トラックの後のナンバープレートを固定しているボルト部分をまじまじと見たことはありますか?
このボルト部分に、都道府県などの頭文字のついたキャップのようなものがはめ込んであるのですが、これをナンバープレートの「封印」といいます。
このナンバープレートの封印には、どんな意味があるのでしょうか。
今回は、意外と重要なナンバープレートの封印についてご紹介していきます。
目次
ナンバープレートの封印とは
そもそも、ナンバープレートの封印とはどのようなものなのでしょうか。
ナンバープレートの封印は、トラックの車体後部のナンバープレートを固定するための、左上のボルトにかぶせてあるアルミ製のキャップのことです。
封印の表面には、東京なら「東」、大阪なら「大」というように、トラックを登録した運輸支局を表す漢字一文字が彫られています。
封印は各都道府県の運輸支局や、「封印受託者」という、国から委託を受けた担当者が在籍するディーラーなどが行うことができます。
封印の意味
ナンバープレートの封印には、「運輸支局で正式な手続きのもと、トラックが正式に登録された」ことを証明する意味があります。
登録されたトラックはそれぞれに自動車登録番号が割り振られており、「ナンバープレート」と「封印」によって管理されています。
ナンバープレートに割り振られたナンバーで登録番号の照合を行い、封印によってナンバープレートが正しいものであるかを判断します。
ナンバープレートに正しく封印がされていることによって、ナンバーの取り外しや盗難などのトラブルを防止する役割を持っています。
例えば、「練馬ナンバー」のトラックがあったとします。
練馬ナンバーの場合は東京の運輸支局が管轄なので、封印に彫られている文字は「東」でなくてはいけません。
もし仮に封印の文字が大阪の「大」だったら、封印が取り外されて付け替えられていることになります。
封印が無いとどうなる?
封印がない状態だったり、本来の封印とは違う文字の封印が取り付けられていたりすると、問題があるのでしょうか。
封印がない場合にどのようなことが引き起こされるのか、いくつかの例をご紹介します。
ナンバープレートの証明ができない
上述したように、封印は「取り付けてあるナンバープレートが正しいものである」という証明の意味を持っていますので、封印が正しい状態で取り付けられていない場合は、「ナンバープレートが車両登録時に取り付けられた正しいものである」という証明ができなくなります。
トラックの登録自体の証明ができなくなる
ナンバープレートの証明ができないことから、ナンバープレートによって登録が証明されていたトラックの車体そのものについても、登録の証明ができなくなってしまいます。
「いま運転している車両がどこの誰のものかがわからない」という状態に陥り、場合によっては「盗難車」として扱われることもあります。
車両盗難の防止という観点では非常に役立ちますが、一方で何らかの理由で封印を破損した場合や紛失した際には、一刻も早く対処する必要があります。
道路運送車両法の違反
トラックの封印は、道路運送車両法によって義務付けられています。そのため、トラックの封印が正しく装着されていない場合は、道路運送車両法違反になります。
当然、法律違反なので取り締まりを受けた場合には以下の罰則があります。
取り付けてあった状態の封印をむやみに取り外したり改編した場合:6ヶ月以下の懲役、または30万円以下の罰金
封印の取り付けを行っていない場合:50万円以下の罰金
が、状況に応じて科されることになります。
封印を紛失した場合や破損していた場合の対処法、「再封印」とは?
ここまで、封印を紛失した場合や破損していることが原因で、封印がない状況に関してご紹介しました。
ここからは、紛失や破損によってトラックの封印がなくなっている状況の対処法についてご紹介していきます。
再封印
トラックの封印がなくなった場合には、一刻も早く「再封印」を行うことが大切です。
再封印とは、読んで字のごとく「ナンバープレートに再度封印を行うこと」です。
再封印の手続きは、運輸支局や自動車検査登録事務所で行います。
車を使用する本拠地に関係なく、どの運輸支局や自動車検査登録事務所であっても手続きが可能で、どこで再封印の手続きを行ったとしても車両が登録されている場所の管轄の名前が彫られます。
上述の練馬区の車両でいえば、再封印を大阪で行ったとしても運輸支局の管轄が東京なので、封印で彫られる文字は「東」となります。
再封印の手続きの流れや必要書類に関しては次回の記事でご紹介しますので、今回は割愛します。
いかがでしたでしょうか。
今回は、トラックの「封印」についてご紹介してきました。
封印は、直径でいえばたった数センチのアルミのキャップですが、トラックの車両を管理する上で非常に重要な意味を持っています。
盗難防止や車両の証明には欠かせませんので、封印の持つ意味をしっかりと把握して、車両や自分の身をトラブルから守れるようにしましょう。