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自社内に燃料タンクを設置する「インタンク」について

長距離トラックで運送するとき、軽油は満タンで出発したいというドライバーも多いのではないでしょうか。
しかし、出発地付近にガソリンスタンドが無かったり、軽油の値段が高めのガソリンスタンドしか無かったりと、不便な思いをする人も少なくはないと思います。
こういった事態に対処するために、自社の敷地内に軽油のタンクを設置する方法である「インタンク」というシステムがあります。
このインタンクとは、どういうものなのでしょうか。
今回は、インタンクについてご紹介します。

インタンクとは

インタンクとは、事業所の敷地内に軽油のタンクを設置して、元売り業者から直接軽油を購入するシステムのことです。

インタンク導入に必要なもの

インタンクを導入するには、2つの条件を満たす必要があります。
1つは、インタンクを設置できるスペースがあること。もう1つは、タンクから給油できる資格を持った人がいることです。
この2つの条件について、詳しくご紹介していきます。

タンクを設置できるスペースがあること

インタンクは、自社の敷地内に穴を掘り、その中にタンクを埋め込んでいく方法です。
そのため、タンクを設置できる広いスペースが必要になります。
施工の際には、大型の重機でタンクを埋め込むためのスペースを掘るという、大規模な工事が必要になりますので、設置スペースだけでなく作業スペースも確保しておく必要があります。

タンクから給油するための資格を持った人がいること

インタンクでタンクからトラックに給油するためには、専門の資格である「危険物取扱者」の資格を持った人が必要です。
給油の際には必ず、有資格者が直接行うか、有資格者の立会いのもとで資格を持っていない人が行います。

危険物取扱者の資格については前回の記事で詳しくご紹介していますので、気になる方はご覧下さい。

危険物取扱資格についてはコチラ…危険物取扱者資格では何ができる?就職に役立つ?

インタンクは「お得」なのか?

ここまで、インタンクについて簡単にお伝えしましたが、ここからは「インタンクは本当にお得なのか」について、メリットとデメリットを比較しながらご紹介します。

インタンクのメリット

インタンクの最大のメリットは、軽油の単価が安くなることです。
ガソリンスタンドで給油した時に比べて、1ℓ当たりおよそ3~5円ほど安く手に入れることができます。
また、出発時から帰社時までの燃料消費量が把握できるので、車両の燃料管理が容易になることもメリットの一つです。
道中でガソリンスタンドを使用するルートに縛られることなく運行できるので、臨機応変なルート選択が可能になります。

インタンクのデメリット

インタンクの最大のデメリットは設置費用が高額なことです。
タンクを設置するための施工には、だいたい1000~2000万円ほどの費用がかかります。
新車の大型トラック1台分に匹敵する金額のため「安い」とは言えないでしょう。

上述したように、インタンクではガソリンスタンドで給油した時に比べ、1ℓ当たり3~5円の節約になるので、だいたい300~500万ℓの給油で施工費用を償却できる計算になります。
トラックの平均燃費は、1ℓ当たり約4kmと言われていますので、走行距離に換算すると1200万~2000万km走行してようやく元が取れるとなると、長期的な計画を立ててインタンクを購入しなくてはなりません。
タンク1台に対して、多くの台数のトラックを保有していれば、設置費用を回収する時間が短縮できるので、比較的規模が大きな事業者であればこの問題は解決できます。

また、タンクの維持にかかる費用や事故のリスクもデメリットといえます。
タンクは使い込んでいくと時間とともに劣化していくので、放置していると燃料漏れなどを起こし、大事故につながる危険があります。
そのため、タンクは定期的にメンテナンスする必要があり、メンテナンスにかかる費用も決して安くありません。

このように、インタンクではタンクの設置や維持にかかる費用が大きく、危険物である軽油を取り扱う以上、事故のリスクがあるという点がデメリットといえます。

結論として

インタンクのメリットとデメリットをご紹介しましたが、メリットに比べてデメリットが目立つ結果となりました。
これらを見比べてみると、インタンクは「ある程度の規模や車両台数、危機管理の体制が整っている会社が取り入れる場合にはお得」ですが、「小規模の事業者ではかけた費用のもとを獲るのも苦しい」という結論になります。

では、小規模の事業者はあきらめるしかないのでしょうか。
実は、小規模の事業者でもインタンクのシステムを簡単に活用できる新しい方法が存在します。

設置費用ゼロ?クラウドインタンク方式とは

クラウドインタンク方式とは、実際に社内にタンクを設置するのではなく、「クラウドタンク」というデータ上の仮想の燃料タンクを登録して、軽油の購入などもデータ上で行う方式です。
イメージとしては「軽油専用のプリペイドカードを会社で所有している」と考えると良いでしょう。

実際にタンクを社内に設置しないので、設置費用や維持費用などがかからず、給油は全国のクラウドタンク対応の給油所で可能です。
設置費用や設置スペースの問題が無くなるので小規模の事業者にも導入しやすく、簡単にインタンク方式のメリットを受けることができます。

いかがでしたでしょうか。
今回は、軽油費用が高騰しているなかで、少しでもお得に軽油を入手するための方法のひとつとしてインタンクをご紹介しました。
インタンク自体は、残念ながら導入にさまざまな条件やハードルがあるため、設置することができる事業者は限られますが、クラウドインタンクなど、従来のインタンクに変わる方式も登場していますので、より効率的に軽油を入手できる方法が今後も増えていくことでしょう。

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