「何気なく過ごしていると、いつの間にか車検が切れていた。」
「なんとなく車検がそろそろだったと思うけど、忙しくてそのままにしていた。」
そのような経験がある方もいるかと思います。
車検が切れると、どのようなことが起こるのでしょうか。
今回は、意外と身近な車検切れについてご紹介します。
目次
車検切れの車に罰則はあるの？
車検が切れていること、それ自体で何か罰則が発生することはありません。
車検はあくまで公道を安全に走行できることを証明する制度であり、所有しているだけであれば、必ずしも車検の登録は必要ないためです。
「車検切れの車を持っているんだけど…」と怖がる必要はないので、ご安心ください。
ただし、車検切れの自動車に全く問題がないというわけではありません。
車検切れの自動車は公道で運転することができない
車検切れによるデメリットの代表的なものが、公道で運転できないことです。
これに違反した場合、道路運送車両法の違反（無車検車運行）として、
・違反点数6点
・30日間の免許停止
・6か月以下の懲役または30万以下の罰金
が科されることとなります。
また、車検切れの自動車の場合、自賠責保険の期限も切れていることが多いです。
自賠責保険は、車検の期限から1ヵ月先までの期間で加入していることがほとんどです。
そのため、車検が切れてから1ヵ月を過ぎると、自賠責保険も一緒に期限切れになります。
その状態で、誤って公道を走行したことがわかった場合には、上述の罰則に加えて、
・違反点数6点
・1年以下の懲役または50万円以下の罰金
が科されることとなります。
両方の違反を合わせると、
・違反点数12点となり、90日間の免許停止
・最大80万円の罰金
となります。
自動車税は必要
意外と見落とされがちなのが自動車税です。
車検が切れているからと言って、自動車税が免税になることはありません。
自動車税は自動車を所有することに対してかかる税金だからです。
そのため、「車検が切れた！でもすぐに使わないから一旦そのままでいいか」と考えていると、自動車税だけがかさんでいく恐れがあります。
駐車場トラブルに注意
月極駐車場などを借りている場合には注意が必要です。
車検や自賠責保険が切れている車両は、事故の際の保険が適用されません。
そのため、万が一駐車している状態でもらい事故になった場合、相手の保険の状態にもよりますが、自己負担額が通常よりも多くなります。
また、危機管理の観点や、放置車両となった場合の処分に困るといった理由から、駐車場の貸主によって移動を要求される可能性もあります。
車検切れの対策は？
車検切れ対策としてはできるだけ早く車検を受け直すこと、これにつきます。
車検切れの自動車であっても、車検を受け直すことができればそれまで通り公道を走行することができます。
ただし、車検を受け直すためにはいくつかの準備が必要になります。
自賠責保険の加入が必須
車検を受けるには自賠責保険の加入が必須です。
そのため、自賠責保険の加入状況を確認して、未加入の状態であれば再度加入手続きを行う必要があります。
車検場までの移動方法に注意
車検切れの自動車は公道を走行することができません。
そのため、ディーラーや整備工場、陸運局など、車検を受けられる場所まで移動するための手段を用意しなければいけません。
大きく分けて2種類の方法があります。
1つめの方法がレッカー車やローダー車で車検場まで運んでもらう方法です。
ディーラーや整備工場が、車検と一緒に車体の移動も請け負っているケースや、車検代行会社に依頼するケースが当てはまります。
自分で移動させるよりもやや割高にはなりますが、移動の手間が短縮できるメリットもあります。
もう1つの方法が、仮ナンバーの取得です。
仮ナンバーとは、特定の目的のため、一時的に公道を運転する必要がある場合に使用できるナンバーで、車検切れの際や、普段は工場の敷地内など、公道以外の場所で走行している自動車を車検に出す際などに使用されます。
仮ナンバーを取得すれば、公道でも問題なく運転することができます。
仮ナンバーの取得には、
・自賠責保険証
・運転免許証
・印鑑
・管轄の自治体で定められた書類
・手数料（多くの自治体では750円程度）
が必要になります。
必要書類を市区町村の役所に提出したら、その場で仮ナンバーを受け取れるので、その日のうちに車検を受けに行くことも可能です。
ちなみに、仮ナンバーには返却期限があるので、仮ナンバーを取得したら、早めに車検を受けて仮ナンバーは返却しましょう。
使わない場合は一時抹消登録を
上述したように、車検切れの自動車であっても自動車税はかかり続けます。
そこで、車検切れの状態の自動車を今すぐに使う予定がないという場合、自動車税がかからないよう対策しておくことをおすすめします。
その方法が「一時抹消登録」です。
一時抹消登録とは、自動車の使用を一時的に中断する手続きのことで、車検が切れてすぐに使わない場合や、長期の入院などで自動車を使わなくなる場合に、自動車税や自動車重量税などの費用を節約できる手続きです。
一時抹消登録を受けた自動車は、再登録を受けることで改めて使用することができます。
このように、車検切れの自動車は、その後に使用するかどうかで適切な対応が変わります。
いかがでしたか？
今回は、車検が切れた自動車はどうなるのか、そしてもし自分の車が車検切れになったら、どう対処すれば良いのかをご紹介しました。
もちろん、車検切れになる状態を避けることは大切です。
しかし、万が一に備え、車検切れの状態に陥った時に、どのような対処をすれば良いのかを知っておくことも同じくらい大切です。
今回の記事がその参考になれば幸いです。
