免許などの「自動車運転免許」を持っていること。そして油圧ショベルの総重量によって必要な自動車免許の種類が変わります。
総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上の場合:大型自動車免許
総重量5トン以上11トン未満、最大積載量6.5トン未満の場合:中型自動車免許
総重量5トン未満、最大積載量3トン未満の場合:普通自動車免許
それに加えて、「車両系建設機械運転技能講習」と「小型車両系建設機械の運転の業務に係る特別教育」が必要となりますので、教習所にて資格を取得しなければなりません。
なお、道路交通法が適用されない私有地に関しては、上記の免許がなくても運転をすることが許されています。
レンタル価格の相場
現在建機リースを行なっている企業も日本全国へ広がっているので、レンタルがしやすい環境となっています。
今回は油圧ショベルをバケット容量で大きく3つに分けて、レンタル相場を調べてみました。
バケット容量0.02㎡:3000~6000円
バケット容量0.1㎡:3500~9000円
バケット容量0.4㎡:6000~18000円
価格は地域によって差が出てきますが、通常の工事現場で使用する油圧ショベルであったら、本体価格は1日1万円以下でレンタルできるようです。一週間パックや一ヶ月パックなど長期間レンタルにすると、価格もより安くなるでしょう。
なお、各レンタル会社によって、移動費や保険料などのサービス内容、また先述したアタッチメントの種類によって価格は変わりますので、自身に必要なサービスを考慮してレンタル先を選びましょう。
レンタルと中古、どちらがお得?
レンタルをすると決める前に、中古品を買うのとどちらがお得なのか気になりませんか?
比較するためにオークションサイトや中古販売業者で販売されている中古油圧ショベルはどれくらいの相場なのかも調べてみました。(2020年4月現在)
中古マイクロショベル (総重量5t未満):最低60万円 〜
油圧ショベルの中でも特に小さなマイクロショベルで、最低価格が60万という結果になりました。油圧ショベルはそもそも現場で常に一定の需要があり、さらに日本製は海外製と比べて人気があるため、相場は高値を保持して変動します。
ちなみに油圧ショベルの耐用年数は、利用目的によって法的に定められています。
林業用設備に使用されるもの: 5年
総合工事業用の設備に使用されるもの: 6年
いずれの区分にも該当しないもの: 17年
したがって、工事現場となると、6年間減価償却費を計上できるということになります。
中古となっても価格がなかなか下がらない油圧ショベルですが、その人気の秘密は現場のニーズ以外にもあります。それは作りがシンプルなため、修理費が比較的安くすみ、事故車や故障車の場合でも高く買い取ってくれることも理由の一つです。したがって、保管場所に余裕があったり、使用頻度がある程度見込めるのであれば、初期費用を投資して中古を購入し、故障したり不要になれば売却するというのも一つの手であると言えるでしょう。
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ただ費用面を考慮すると、使用頻度もあまり無く、初期費用をかけたくないという方はやはりレンタルをした方がお得ということになります。
おわりに
レンタル会社は全国に広がっているので、借りる前にその土地に配送可能なレンタル会社を調べ、何社か見積もりを出してもらって比較したのちに決定しましょう。
また建機は使用せずとも経年劣化していくものです。
きちんと整備確認をしたのち、安全に配慮をして運転するように心がけましょう。