レンタルのツボ

レンタル可能なクレーンの種類と必要な免許・資格を一挙紹介!

重たい荷物を移動させるときに活躍するのがクレーン車です。
しかし、ふだんクレーン車を頻繁に使うわけではない場合、クレーン車を保有していないこともあるでしょう。
そんな時に便利なのがクレーン車のレンタルです。

どんなクレーン車を借りられるのでしょうか、また、借りたクレーン車を操作するためには、どんな免許や資格が必要なのでしょうか。

今回は、レンタル可能なクレーン車の種類と、運転・操作に必要な免許や資格についてご紹介します。

レンタル可能なクレーンにはどんなものがある?

レンタルが可能なクレーン車は、移動する方式に応じて大きく3種類に分けられています。

・トラッククレーン

・ホイールクレーン

・クローラ―クレーン

種類別に見ていきましょう。

トラッククレーン

移動するための運転室とクレーンを操作するための操作室が分かれているタイプはこの分類になります。

汎用トラッククレーン

トラックのシャシ(足回り)に、運転室とクレーン、クレーンの操作室が取り付けられているタイプのクレーン車が汎用トラッククレーンです。
荷台はないものの、走行性能は一般的なトラックと遜色なく、公道を走る際の制約もホイールクレーンに比べると少ないことが特徴です。

しかし最近では、より重いものを吊り上げられるオールテレーンクレーンやラフテレーンクレーン、汎用性がさらに高い車両積載型トラッククレーンに押され、姿を見せる機会が減ってきています。

車両積載型トラッククレーン

一般的なトラックの荷台にクレーンが乗ったタイプです。
「ユニック」と聞くと思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか。

トラックの荷台と運転室(キャブ)のあいだに取り付けてあるキャブバック型と、荷台の中にクレーンが架装されている荷台内架装型の2種類に分かれており、用途や目的に応じて使い分けられています。

トラックのボディを利用することで、荷物の積み降ろしと運搬が一台で完結するため、複数台の車両を用意する手間や費用がかかりません。

オールテレーンクレーン

オールテレーンクレーンはクレーン車の中でもかなり大型の車両です。

その特徴は車輪にあり、最大で8軸・16輪の車輪が個別に駆動できるつくりになっています。
そのため、高速道路から不整地まで、あらゆる地形を走破でき、非常に多くの現場に進入することができます。

また、クレーン部分も大型のものが多く、かなりの重量のものでも吊り上げられるようになっています。

※ただし、ほとんどの車両が大型車なので、公道を走行する場合には特殊車両の通行許可を申請しなければならなかったり、重量の関係で荷台部分を一度分解してトレーラーで運ばなければならなかったりといった制約もあります。

ホイールクレーン

ホイールクレーンは、タイヤで走行するクレーンの中で、走行用の運転席とクレーンの操作席が同じタイプのクレーン車です。
大型のラフテレーンクレーンと、小型のホイールクレーンの2種類があります。

ラフテレーンクレーン

ラフテレーンクレーンは、ホイールクレーンの中でも大型の車両です。
ラフテレーンとは「荒れた(ラフ)地形(テレーン)」という意味で、その名の通り不整地や急な坂道、狭い道での作業を得意としています。

元々は、建機メーカーである加藤製作所が開発したホイールクレーンの名前でしたが、かなりの知名度を誇っていたことから、最近ではホイールクレーンのことをラフテレーンクレーンと呼ぶことが多くなってきています。

かなりの重量のものを吊り上げることができるため、人気のクレーン車のひとつです。

※リーチクレーン

ラフテレーンクレーンの中でも垂直に上がったブームの先に、地面と水平に伸びるタイプのブームが付いているものがあります。
これをリーチクレーン(またはハイリーチクレーン)と言います。

車体が進入できないほどの狭い場所や、高さ制限があって通常のクレーンを斜めに伸ばすと引っかかってしまう場合などに使われます。

ホイールクレーン

上の分類でホイールクレーンに属するクレーン車の中で、ラフテレーンクレーン以外のものを総称してホイールクレーンと呼びます。
比較的小型タイプのものが多いです。

クローラクレーン

クローラ―クレーンは、足回りがタイヤではなくクローラー(キャタピラと言った方がわかりやすいかもしれません)になっているタイプのクレーン車です。
このタイプの車両の共通点として、足回りがクローラーになっている場合、公道を走行することはできないため、現場までの移動はトレーラーに乗せて行うことになります。

クローラークレーン

クローラ―クレーンに分類されるものの中で、大型の車両はそのままクローラ―クレーンと呼ばれます。
特徴としては、足回りがクローラーになっているため、ラフテレーンクレーンやオールテレーンクレーンよりもさらに不整地での作業が得意です。

カニクレーン

クローラークレーンの中でも比較的小型な車両にカニクレーンがあります。
作業中に車体を固定するためのアウトリガーを展開した際、全体のシルエットがカニのように見えることからカニクレーンと呼ばれるようになりました。

小型なため、移動の際に分解しなくてもトレーラーやトラックに乗せられることが多く、小回りも利くので狭い場所での作業に向いています。

クレーン車の免許は2種類ある

さて、クレーン車を借りたはいいものの、当然クレーン車を動かせるだけの免許や資格がないと意味がありません。
そこでここからは、クレーン車を動かすための免許や資格についてご紹介します。

クレーンの免許は大きく分けて、公道を走るための免許と、クレーン部分を操作するための免許の2種類があります。
それぞれ見ていきましょう。

公道を走るための免許

拠点から現場へ、あるいは現場から別の現場へ移動する際には、ほとんどの場合公道を使って移動することになるかと思います。

オールテレーンクレーンやクローラ―クレーンのように、トラックやトレーラーなどに載せて移動するものであれば関係ありませんが、クレーン車が自力で走行しようとした場合には、それぞれの車両に合わせた免許が必要になります。

車両の大きさや分類に合わせて、「普通免許~大型免許」、あるいは「小型特殊免許~大型特殊免許」などを取得しましょう。

クレーン部分を操作するための免許

クレーン部分の操作にも専用の免許が必要です。
使いたい車両の吊り上げ重量に応じて、以下の3種類の免許のうちいずれかを取得しましょう。

・移動式クレーンの運転業務特別教育の修了:吊り上げ荷重1トン未満のもの
・小型移動式クレーン運転技能講習の修了:吊り上げ荷重1トン以上、5トン未満のもの
・移動式クレーン運転士免許:吊り上げ荷重5トン以上のもの

クレーンに荷物をかけるなら玉掛け作業者も必要

クレーンを使って作業する場合、荷物をクレーンに引っ掛けて作業することになると思います。

荷物をクレーンに引っ掛けるためには玉掛け作業者の資格が必要になります。
玉掛け作業者の資格を取得するには、「玉掛け技能講習の修了」をしなければなりません。

おわりに

今回は、クレーン車をレンタルしようと考えている人向けに、借りることができるクレーン車にはどんなものがあるのか、クレーン車で作業するにはどんな免許や資格が必要なのかについてご紹介しました。

ご自身の目的にあったクレーン車を借りられるように、この記事を参考にしてもらえれば幸いです。

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