近年、夜間などにナンパ―プレートの視認性を上げるために、また一種のお洒落アイテムとして、ナンバープレートを光らせて走行する車が増えてきています。
こうした「光るナンバープレート」のことを、「字光式ナンバー」と呼びます。
字光式ナンバーを導入するにはどんな方法があるのでしょうか。
また、字光式ナンバーにはどんなタイプのものがあるのでしょうか。
今回は、字光式ナンバーについてご紹介していきます。
目次
字光式ナンバーとは?
そもそも、字光式ナンバーとはどのようなものなのでしょうか。
字光式ナンバーとは、車のライトを点灯させたときに、ナンバープレートのナンバー部分も一緒になって点灯するようにカスタムされたナンバープレートのことです。
元々は、雪国などの「視界が悪い場所でナンバーが見えづらくなる」という問題があったのに対し、ナンバーの文字を光らせることによって視認性を上げ、さらにナンバーの部分が熱を発することで、雪を融かす効果を狙って開発された技術でした。
その後、技術の発展とともに、夜間にナンバーの視認性を重視するバスやタクシー、トラックなどの業界でも字光式ナンバーは浸透していきました。
そして近年では、軽自動車への使用が可能になったことで一般への普及も広まり、字光式ナンバーは珍しいものではなくなりました。
字光式ナンバーを使用する際のルールは?
字光式ナンバーを使用する際には、陸運局に字光式ナンバーの使用を申請する必要があります。
申請の受付は平日の朝9時~16時のみで、申請の手続きには1時間~2時間ほどかかりますので、平日の日中に時間を作って申請しなければなりません。
また、字光式ナンバーは、道路運送車両法によって、損傷や劣化の少ないもので、車体後面のナンバーが確実に点灯するもの、と定められています。
字光式ナンバー申請の流れは?
字光式ナンバーの使用を申請する手順としては、大きく3つの順番があります。
①申し込み
まずは、最寄りの陸運局で現在車体に取り付けてあるナンバーを字光式のものに替えるための申請を行います。
必要書類にナンバー変更のための情報をすべて記入し、ナンバーの変更手数料を支払います。
申し込みに必要な書類は以下の通りです。
・申請書
・車検証
・手数料納付書
・字光式自動車登録番号標交付願
・自動車税申告書
※所有者本人以外の人に字光式ナンバーの付け替えをしてもらう場合は、委任状が必要になります。
また、ナンバーの変更を希望する場合には、これらに加えて希望番号予約済証が必要になります。
車検証や委任状以外は、申請を行う陸運局で入手可能です。
車検証は常に車両に載せているものなので、特に委任状が必要な場合には、準備を忘れずにしておきましょう。
また、書類以外の持ち物として、印鑑も忘れずに持って行きましょう。
②既存のナンバーを返納
申し込みを行った後は、その時点で既に登録されている(車体に取り付けてある)ナンバーを返納します。
③新規の字光式ナンバーの取り付け
既存のナンバーの返納が終わったら、新しいナンバープレートと、そのプレートに合った新しい車検証が発行されますので、プレートの発光部材、ナンバーの順で取り付けを行っていきます。
取り付けは自分自身の手で行うか、専門の業者に頼む方法がありますが、そこそこ難易度が高いので、専門の業者に頼むのがおすすめです。
無事に発光部材とナンバーの取り付けが終わったら、最後に陸運局でナンバーの封印をしてもらい、字光式ナンバーの申請は終了します。
字光式ナンバーにはどんなものがある?
字光式ナンバーには、さまざまな種類のものがあることは、実はあまり知られていません。
ここからは、字光式ナンバーのバリエーションをご紹介していきます。
光源による違い
字光式ナンバーのバリエーションの種別の1つ目は、ナンバーを光らせる光源ごとの違いです。
電球式
字光式ナンバーが登場した時から存在するタイプで、何個かの電球を配置して発光させる方式の字光式ナンバーです。
小型とはいえ、電球を後ろに向けて並べるタイプなので、他よりも厚みが出やすく、また他と比べて電球の寿命が短いという特徴も持っています。
蛍光管式
蛍光管を横向きに並べたタイプの字光式ナンバーで、電球式のものと比べて、薄型で長寿命です。
しかし、明るさが均等にならないことや、消費電力が大きいなどの問題もあり、下の2つの方式と比べると、まだまだ寿命は短いほうに分類されます。また、電球式と共通する問題として、冬に雪を解かすほどの熱が発生するため、寿命による取り換え以外にも定期的なメンテナンスをしていないと、特に夏場は取り扱いが難しい、という点があげられます。
EL式
ELとは、「エレクトロ・ルミネッセンス」の略で、パソコンやスマホなどの画面などに使用されています。
「有機ELディスプレイ」という言葉を聞いたことがある人もいるかもしれません。EL式は、そんなELを背面全体に取り付けてあるタイプの字光式ナンバーです。
全体に均等な明るさを提供できるほか、EL自体が熱をほとんど発生させず寿命も長いので、メンテナンスフリーで使用できる物も多いというメリットがあります。
また、非常に薄型で取り付けやすいこともポイントです。
LED式
近年、字光式ナンバーの中で最も主流といえるのが、LEDを用いたものです。
ナンバープレート全体にLEDのライトを配置したタイプの字光式ナンバーで、他の方式よりも薄型で明るく、消費電力も少なく寿命も長いため、メンテナンスフリーで運用が可能なものがほとんどです。性能面では他の字光式ナンバーに比べて非常に優位なポイントが多いLED式ですが、唯一「購入時のコスト」だけは、他のものに比べて倍近くの値段になるので、初期コストが気になる人は、EL式を選ぶケースも多いようです。
メンテナンス頻度の違い
上述の中で、「メンテナンスフリー」という言葉を何度か使っていますが、字光式ナンバーの違いの2つ目は、メンテナンスの頻度の違いです。
電球や蛍光灯などの方式では、それぞれ球切れの頻度が多く発光が弱まるのも速いことから、メンテナンス頻度も多くなるため、「ユニット交換式」という名称でひとくくりにされています。
一方で、EL式やLED式の方法では、何らかの故障の場合を除き、長期間光源を交換しなくても良いほど長寿命なため、「メンテナンスフリー」としてまとめられています。
いかがでしたでしょうか。
今回は、近年トラック以外でも広まってきつつある「字光式ナンバー」についてご紹介しました。
近年ではおしゃれの意味合いで使用されることも増えてきてはいますが、夜間の走行時など、安全面でも非常に効果的な字光式ナンバーを使用する際は、ぜひこの記事を参考に、ルールを守って正しく装着しましょう。