最近、街で見かけることも増えてきたダンプ。
よく見てみると、荷台が後ろに傾いたり、横方向に傾いたりしているのに気づきます。
そんなダンプの1つが「三転ダンプ」です。
今回は三転ダンプとはどんな車なのかについてご紹介していきます。
目次
三転ダンプってどんな車?
まずは、三転ダンプがどのような車なのかについてご紹介したいと思います。
ダンプトラックはトラックの荷台にダンプ機能がついた車両です。
荷台を油圧や電気などの力で持ち上げ、傾けることで積み荷を一気に降ろすことが可能です。
ダンプトラックにはさまざまなバリエーションが存在し、いくつかの特徴ごとに分類されています。
まずは、車体の大きさ。
車体のサイズごとに、小型、中型、大型と分かれています。
他に、荷台の形状によって、Lゲートや深ダンプ等のように分かれることもあります。
そして、荷台の傾く方向。
ダンプトラックは荷台が傾く方向によって名前が異なり、荷台が後ろに傾く場合には「リアダンプ」、荷台が左右に傾く場合は「サイドダンプ」、そして、左右と後ろの3方向に傾く場合は「三転ダンプ」と呼ばれています。
つまり、三転ダンプとは、車体のサイズや荷台の形状を問わず、左右と後ろの方向に荷台が傾くダンプトラックのことを言うのです。
ちなみに、三転ダンプはダンプ方向が3方向に傾くので、複雑な動きを実現するために、接続部が「ボールジョイント」という特殊なものになっています。
三転ダンプのメリット
ここからは、三転ダンプのメリットについてご紹介していきます。
三転ダンプといえば、やはり一番特徴的なのは左右と後ろの3方向に傾くところではないでしょうか。
例えば、狭い現場や一方通行の現場、交通量が多い現場などで荷降ろしを行わなければいけない場合、傾けられる方向が限定されていると作業効率が落ちてしまうことも考えられます。
そんな時に三転ダンプであれば、前方以外のあらゆる方向に対して荷物を降ろすことができるので、スムーズに作業できたり、他の傾き方をするダンプでは降ろすことのできない場所へ荷物を降ろすことができるようになります。
特に、造園などで使用されるビリ砂利(数ミリレベルの細かな砂利)を撒く作業では、積み込んだビリ砂利をさまざまな方向に撒くことで、敷き詰めて広げる作業がスムーズに行えることから、三転ダンプを使用することが定石となっています。
また、現場によって積み荷を降ろす場所が変化するような土木や建設会社の場合、1台でリアダンプの機能とサイドダンプの機能を両立することができる三転ダンプは非常に重宝する車種です。
これら、狭い場所などでの活躍が想定されてか、三転ダンプは比較的小型から中型の車体が購入されるケースが多いです。
三転ダンプのデメリット
さて、三転ダンプには、他のタイプのダンプトラックにはないメリットもありますが、その一方でデメリットもあります。
三転ダンプは荷台を傾ける方向が多く、ジョイント部分がボールジョイントという構造になっていることはご紹介しましたが、複雑な動きを実現するために、他のダンプトラックに比べややデリケートに作られており、故障のリスクが若干高めな車体だといえます。
そのため、三転ダンプのデメリットとしてはメンテナンスが大変な点があげられます。
また、車体そのもののデメリットではないのですが、複雑な構造を持っていることによって、製造コストもやや高めで、販売額も意外と高めに設定されていることが多いです。
中古の三転ダンプもおすすめ
これから三転ダンプを購入しようと考えている方には、中古の三転ダンプをおすすめします。
三転ダンプは、複雑な構造をしていることから、メンテナンスの頻度が高くなることをデメリットの1つとして挙げていましたが、中古の三転ダンプの場合、そもそも故障しないように運用するにはメンテナンスの頻度を高くしないといけないので、デメリットがデメリットとして気にならない点があげられます。
さらに、ネックであった購入金額の高さも、中古で購入することで解決することから、入手までのハードルが下がります。
また、「手に入れやすい」という意味では、製造開始してから納車までに多少時間がかかる新車と違い、既に出来上がっている車両を購入するので、書類上の手続きと料金の支払いが終わればすぐにでも納車できる点もメリットの一つと言えるでしょう。
※ただし、目的に合った車体が手に入るかどうかという点については、購入を決める前にしっかりと「実物」を見て判断しなければいけません。
いかがでしたでしょうか。
今回は三転ダンプについてご紹介しました。
荷台が傾く方向が多くなるだけでもさまざまなことが違う、ということがお伝えできたのではないかと思います。
新車でも中古車でも、せっかく入手するのであれば、本当に三転ダンプが必要かどうか、新車で購入するのか中古車で購入するのかはしっかりと考えたうえで購入してもらいたいと思います。
そして、この記事がその判断の助けになれば幸いです。