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トラックの「エンジン」のお話

トラックは土木・建築や運送などの世界で活躍している車両です。
そんなトラックに積んであるエンジンは、一般の乗用車で主に使用されている「ガソリンエンジン」ではなく「ディーゼルエンジン」です(ごく一部の車両を除く)。
今回は、そんなトラックの「エンジン」についてご紹介していきます。

トラックのエンジンはおおむね「ディーゼルエンジン」であり、軽油を燃料として動きます。
ガソリンエンジンよりも大きく、シンプルな構造になっています。

ディーゼルエンジンは、ガソリンエンジンと比べ物理的に大きいため高い馬力を出すことができ、シンプルな構造なので故障しにくく、そして万が一故障しても修復が容易という特徴があります。
また、ガソリンエンジンと比べると寿命が長く、走行距離も非常に長く運用できるエンジンです。

ブレーキ性能も優れていて、ペダルを踏むフットブレーキやギアの回転数を落として減速するエンジンブレーキの他に、排気を止めてシリンダー内の圧力を上げてブレーキを効かせる「排気ブレーキ」がディーゼルエンジン特有のブレーキ方法として存在します。
ガソリンエンジンよりも熱効率が高く馬力が出る一方で、高速で走行しようとすると燃費が低下してしまう特徴があり、大型の車体でありそこまで高速で走行しないトラックや重機向けのエンジンといえるでしょう。

※ちなみに、トラックやバスなどの排気ガスが黒煙を上げ、環境を汚染するとしてNOx・PM法や自治体の排ガス規制などの対象になることがありますが、これはディーゼルエンジンではなくその燃料の「軽油」が原因です。
日本で生成される軽油に含まれる不純物が多いため、ディーゼルエンジンで燃焼させた後に排出される環境汚染に影響する物質の量が多くなってしまうのです。

NOx・PM法や自治体の排ガス規制について詳しくはコチラ…知らないと危ない「NOx・PM法」について

エンジンのメンテナンス 【消耗品の補充、交換】

トラックのエンジンにはさまざまな消耗品があります。
時間が経ち、走行距離も増えていくにつれ、そうした消耗品は劣化したり、消費されて減っていったりします。
そこで、エンジン内部の状態を適切な状態に保つため、消耗品の補充や交換が必要です。

エンジンオイル

エンジンオイルは、エンジン内の装置の潤滑や洗浄、防錆などを担っている重要なパーツです。
特にディーゼルエンジンの場合は、燃料となる軽油に含まれる硫黄が燃焼することによって「硫黄酸化物」となり、エンジン内部を腐食させてしまうため、エンジンオイルで中和する必要があります。
エンジンオイルはさまざまな要素でエンジン内部をきれいに維持していますが、その分エンジンを使用するたびにオイル自体が少しずつ劣化し、潤滑機能や洗浄効果が落ちていきます。

劣化したエンジンオイルを使用し続けると、エンジンの摩耗を早め、出力不足や燃費の悪化を引き起こし、さらにはエンジンの焼き付きの原因になってしまいます。
そこで定期的にエンジンオイルを交換し、エンジンオイルを常にきれいな状態に保つ必要があります。
エンジンオイルの交換時期は、ガソリンエンジンを使用する車の場合は色で簡単に判別することができますが、トラックなどのディーゼルエンジンの車の場合、排出される黒煙の影響で色がすぐに黒くなってしまい、劣化の度合いを色で判別することが難しいです。

そこで判断基準になるのが「稼働期間」と「走行距離」です。
特に運送会社の長距離トラックのように、長距離を走行することが少なくない車両の場合、短い稼働期間でも走行距離が非常に長くなりやすいので、「走行距離」で交換時期を判断することが多いようです。

エンジンオイルの交換時期の目安は以下の通り。

車体の大きさ

走行距離

稼働期間
小型トラック

2万km

12か月
中型トラック

3万km

12か月
大型トラック

4万km

12か月


また、せっかくエンジンオイルを交換しても、オイルフィルターが汚れたままになっていてはすぐにオイルが汚れてしまいます。
そこで、オイルフィルターもエンジンオイルと同時に交換することで、エンジン内の状況をきれいに保ち続けられるようにしましょう。

冷却装置(ラジエーター)

冷却装置はエンジンを冷やしてオーバーヒートを防ぐ機能を持っています。
冷却装置には「ラジエーターキャップ」や「ラジエーターホース」、「ファンベルト」「LLC(冷却液)」等のパーツが消耗品として挙げられます。

これらのパーツが劣化すると、エンジンのオーバーヒートにつながるので定期的な交換が必要になります。
交換時期については、トラックのメーカーや車種によって異なるため、車検や3ヶ月の定期点検のときに点検を依頼する整備工場に、パーツを交換する必要があるかどうか確認しましょう。
冷却装置に限らずパーツの交換には費用が掛かるので、交換の必要がある場合には検査費用に加えて交換費用を準備しておきましょう。

バッテリー

バッテリーはエンジンを始動させる重要なパーツの1つです。
トラックのバッテリーは、一般の乗用車のものとは大きさや電圧が違うものが使用されているので、交換の際には注意が必要です。
交換は整備工場のほか、ガソリンスタンドなどでも行ってもらうことができますので、費用は掛かりますが自分で交換するよりも確実な交換が可能です。

長くても5年、通常は3~4年くらいがバッテリーの寿命だといわれていますが、車両の扱い方によっては3年よりも早く寿命が訪れることもあります。
エンジンを始動してからのアイドリングが持続しなかったり、ヘッドライトやグローランプなどの光量が少ないと感じるような場合は、バッテリーの寿命の可能性が高いので、交換した方が良いでしょう。

今回は、トラックの中でも「心臓」ともいえるエンジンについてご紹介しました。
エンジン部分の不具合は車両の作業効率の低下を招きますので、寿命が近づいているパーツはしっかりと交換し、常に最適な状態で運用するようにしましょう。

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