2014年、60歳を越えたトラックのドライバーの数が、トラックドライバー全体の15%以上に上ると、総務省から発表されました。
そこから4年が経った2018年現在、60代後半から70代のトラックドライバーが増加すると考えられており、それに伴って高齢者講習を受けるトラックドライバーも増えていくと予想されています。
そこで今回は、「高齢者講習」について、条件や内容などをご紹介していきたいと思います。
※今回ご紹介する高齢者講習の条件や内容は、記事を執筆した2018年9月時点のものであり、後に内容が変化する可能性があります。
目次
高齢者講習とは?
そもそも、高齢者講習とはどのようなものなのでしょうか。
高齢者講習は、トラックに限らず、自動車の運転免許を持つドライバーの中で、「70歳以上のドライバー」が免許を更新する際に、必ず受講しなければいけない講習です。
更新前の免許が満了する6カ月前から受講することができ、免許の更新満了までに受講すればOKです。
2017年に道路交通法が改正されたことによって、高齢者講習の内容がより「合理化されたもの」、「高度化されたもの」の2つに分かれることになりました。
さらに、75歳以上のドライバーが免許の更新をしようとした場合には「認知機能検査」を受ける必要があり、認知機能検査の結果によって上述の「より合理化された高齢者講習」か、「より高度化された高齢者講習」のどちらかを受けることになります。
まずは、70歳以上の人が必ず受けることになる「より合理化された」方の高齢者講習についてご紹介していきます。
高齢者講習を受けるまで
ここからは、高齢者講習を受けるまでの流れをご紹介します。
高齢者講習を受講する際は、講習を受けたい教習所に直接電話で予約して、指定した日時に必要なものを持参して希望の教習所に向かいます。
※高齢者講習は予約制です。時期や地域によっては予約がとりづらいケースもありますので、早めに予約を入れておくと良いでしょう。
高齢者講習に必要なもの
高齢者講習の当日に持参するべきものは、以下の4つから5つです。
1:「免許証更新のための講習のお知らせ」のはがき
2:現在の運転免許証
3:筆記用具
4:受講手数料(事前に支払いを終えている場合は「手数料の収入印紙」)
5:(普段の運転時に必要な場合)眼鏡
高齢者講習を受ける際には、これらのものが無いといけませんので、講習を受ける予定の教習所に向かう前に、持ち物の確認をしておきましょう。
高齢者講習の内容は?
高齢者講習では、どのようなことをするのでしょうか。
講習は座学と実技で合わせて約2時間ほどあり、座学ではビデオを視聴して交通ルールの確認、指導員から運転についての質問を受けながら講義を受けます。
実技では、専用の機材を使用して動体視力や夜間視力などの確認、実際に車に乗って運転状況を記録しながら、必要に応じて指導員からの助言を受けていきます。
2時間の講習がすべて完了すると、高齢者講習終了証明書が交付されます。
※高齢者講習は試験ではないので、きちんと受講すれば必ず高齢者講習終了証明書が交付されます。
その後は、通常の免許の更新手続きとほぼ変わらず、最寄りの免許センターや試験場、警察署などで更新手続きを行います。
このとき、公布された高齢者講習終了証明書を持参しないと免許の更新ができませんので、高齢者講習の受講時と同様、忘れ物には注意しましょう。
認知機能検査とは?
75歳以上のドライバーが免許の更新を行う場合には、高齢者講習の前に認知機能検査を受けなければいけません。
認知機能検査とは、ドライバーが自動車を運転するために必要な認知能力や思考能力を有しているかどうかを調べる検査で、「現在の年月日や曜日、時刻を記入する」「記憶したイラストについて、ヒントを与えつつ、できるだけ思い出す」「指定した時刻を表す時計を描く」などの検査を行います。
この検査で問題が無いと判断された場合は、上述した内容の「通常通りの高齢者講習」を受けるようになり、検査で「認知症の可能性あり」と診断された場合は、「臨時適性検査」または主治医などの「診断書の提出」を行い、認知症であるかどうかの判断を行います。
「認知症ではない」と判断された場合は、「より高度な高齢者講習」を受けることになり、「認知症である」と判断された場合には、免許の停止または取り消しとなります。
いかがでしたでしょうか。
トラックを運転するドライバーにも、今後高齢者講習や認知機能検査の対象となる人は増えていきます。
その時になって慌てなくても済むように、ドライバー自身はもちろんのこと、ドライバーを送り出す事業者にとっても注意が必要だといえます。
今回の記事や、総務省、警視庁や各地域の警察発表など、発信されるさまざまな情報を受け止め、しっかりと対策を取れるように準備をしておきましょう。