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トラックの騒音問題への対策とは?

トラックが自分の隣を発進する際、ものすごい音で驚くことはありませんか?
トラックの運転を行ううえで、切っても切れない関係にあるものの1つが「騒音」ではないでしょうか。
今回は、トラックが関係する公害として「排気ガス」の問題と双璧をなす、「騒音」問題への対策についてご紹介していきます。

トラックの騒音問題への対策や制度は?

トラックの騒音に対しては、現在さまざまな組織や企業で対策が講じられています。
それぞれご紹介しましょう。

行政機関のトラック騒音対策は?

さて、行政機関で行っている騒音対策の1つとして、環境省は「騒音規制法」で自動車騒音に対する規制を行っています。
騒音規制法では、自動車から発生する騒音に対して、大きく2つの観点で規制を行っています。

1つは、ある一定期間、対象地域内の自動車騒音を測定して、環境省令で定められている限度値を超え、「周囲の生活環境を著しく損なっている」と判断された場合に、市町村の管理者(市長、町長、村長など)は都道府県公安委員会に要請して、道路交通規制などの措置をとる、という内容です。
この際に講じられる主な措置は道路交通規制ですが、「自動車の騒音での交通規制なんて、いつ行われるかわからないじゃないか」と思う方も多いのではないでしょうか。

そんな時は、各都道府県などの道路交通規制情報を確認しましょう。
各都道府県などの道路交通規制情報を公開しているサイトでは、現在行われている交通規制の場所や、規制の内容(例えば「通行止め」や「片側交互通行」、「車線減少」など)、何時から何時までの期間に行われるのかなどを知ることができます。
絶対に遅れられない用事があったり、仕事で付近を走行するときには、事前に通行するエリア周辺の道路交通規制情報を確認しておくと良いでしょう。

騒音規制法によるもう1つの規制は、単体の自動車から発生する騒音に対して、その大きさに限度値を基準値として設定し、設計・製造の段階で基準を満たすようにするものです。
他の自動車と同様、トラックにも製造の時点で騒音に対して一定の基準が設けられているので、トラックの車体から発生する騒音に関しては少しずつ改善に向かっています。

トラックの騒音、メーカーの対応は?

上述の環境省で定めた基準により、トラックも製造段階で騒音への対策が必要になっていますが、さらにトラックメーカー自身でも、騒音への対策は積極的に行っています。

トラックの騒音が発生する原因の中で、特に大きな比重を占めているのが「エンジン」です。
エンジンの改良を行うことは、トラックの騒音問題の改善以外にも、燃費性能向上や排気性能の向上など、さまざまなメリットがあるため、トラックメーカーは高性能なエンジンの開発に余念がありません。

エンジンの性能が向上していくことによって、少しずつですがトラックの騒音問題も改善に向かっています。

また、以前にもご紹介しましたが、トラックにもEV車(電気自動車)が登場しています。
EV車はエンジンの代わりに電気式のバッテリーとモーターを使用して動き、高い静音性を備えています。
今後、EVトラックがさらに普及していくことによって、騒音の問題も大きく改善していくことが予想されます。

EVトラックについて詳しくはコチラ…いすゞ自動車も参戦!EVトラックの特徴と課題とは

運送会社による騒音対策

行政やメーカーなど、トラックを作るまでに関係する人たちの騒音対策以外にも、トラックを運用する人たち、「運送会社による騒音への対策」も存在します。
トラックの運送会社による騒音の対策のひとつに、「エコドライブ」の実施があります。

エコドライブとは、本来は燃費の向上を目的として行う施策や、その施策に基づいて行う運転のことです。
燃費向上のために行う施策ではありますが、エコドライブに基づいた運転をした結果、排気ガスや騒音の軽減などの環境への効果も得られるため、近年では環境への改善の意味合いも含めてエコドライブの定義としています。

具体的にエコドライブでどのようなことを行っているかというと

・アイドリングストップ

荷物の積み降ろしや休憩時など、ある程度時間をとってトラックを停める際にアイドリングをしたままにしないことです。
アイドリング中は、常に燃料を消費し続けているほか、アイドリングの音で近隣に迷惑がかかることもあります。
必要ない時にはアイドリングストップし、燃料消費や騒音を抑えることが推奨されています。

・急発進、急減速をしない

特に信号待ちをした直後に当てはまりやすいのですが、急発進や急減速をすると、爆音とともに燃料を一気に消費してしまいます。
ある程度車間距離を保ち、緩やかに停止、発進することによって、燃料を抑えつつ、騒音を大きく減らすことができます。

・タイヤの空気圧をチェック

トラックが出発する前に、タイヤの空気圧をチェックすることも、燃料消費や騒音を軽減することにつながります。
タイヤの空気圧がある一定の値よりも少ないと、走行時にタイヤと地面の間に摩擦が起こり、前に進む力に対して抵抗がかかります。
このときには騒音も発生するため、タイヤの空気圧を一定以上に保つことによって、走行時の燃料消費と騒音を抑えることができます。
タイヤの空気圧を一定以上に保っていないと、タイヤバースト(破裂)の恐れもあるため、空気圧は常に気にかけておくべきポイントの1つとも言えるでしょう。

こうした取り組みが代表的ですが、他にもさまざまな方法でエコドライブを実施している運送会社が増えています。

騒音を受ける側の対策

さて、ここまではどちらかというと「トラックによる騒音を起こす側」の対策をご紹介しました。
ここからは、近隣の住民やお店など、「トラックによる騒音を受ける側」の人たちが行っている騒音対策についてご紹介します。

耳栓・イヤーマフ

睡眠時や勉強などに集中したいときに、周囲の騒音を遮断する方法として簡単で有効な対策が「耳をふさぐこと」です。
耳栓やイヤーマフは、安いものなら100円均一のショップでも購入でき、高級で多機能なものも登場しています。

安価で購入できて手軽に使え、他の音もシャットアウトすることができるので、しっかりと集中できることがメリットですが、逆に言うと他の全ての音を遮断してしまうため、「会話中にトラックの音だけがうるさい」などの状況には適していません。

防音壁・防音窓

自宅や店舗の周辺をトラックが走行し、基本ずっと騒音が起きている、という状況の場合は、防音壁や防音窓が有効です。
音を通さない特殊な構造の壁や窓を設置することで、外の音が入って来ないようにすることができるほか、内部の音を漏らさないようにする効果もあるため、自分達の生活の楽しみ方の選択肢を増やすことができる、とも考えられます。

ただし、こちらも良いことばかりではありません。
まず、当たり前ですが防音の部屋から出てしまえば一切効果はありません。
また、防音壁や防音窓の設置には、予算や期間など、ある程度コストがかかることも念頭に入れておく必要があります。

このように、トラックの騒音を受ける側の人たちの中には、トラックの騒音に対して対策を講じる人もいますが、完全ではない上にコストもかかります。
だからこそ、騒音の発生自体を押さえるための工夫や施策は、今後も続けていく必要があるといえます。

いかがでしたか?
今回は、トラックにおける「騒音」についてご紹介してきました。
行政機関やメーカー、運送会社などのトラックを使う側、近隣の住民などの騒音の影響を受ける側、トラックの騒音に対する対応はさまざまです。
できれば大きなトラブルに発展してしまう前に、各々ができる範囲で対応することによって、騒音の問題がない環境を目指しましょう。

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