トラックで長距離輸送をする際、ほとんどの方が高速道路への乗り入れをするのではないかと思います。
多くのトラックドライバーが使う高速道路ですが、高速道路への乗り入れはトラックの区分によって料金が違います。
このトラックの区分は、以前の記事で紹介したトラックのサイズの話とは異なり、高速道路の管理会社が設定している区分で、管理会社が違うことによって区分の範囲に多少の差があります。
トラックのサイズについてご紹介した記事はコチラ…何トン車?トラックの「サイズ」ってどう決まっているの?
今回は、トラックの高速道路における区分と、その料金についてご紹介していきます。
目次
高速道路を運転する上での、トラックの車種区分と通行料金の関係は?
高速道路では、その道路の管理会社ごとに、通行する車両の車種区分が定められています。
日本の高速道路管理会社の中で最も規模が大きく、長距離を走行するのであれば関わることが多い「NEXCO(ネクスコ)」の区分によると
軽自動車、普通車、中型車、大型車、特大車と分類されており、
軽トラックや軽バンなどの軽貨物自動車は「軽自動車」
2トン車の標準ボディなどの小型貨物自動車は「普通車」
3トン車や4トン車などの普通貨物自動車は「中型車」
普通貨物自動車の中でも、最大積載重量5トン以上のトラックやダンプなどは「大型車」
4軸以上のトラックや、大型特殊自動車に区分される全車両は「特大車」
というように、車種や形状などによって分類されています。
ちなみに、高速道路を管理している会社によって多少範囲の違いがあります。
例えば、「福岡北九州高速道路公社」が管理する都市高速道路の区分では「普通車」と「大型車」の2種類のみに分類され、NEXCOの区分でいう軽自動車から中型車までは全て普通車、それ以上の車両は大型車でくくられています。
ここで1つ注意が必要なのが、この「高速道路料金による区分」は決して「運転免許の区分」と同じではない、ということです。
例えば、NEXCOにおいて普通車と分類されている2トントラックですが、普通運転免許で運転はできません。
普通運転免許で運転できるのは「最大積載量2トン”未満”の車両」です。
2トン車は積載量が2トンあるため、普通運転免許の対象範囲からは外れてしまいます。
このように、トラックやダンプなどの大きさの区分は、「運転免許でも使用される道路交通法による区分」や「高速道路の料金における区分」の他に、「各車両メーカーがそれぞれで作っている区分」などさまざまです。
車両の運転時や購入時、この記事でご紹介しているような高速道路への進入時など、時と場合によって適用される区分が違うので、迷ったり間違えたりしないように正しく見分ける必要があります。
トラックのサイズについての詳細はコチラ…何トン車?トラックの「サイズ」ってどう決まっているの?
さて、高速道路の料金における車両の区分をご紹介してきましたが、実際どのようにして車両をそれぞれの大きさに分けているのでしょうか。
高速道路に進入する車両は、料金所で「形状」「規格」「乗用・貨物タイプ」など、さまざまな観点からどの大きさに区分されるのかを判断されています。
それらの情報を判断できるものの1つが「ナンバープレート」です。
ナンバープレートは、プレートの大きさと、プレート上部に記載されている地名の右側にある、1桁から3桁までの数字でおおよそどういった車両なのかが判別できるように作られています。
プレートの大きさは大型、中型、小型とあり、
大型のプレートは最大積載量5トン以上のトラックや8ナンバーの特殊自動車
中型のプレートは大型プレートの条件に一致しないトラック
小型プレートは二輪車や小型の特殊自動車が該当します。
この分類からわかる通り、トラックが持つプレートは基本的に「大型のプレート」か「中型のプレート」のどちらかです。
プレート上部の数字は「分類番号」と呼ばれ、全ての自動車に種別や用途に応じた番号が割り振られます。
この番号の一番左の数字(一番高い桁の数字)によって、車体の大まかな分類がされ、高速道路の料金にも反映されます。
基本的には
軽自動車と普通車に分類されるのは「4ナンバー」の軽貨物自動車(小型貨物自動車)
中型車以上の車両に分類されるのは「1ナンバー」や「8ナンバー」の普通貨物自動車や特殊自動車
です。
これらのナンバープレートの大きさや数字などの情報や、車体形状や規格などを確認した段階で高速道路における料金区分が判断されるのです。
しかし、実は特殊用途自動車(8ナンバー車)などはその場で見ただけでは判断が難しいタイプの車両です。
その場合は、車検証の提示などを指示されることがあります。
手続きに多少時間がかかる場合がありますので、各料金所で発行できる「車両区分証明書」を発行してもらい、以降はこの証明書の提示のみでスムーズに通過できるようにすると良いでしょう。
こうして区分を割り振って明確にすることで、高速道路の進入時の料金のトラブルを減らすことにつながります。
今回は高速道路での料金区分をもとに、高速道路とトラックの関係についてご紹介しました。
長距離運送において高速道路はなくてはならない存在といっても過言ではありません。
料金以外にも、高速道路に関係した記事を今後もご紹介していきますので、日々の運行に役立ててください。
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