運送業界で働くドライバーの人にとって、大型トラックの運転は1つの目標といえるのではないでしょうか。
また、給与面でも小型や中型トラックのドライバーに比べて優遇されていることから、大型トラックのドライバーになろうとしている人も多いです。
そこで今回は、大型トラックのドライバーになるために活用できる、便利なサービスについてご紹介していきます。
目次
大型トラックのドライバーになるためには
大型トラックのドライバーになるためには、大きく分けて2つの条件をクリアしておかなければいけません。
1つは、トラックの運転経験です。
小型トラックや中型トラックを運転して、「トラックによる運送」についての業務を経験していないと、大型トラックのドライバーとして採用されることはほとんどありません。
運転経験を積んでいくなら、トラック運送事業者に就職するなどして、実際のトラック運送業に身を置くのが一番の近道といえるでしょう。
そしてもう1つの条件であり、今回詳しく取り上げるのが、大型免許の取得です。
大型トラックのドライバーになるために、大型免許の取得は必須なのですが、大型免許の取得にはさまざまなハードルがあります。
その内の1つに、免許の取得にかかる費用があげられます。
大型免許を取得しようとすると、決して安いとは言えない金額の免許取得費用が必要です。
例えば、普通運転免許を所持している人が大型免許を取得しようとすると、最終的には約35万円ほどがかかります。
「助成金」や「給付金」を活用する
大型免許取得に向け、費用を少しでも軽減できる方法として、助成金や給付金などを活用することが挙げられます。
それぞれ、実施している団体や申込みの条件などが異なりますので、個別に見ていきましょう。
教育訓練給付金制度
厚生労働省が行っているのが、「教育訓練給付金制度」です。
教育訓練給付金制度とは、「働く人の主体的な能力開発の取り組み、または中長期的なキャリア形成を支援するため、教育訓練受講に支払った費用の一部を支給する」という制度です。
45歳未満の離職者で、基本手当が支給されない期間に「専門実践教育訓練」を受講するためにかかるさまざまな経費の負担を軽減します。
この制度では、ドライバー自身が給付金を受け取ることができます。
そのため、後述するトラック協会による助成金とは異なり、会社へ給付申請を行う必要がないので、自分の予定に合わせて取得することができるのが特徴です。
上限は10万円で、大型免許取得費用の約20%が支給されます。
上述の「普通運転免許から大型免許を取得する」場合だと、35万円の20%で7万円程度が給付金として支給される計算になります。
給付を受けることができるかどうかは、教育訓練を受けるタイミングで、「雇用保険にどの程度の期間入っていたか」「雇用保険の空白期間がどの程度あるのか」といった条件をもとに判断されます。
トラック協会による助成金
全国にあるトラック協会では、運送トラックのドライバーが中型や大型の免許を取得する際に、助成金を給付する制度を設けています。
一番最近では準中型免許の新設にあたって助成金が支払われるようになったのが記憶に新しいところです。
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注意が必要なのが、「常に助成金が実施されているわけではない」ということです。
助成金は一定期間(1年に1回など)で入れ替えが行われるので、例えば「前年にあった助成金が今年はなくなっている」ことや、「似た内容の助成金でも名前が変わっていてわかりにくくなっている」ということが起こります。
また、トラック協会には全国共通で制度の実施や情報の公開を行っている「全日本トラック協会」と、各都道府県の交通状況などに合わせた制度の実施や情報の公開を行っている「各都道府県のトラック協会」があります。
全日本トラック協会では助成金がなくても、各都道府県のトラック協会では管轄地域の環境などに合わせ、大型免許の取得に関する助成金制度を設けている場合があります(もちろん逆のパターンもあります)。
そのため、大型免許を取得しようと思っている人は、トラック協会が公開している助成金についての情報を詳しく調べておくことをおすすめします。
ここでポイントとなるのが、助成金は「トラックのドライバー」に対してではなく、「ドライバーが所属している事業者」に対して支払われることです。
そのため、運送会社の社員として大型免許を取得しようとしている場合は、事業者の上長やあるいは運行管理者などに相談して、「会社として助成金の申請」を行ってもらうように掛け合う必要があります。
いかがでしたでしょうか。
今回は、大型トラックのドライバーになるために必要な、「大型免許取得」の際に活用できる、支援サービスについてご紹介しました。
大型免許の取得には、費用面以外にもまとまった時間の確保など、さまざまなハードルがあります。
だからこそ、活用できる制度は最大限活用し、少しでもハードルを下げておくことが重要です。