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トラックのマフラーから白煙?黒煙?原因や対処法は?

トラックを運転していると、マフラーから白煙や黒煙を上げていることがあります。
これはどういった症状なのでしょうか。
また、対処法はあるのでしょうか。
今回は、トラックのマフラーから白煙や黒煙が上がっていた場合の原因や対処法についてご紹介していきます。

トラックのマフラーから白煙が上がっていた場合

トラックのマフラーから白煙が上がっていた場合、正常な状態とは言えません。
いくつかの原因が考えられますのでそれに対する対処法をお勧めしています。

原因① オイル下がり

オイル下がりとは、エンジンを動かしているシリンダーヘッド側からバルブをつたってエンジン内の燃焼室にエンジンオイルが入ってくる現象です。
エンジンのバルブシステムには、オイルの侵入を防ぐ「バルブステムシール」というものがありますが、このバルブステムシールが劣化してしまうことによって、 エンジンオイルが燃焼室内に侵入してしまいます。

そして、燃焼室の中でエンジンオイルが燃えてしまうことで白煙が発生します。
オイル下がりの特徴として、エンジンのアイドリング中に白煙が多く発生し、走行中にはあまり白煙が発生しないというものがあります。

対処法
症状が軽めの早い段階であれば、「オイル下がり添加剤」を使用することで、エンジンオイルの粘度をあげて燃焼室にオイルが入り込まないようにして、オイル下がりを防ぎ、白煙が出ないようにすることができます。
オイル下がり添加剤を使用してもオイル下がりの状況が改善しない場合には、バルブステムシールの交換を行い、エンジンオイルの侵入を防ぎます。

原因② オイル上がり

トラックの場合オイル下がりよりも発生する可能性が高く、そしてより深刻な症状が想定されるのが「オイル上がり」です。
オイル上がりの場合は、シリンダーやピストンリング、ピストンなどのどこかが損耗し、クランクケースに溜まったエンジンオイルがピストンに押し上げられることによって燃焼室に侵入して起こります。
オイル上がりの場合の特徴は停車中やアイドリング中、低速走行中などのタイミングではあまり白煙は発生しません。エンジンが高速回転するタイミングでの走行時に白煙が発生しているケースが多いです。

対処法
オイル上がりの場合、症状が軽いものであれば「オイル上がり添加剤」を使用することによってある程度改善しますが、そうでなければシリンダーやピストンリング、ピストンなどが消耗していたり損傷している可能性が高く、故障した箇所の交換が必要になってきます。
シリンダーやピストンリング、ピストンの故障の場合、エンジンの中核を成すパーツなため、状態によってはエンジンのオーバーホールが必要なケースもあります。

原因③ 燃料に水が混入している

マフラーから白煙があがる場合、ほとんどはオイル下がり・オイル上がりが原因となって起こりますが、 その他に燃料に水が混入することによっても、白煙が発生することがあります。
この場合の白煙は、排気ガスに水蒸気が多く含まれたもので、燃料フィルターのドレンに水が溜まって燃料内に水が入り込み、燃料と一緒に燃焼することで水蒸気となって、排気ガスと一緒に白煙として排出されるものです。

対処法
燃料フィルターのドレンに水が溜まることによって発生するので、フィルター内の水抜きをすることによって症状が改善します。

トラックのマフラーから白煙が上がる場合は上述の三つの原因が考えられます。燃料に水が混入した場合を除き、車体に大きなトラブルが起きている可能性があるため、速やかに対処をすることが求められます。

トラックのマフラーから黒煙が上がっていた場合

ここからはトラックのマフラーから黒煙が上がった場合の原因と対策をご紹介します。
トラックのマフラーから黒煙が上がる原因としてはいくつかありますが、共通していることとして「燃料の不完全燃焼」が挙げられます。
不完全燃焼につながるさまざまな要因が黒煙の発生を引き起こしていると言えます。

原因① 吸入酸素量が不足している

ディーゼルエンジンでは、ガソリンエンジンと異なり、絶えず一定の量の空気を吸入し、そこへアクセルの踏み具合に応じた燃料を噴出、燃焼させて走行のエネルギーに変えています。
この時、吸入する空気の量が少ない場合、燃焼するための酸素が不足してしまうため不完全燃焼が起こり、燃焼しきれなかった燃料がスス=黒煙となって排出されます。

対処法
吸入する酸素=空気の量が少ない理由として考えられるのは、エアクリーナーの汚れです。
エアクリーナーの清掃や、交換を行うことで空気の吸入量を増やし、吸入酸素量不足による黒煙の発生を防ぎます。

原因② 燃焼室への燃料供給の不具合

吸入する酸素量が十分だとしても、酸素と反応して燃焼する燃料の供給に不具合が起きていると、不完全燃焼となり黒煙が発生しやすくなります。
ポイントとしては、きちんと適切な量の燃料が噴霧されているかどうかということです。
燃料の供給量が酸素に比べて多い場合、不完全燃焼となります。また、噴霧するノズルの状態が悪く油滴や粒状で燃料が送り込まれている場合でも、適切に燃焼されず不完全燃焼となります。

対処法
燃料の噴射ポンプや噴射ノズルに不具合が出ている可能性があるため、 燃料の噴射ポンプの点検や整備、交換を行い、燃料の供給状態を適切に行えるようにすることで改善します。

原因③ 燃焼室の燃料圧縮力不足

ディーゼルエンジンでは、シリンダーやピストンリングを使用し、燃料を圧縮することで着火し燃焼させる構造になっています。
シリンダーやピストンリングが摩耗していると、燃料の圧縮力不足が起こり不完全燃焼につながります。

対処法
シリンダーやピストンリングの摩耗が原因なため、これらの装置の点検が必要ですが、症状がひどい場合にはエンジンのオーバーホールも必要となります。

このように、様々な原因によってエンジン内の燃料が不完全燃焼を起こし、黒煙が上がる原因となります。

いかがでしたでしょうか。今回は走行しているトラックから、白煙や黒煙が出てしまう時の原因と対処法についてご紹介しました。
できるだけ早期に発見し、対応することによって修繕の費用や時間を抑えることにつながりますので、早めの対応を心がけて下さい。

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