ガガガと激しく音を立て、硬い地面に穴を開ける「削岩機(さくがんき)」。工事現場では地盤工事でかなり使用頻度の高い建機かと思います。
今回は「現場で削岩機が必要となったので、レンタルを検討している」方や「家庭でのDIYに小型削岩機の導入を考えている」方へ、小型の削岩機を利用する際に知っておきたいことと、レンタル相場についてご紹介します。
※ここでの小型の削岩機とは、自走式でない、手動で操作可能な工具としての削岩機を指します。
目次
レンタルする前に知っておきたいこと
削岩機とは?
まず削岩機について整理しましょう。
削岩機の役割
削岩機はその名の通り、岩やコンクリートなどの硬いものを削ることができるドリルのついた建機です。
主な役割はトンネル工事や石材の切り出し、鉱山工事、道路補修など、様々な現場で使用されます。その機能は大きく2つに分かれ、ただはつる(砕く)ことが目的なものと、穴をあけることができるものと分かれます。
英語ではハンマ(hammer)やシンカー(sinker)、ブレーカ(breaker)、ドリル(drill)などと呼ばれています。
削岩機の種類と仕組み
小型の削岩機は、ドリルに対して垂直に左右の持ち手がついており、T字の形状となっているものから、片手で持って操作できる比較的軽量のものまで、様々なサイズがあります。
また削岩の仕組みは、大きく3種類に分かれます。
・回転で穴を開けるもの
・ドリル刃の先端にビットという刃がついていて、打撃を加えながら穴をあけるもの
・回転せず、打撃のみで穴をあけるもの
その動力は、電動タイプと圧搾空気で動くタイプに分かれます。ちょっとした取り壊しや穴開けに使用される小型の削岩機は、電動タイプのものが大部分を占めます。
小型の削岩機の法定耐用年数
ちなみに、小型の削岩機の耐用年数は、切削工具に分類され、2年間適用されます。
したがって、工事現場で利用するために購入した際には、2年間、減価償却費を計上できることとなります。
小型の削岩機の操作に必要な資格・免許
大型の削岩機と違って、キャタピラの運転操作のない小型の削岩機ですが、誰でも操作していいのでしょうか?許可や資格、免許が必要なのか調べてみました。
・工場や工事現場での使用
小型の削岩機は「振動工具」という機械に分類され、国家資格にも振動工具取扱という資格があります。しかし、この資格は必ずしも必須ではないもので、例えこの資格がなくとも削岩機の操作は法律に触れません。自走式の大型削岩機の場合は、別途免許・資格が必要です。
振動工具取扱の内容は、振動工具の使用に際しての安全衛生教育です。
なぜこの安全教育が推進されているのかというと、振動工具は白ろう病などの振動障害を引き起こす恐れがあるため、予防のために振動障害の知識や正しい保護方法を知る必要があるのです。
白ろう病とは、削岩機などの大変振動力の強いものを長時間、習慣的に使用し続けると、手の血行を悪くし指先が真っ白になる病気です。
この資格は満18歳以上であれば誰でも受けることのできるもので、受講時間も4-5時間、1日で取得できることから、工事現場で働く際には取得しておきたい資格のひとつです。
・私有地での利用
小型の削岩機利用に必須の資格はない、ということで、もちろん私的な利用にも許可はいりません。
例えば、外壁の修理などに、コンクリートに対応している小型の削岩機を利用されている方も多いようです。
資格は必要ないですが、もちろん小型の振動工具でも白ろう病の危険性は多いにあるので、2時間以上の使用は控えましょう。
削岩機の中古相場
では、中古で削岩機を手に入れようと思ったら、いくら必要なのでしょうか。
今回は、家庭でも使用しやすい全長40cmほどのハンマードリル(回転と打撃で穴を開けるタイプ)に焦点を当てて調べてみました。中古相場は、5000円〜20000円といったところでした。中古市場では、さびて使用できるか不明なものから、数回使用しただけのものまで幅広く出品されていますので、価格にも幅があります。建機にとって、サビなどは故障や事故につながる可能性が高いものなので、安全に使用できるものか確認してから購入しましょう。
削岩機のレンタル相場は?
ハンマードリルの相場
全長40cmほどのハンマードリルのレンタル相場は、2000円~3000円となりました。中には送料が必要なところもあるので、可能な限り近くのホームセンターでレンタル品を探すと出費を抑えることができるでしょう。また先端のビットは別途販売の場合があるので、使用用途、使用機種に応じて購入しておきましょう。
削岩機は振動も強く、慣れにくい機器なので、初めて使用する方にはレンタルをおすすめします。いろんなメーカーやモデルを試してみて、一番必要な機種を見つけましょう。
業務用削岩機のレンタル
トンネル工事や道路工事で使用するための中〜大型の削岩機に関しては、本体とドリル、ビットなどの種類が広く選べるほか、レンタル期間も長期になりますので、レンタル料金も使用用途によって様々です。お近くのレンタル会社へお問い合わせください。
おわりに
様々な種類がある削岩機ですが、前述した振動障害や破壊力の強いドリルには細心の注意が必要です。
利用前には必ず周りに人がいないか十分に確認し、安全に配慮して使用することを心がけましょう。