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エコノミークラス症候群の恐怖と対策

時間に制限のある長距離トラックのドライバーの、日々のスケジュールは非常にタイトで、まとまった休憩をとるのが難しいという状況も多いことでしょう。
しかし、まとまった休憩が無く、長時間同じ姿勢でいることが多いトラックドライバーにとって、「エコノミークラス症候群」への注意は欠かすことができません。
今回は、長時間運転する際には注意が必要な、エコノミークラス症候群の予防と対策についてご紹介します。

エコノミークラス症候群とは

エコノミークラス症候群は、正式名称を「静脈血栓塞栓症」といい、長時間同じ姿勢をとり続けることによって引き起こされる疾患です。
名前の由来ですが、飛行機のエコノミークラスの乗客は長時間同じ体勢で椅子に座っているため、この疾患を発症しやすいことからきています。
しかし、当然ですが飛行機のエコノミークラスの乗客だけに起きるものではなく、長時間同じ姿勢でいることが多いデスクワークや、トラックやバス、タクシーなどのドライバーも発症する可能性があるため、十分な知識と注意が必要です。
※ちなみに、場合によっては「エコノミー症候群」という呼称もありますが、同じ疾患のことを指す言葉ですので、本記事では「エコノミークラス症候群」で統一してご紹介します。

エコノミークラス症候群の原因

エコノミークラス症候群の原因は、長時間同じ姿勢でいることによって、足元や上腕などの静脈内に血栓ができることにあります。
血栓が肺にたどり着くことによって肺動脈が詰まり、呼吸困難や失神、場合によっては死に至るケースもあります。

WHO(世界保健機構)の発表では、「4時間以上座ったままの状態でいると、血栓ができる確率は平常時のおよそ2倍に上昇する」と言われています。
また、肥満や糖尿病など、血管に関係した疾患がある場合は、血栓ができる可能性がさらに高まるという研究結果も発表されています。

長距離トラックのドライバーの場合、業務形態上生活が不規則になりがちで、食事の時間帯がずれることも少なくありません。
そのため、他の職業に比べてエコノミークラス症候群発症の可能性が比較的高くなるので、注意が必要です。

トラックドライバーにできる予防方法とは

エコノミークラス症候群は突然死に至ることが多い疾患でもあるため、トラックドライバーの場合は事故などの二次災害の危険性があるので、十分に予防しなければいけません。
ここからは、トラックドライバーにできるエコノミークラス症候群の予防方法について、詳しくご紹介します。

出発前、休憩中、帰社後にストレッチ

エコノミークラス症候群は血流が停滞することによって引き起こされる疾患です。
そのため、朝の早い時間帯など身体が目覚めていない状態でトラックを運転し始めると、エコノミークラス症候群のリスクが高まります。

そこで、出発前や早めの休憩の際にストレッチを行うことによって血行を良くし、エコノミークラス症候群を予防しましょう。
また、帰社後にもストレッチを行い、身体をよくほぐしておくことによって、翌日に疲れを残さないことも大切です。

定期的に足元をほぐす

運転中にできるエコノミークラス症候群の予防としては、信号待ちなどの停車中に、定期的に足元をほぐすことです。
長距離トラックの場合は高速道路に入る前のタイミングで行っておき、パーキングエリアやサービスエリアでの休憩中に、しっかりストレッチすると良いでしょう。

弾性ストッキングの着用

弾性ストッキングとは、医療用に開発された加圧ストッキングで、穿いた状態で適度に圧力を加え、足元の血行が滞ってしまわないようにする機能があるため、エコノミークラス症候群の予防に効果を発揮します。
また、エコノミークラス症候群の予防だけでなく足のむくみ予防にもなるので、普段の生活の中でも活用できる便利なアイテムです。
医療用に開発されてはいるものの、市販されている製品もあり、ドラッグストアや通販などを活用して購入することもできます。
※普段の予防目的であれば市販品でも効果が望めますが、医師にエコノミークラス症候群の危険性があると診断された場合は、必ずかかりつけ医に相談のもと、適切なものを使用してください。

水分補給

ストレッチしたり足をほぐしたりと、実際に足元を動かして予防するほかにも、適度な水分補給でもエコノミークラス症候群を予防することができます。
水分不足は血行の悪化を招くので、1時間ごとにコップ半分ほどの水やイオン飲料、ジュースなどを飲むと良いとされています。
逆にコーヒーやお茶、(運転中なのでそもそもあり得ませんが)アルコール類などは利尿作用があるので、脱水症状に陥りやすくなります。
これらのものはあまり飲みすぎないようにしましょう。

いかがだったでしょうか。
今回は長距離トラックのドライバーであれば、だれにでも起こりうる危険性がある「エコノミークラス症候群」についてご紹介しました。
運転中にエコノミークラス症候群を発症した場合は、事故につながる可能性もあるので、予防を怠らず健康に気を付けながら安全運転を心がけましょう。

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