トラックのドライバーにとって、健康管理は重要な課題の1つです。
健康管理のために行うことをおすすめするのが「ストレッチ」です。
以前の記事でも簡単にご紹介しましたが、ストレッチは「いつでも」「どこでも」「一人でも」「手軽に」できることから、運転席で座っている時間が長いトラックのドライバーにとって導入しやすい運動です。
体調管理についてご紹介した記事はコチラ…トラックドライバーが行うべき体調管理について
疲労が回復したり、眠気がスッキリしたりといった体力の回復から、肩こりや血流の循環低下を緩和する作用もあります。
特に同じ姿勢でいることが多いトラックドライバーは、血流の循環低下が起こりやすく、高血圧やエコノミークラス症候群などの重篤な疾患につながりやすい職業の1つであるといわれています。
ストレッチはそれらの症状の予防にもなるため、これからご紹介する方法のうち自身でできそうなものを、ぜひ取り入れてみてください。
目次
起床時、出勤前のストレッチ
起床時のストレッチは、眠った身体を目覚めさせるために有効です。その日に行う運転や積み降ろしなどの業務に対して、身体を備えておくほかにも、ストレッチをすることで身体が活性化していくにつれ、頭もスッキリと冴えてくるのです。
また、出勤前や配送の出発前のストレッチを行うことで、長い時間の運転に向けて身体の最終調整をしていきます。
起床時のストレッチ方法
①まずは大きく伸びをしましょう
伸びをすることで、眠っているうちに無意識に負荷がかかる場所(例えば横向きに寝た時に下になる場所)をリラックスさせます。②首を伸ばします
仰向けになり、首を枕に乗せて左側に倒した後5秒間ほど静止して伸ばします。右側も同様に首を倒して5秒間ほど静止します。
長時間の運転で首への負担が大きくなっているトラックのドライバーにとって、首のケアは大切です。
無理をせず痛みを感じない程度に行っておきましょう。③太ももの内側を伸ばします
仰向けで片方の膝を曲げて足を挙げます。曲げた方の太ももの内側を、手で押すようにしてゆっくりと外側に開いて伸ばしていきます。
これを反対側の足でも行います。
④腰を伸ばします
仰向けで腰をひねるように伸ばしていきます。
腰は運転や積み込み、積み降ろしの際に特に酷使する部分です。前日までの疲労回復や当日の過労やぎっくり腰など予防のためにも、しっかりと伸ばしておきましょう。⑤ももの裏側とお尻を伸ばします
片足を膝を曲げた状態で両手で抱え、手前に引きよせ5秒間静止します。
これを両足に行います。⑥最後に腹筋を伸ばします
うつぶせの体勢になって両肘をつきます。そこから上体を反らして5秒間静止します。
腹筋を伸ばすことで体幹が強くなり、身体が疲れにくくなります。
出勤前のストレッチー下半身編ー
①足を前後に開き、前側の足に少しずつ重心をずらしていきます
この動作で後ろ側の足を伸ばし、「アキレス腱」「足首」「股関節」を伸ばします。
約5秒ほど伸ばしたら逆側の足も同様に伸ばしていきます。②足を横に開き、左右片方の膝を曲げることで膝を曲げた側に重心を移動させ、反対側の「股関節」「膝関節」「太ももの裏側」を伸ばしていきます
左右どちらも約5秒ずつ伸ばします。③最後に、片膝を立てた体勢になって重心を前に移動します
この動作で「股関節」「太もも」「膝関節」「アキレス腱」「ふくらはぎ」を伸ばしていきます。
出勤前のストレッチー上半身編ー①足をまっすぐ伸ばした状態で前かがみになり、腕が地面に届くように伸ばして静止します
「ふくらはぎ」から「お尻」、「背中」にかけてをしっかり伸ばす運動です。②立った状態で両手を後ろでつなぎ、思い切り胸を張って「胸筋」や「肩」を伸ばします
③胸の前で腕を十字に組みます。このとき、十字の縦の腕を前にかぶせるようにして引き寄せます
「肩の周辺」や「背中」を伸ばします。④両腕を頭の上から後ろに回し、片方の腕で反対側のひじを引き寄せます
引き寄せられた側の肩周辺が伸びます。これも両側を伸ばします。
運転中に車内でもできるストレッチ
運転中は限られた時間とスペース内で効率的にストレッチを行うことが必要になります。
そのため、手軽にできることが特に重視されます。①シートに深く座って背筋を伸ばします
このとき、両手をハンドルの一番下の外側に当てて、背筋を伸ばす動きに抵抗を与えることで「背中」と「腰」のストレッチができます。②肩を伸ばします
シートに座った状態で背筋をしっかりと伸ばして頭の後ろで両手を組みます。
その後、胸を張りながら両肘を後ろに引っ張ることで、肩が伸ばせます。③背中を伸ばします
シートに軽く腰掛け、ハンドルの上側をつかんで頭を両腕の間に差し込むようにしながら背中を丸めます。
このときに腕に力を入れることで背中を伸ばすことができます。※車内で行うストレッチの方法は、休憩中などの周囲の安全が確認できる場所で行いましょう。
信号待ちなど、周囲の安全が確認できない停車時は危険なため厳禁です。
いかがでしたか。
今回はトラックドライバー向けに、健康対策のための運動、ストレッチの方法をいくつかご紹介してきました。
ストレッチの強みは状況に合わせて手軽にできることです。
導入してみてはいかがでしょうか?