トラックの新車は、一般の乗用車と違って手に入れるまでに時間がかかります。
車体によっては注文から納車まで1年以上かかることも珍しくありません。
なぜそんなことが起こるのでしょうか。
また、スムーズに新車のトラックを入手するためには、どんなことをしておくべきでしょうか。
今回の記事では、新車のトラックを購入する場合のポイントについてお伝えします。
目次
なぜ新車だと時間がかかるのか?
そもそも、なぜトラックは新車で購入しようとすると納車までに時間がかかるのでしょうか。
簡単に言うと、架装を製造するメーカー自体が少なくて注文が集中しやすいことや、メーカーの人材不足で製造に時間がかかっていることなどが、新車の納車に時間がかかる大きな要因だと言われています。
トラックの場合、同じ車種でも使用者の目的によって一台一台作りが異なります。
そのため、車両は注文を受けてから車体と荷台の架装をそれぞれ一から作ることになります。
在庫をスタンバイしておくことができないので、注文の数が増えてくると、生産が追い付かなくなり、納車まで時間がかかっていきます。
また、現在では、納車までに時間がかかる以外の問題も起きています。
架装によっては、素材の調達が追いついておらず、素材を変更しての納車となるケースもあります。
例えば、アルミブロックの車両を注文していたのに、実際に納車されたものがアルミから鉄に変更されていた場合、サビへの耐性や重量などの使い勝手にも影響があり、見過ごせない変更になります。
こうした状況は特にここ数年で顕著になってきており、最近ではあまりに車両が手に入らないため中古車を購入する会社も多く、中古トラックの価格も高騰気味になってきています。
余談ですが、荷台を作る必要がないトラクターヘッドは納車までの期間が短くなる傾向にあります。
新車の納車が遅くなるときにはどうすればいい?
まずはじめに言ってしまうと、新車を注文してから納車完了までの時間を短縮する方法はありません。
その理由は、車体や架装メーカーの注文状況や人員、素材の調達状況など、買い手側でどうにもできない要素が多すぎるためです。
そのため買い手側にできることは、納車までの間、業務に穴をあけないための工夫となります。
いくつかご紹介しましょう。
おすすめの方法は「レンタル」
新車を注文してから納車までの間に、車両の台数が必要になった場合は、車両のレンタルがおすすめです。
前回、「トラックをレンタルするメリットとデメリット」という記事でご紹介しましたが、トラックのレンタルサービスでは、費用を抑えつつメンテナンスの行き届いた車両を使うことができます。
数時間~数日単位で借りられるところもあれば、1年単位で借りられるところもあるなど、借りる側の事情に合わせた臨機応変な対応が可能です。
人員もまとめて借りられる「傭車」も選択肢のひとつ
傭車とは、個人の運送会社などからドライバーと車両を借りて、車両と人員を確保する方法のことです。
傭車を事業として行っているところもあれば、知り合いの運送会社に頼んで貸し出してもらうケースもあります。
イメージとしては外部への業務委託に近く、傭車専門の会社に依頼する場合はレンタルに比べて割高になる傾向があります。
その分、自社にドライバーを抱えずに済むので、人件費の調節がしやすいというメリットもあります。
傭車についても、以前の記事で詳しくご紹介していますので、もしよかったら参考にしてみてください。
【関連記事:トラックが足りない!そんな時に役立つ「傭車(庸車)」とは】
後々まで使うなら中古車購入もあり
中古トラックを購入する場合、名義変更などの手続きが面倒なことや、上述したように競争率が高いタイプの車両は中古車でも価格が高騰しやすいです。
そのため、新車より安く、すぐ手に入るとはいえ、しっかりと計画を立てたうえで中古トラックの購入に踏み切るべきでしょう。
一時的に車両を調達するのではなく、サブ車両として長期的に一台運用するのであれば、中古トラックの購入も選択肢として検討する余地があります。
逆に、長期的に運用しないのであれば中古トラックの購入は避けた方が良いでしょう。
まとめ
今回は、トラックを新車で購入するには注文から納車まで時間がかかるということについてお伝えしました。
運送業界では、人材の不足がよく話題に上りますが、新車の車体が手に入りにくいということも大きな問題です。
「ドライバーは雇ったけれど運転する車両がない」では、人材不足どころではありません。
だからこそ、新車の購入を検討するのであれば、納車されるまでの間をどう乗り切るかが大切です。
今回の記事が、その参考になれば幸いです。