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【朗報】集配中のトラックが路上駐車可能に?【働き方改革】

トラックを使って運送する際、大変なことの1つに「街中での集配」があります。
街中では駐車場がないため、集配の際にトラックを路上に止めなくてはいけないのですが、好き勝手に停めていると「道路交通法違反」になるので、これまではいくつかの厳しい条件をクリアして集配作業をしていました。

しかし、昨今のドライバーの働き方改革などを受け、こうした状況が少しずつ改善され始めてきています。
そこで今回は、タイトルにある通り「集配作業中のトラックの路上駐車が可能になった経緯と今後」についてご紹介していきます。

これまで集配中のトラックはどうしていた?

そもそも、これまで街中で集配を行うトラックは、一体どのようにして作業を行っていたのでしょうか。
道路交通法では、

道路交通法 第ニ条18項
車両等が客待ち、荷待ち、貨物の積卸し、故障その他の理由により継続的に停止すること
(貨物の積卸しのための停止で5分を超えない時間内のもの及び人の乗降のための停止を除く)
又は車両等が停止し、かつ、当該車両等の運転をする者がその車両等を離れて直ちに運転
することができない状態にあることをいう

とされており、街中の駐車禁止の区間において駐車することは、原則として禁止されていました。

その中で、集配するトラックに関しては、「車内に最低1人は乗務員がいること」「作業時間を5分以内にすること」を条件に、路上駐車することが認められていました。
しかし、この条件はドライバーにとって非常に厳しく、例えば駐車時間が5分を越えたり、車内が無人になった場合は、集配作業をしていたとしても駐車違反となってしまいます。

そのため、運送会社は車内に常駐して緊急時にトラックを動かすため”だけ”にアルバイトを雇ったり、非番のドライバーがわざわざ休日出勤して同乗するなどの方法で対応してきました。
あるいは、周囲を探して有料駐車場を見つけ、駐車料金を支払って集配作業を行うケースもありました。

しかし現在、政府が取り組んでいる「働き方改革」によって、一部の場所ではありますが、こうした状況が改善され始めています。
ここからは、実際にどのような改善が行われているのかをご紹介します。

トラックドライバーの働き方改革とは?

トラックドライバーに関する働き方改革において、現在掲げられているテーマは大きく2つあります。
1つは「再配達の削減」、そしてもう1つは「集配トラックの駐車場所の確保」です。

再配達の削減

「Amazon」や「楽天」など、手軽に利用できるネット通販の普及とともに増加している「再配達」を削減することによって、トラックドライバーの移動の負担を軽減する狙いがあります。

現在では、宅配ボックスやコンビニ受取など、ドライバーから受取人に直接手渡しする必要がない受け取り方法を推進したり、時間帯指定配達の活用を呼びかけて荷物を確実に渡せるようにするなどの方法が実施されています。

集配トラックの駐車場所の確保

もう1つの改善方法として、主に街中や住宅地などの「トラックが駐車可能な駐車場」がない場合に、一部エリアの路上駐車の規制を緩和しており、地域によってさまざまな範囲の規制が緩和されています。
また、駐車可能な時間帯や、駐車可能な車両の種類などが地域ごとに指定されています。

2019年3月現在、この規制緩和は東京都や京都府、兵庫県、大阪府などの大都市で試験的に実施されています。
その結果、「ドライバーの気持ちに余裕が生まれることでドライバーの労働環境が良くなる」「2人で配達するコースが減らせるので運送効率が上がる」「路上駐車における法令順守、安全確保がしやすくなった」など、運送業界からはおおむね好評を得ています。

好評の裏には課題も…

一方で、今回の規制緩和による課題も浮かび上がってきました。

例えば、東京都では特定のスペースで、「荷物の積み降ろし」を目的とした駐車に限り規制を緩和していますが、配送中のトラックだけでなく一般の乗用車でも、「荷物の積み降ろし」を理由に駐車することが可能であるため、肝心のトラックが停めることができなかったケースも発生しています。

また、全日本トラック協会では、全ての運送会社が公平にスペースを利用できるように、業界内ルールとして「指定スペース内での駐車時間の上限は20分」と定めていますが、全ての運送会社にこのルールが浸透している訳ではなく、ほぼ独占状態でスペースを使用している運送会社もある、といった課題も発生しています。

今後、規制緩和のエリアを広めていくためにも、これらの課題解決のためのルール整備は必須といえるでしょう。

 

いかがでしたでしょうか。
今回は、トラックドライバーの働き方をより良いものにするための改革の1つ、「配送トラックの路上駐車に関する規制緩和」についてご紹介しました。
課題もありますが、運送業界全体にとって良いものであることに変わりはありませんので、配送トラックの路上駐車の規制が緩和されるエリアの拡大や、ルールの整備などに期待しましょう。

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