トラックドライバーにとって、運転時の安全対策は非常に重要です。
荷主の要望などにより、運送業界では安全への対応が後手に回ってしまうことがあります。
しかし、事故が起こってからでは遅いため、各運送会社やドライバー側でできる限りの安全対策を行っているのが現状です。
今回は、トラックドライバーが行っておきたい安全対策についてご紹介していきますので、自身や自社に合った方法があれば、ぜひ行ってもらいたいと思います。
目次
ドライバー自身の体調管理
トラックの運転、特に長距離トラックを運転する際には、ドライバー自身の体調管理が非常に大切です。
寝不足や疲れが残ってしまっている状態で運転していると、集中力が低下します。
その結果事故につながってしまう場合があります。
十分な休憩や睡眠をとり、疲れをためないようにすることで、安全な走行が可能になります。
定期的な休憩や仮眠が取れるのがベストですが、配送先への到着時間は遵守しなければならず、休息を取っているとどうしても間に合わない場合は無理をしてしまうことが多く、体力的に厳しい状況に陥っているのが現状です。
高速道路のパーキングエリアや、トラックの停められるコンビニエンスストアの駐車場など、休息が取れる場所を見つけたら、こまめに休息をとり、運転中の体調を万全にすることが大切です。
配送準備をしっかり行う
通常、配送に向かう前には日常点検を行うことが義務付けられていますが、日常点検以外にも、例えば積載物がきちんとバランスよく積まれているか配送開始前に確認したり、確認の点呼をとるなど、配送前の準備をしっかりと行うことによって、配送中の事故や荷物の落下などのリスクを減らせます。
また配送の途中でも、必要に応じて点検を行うことが重要です。
特にロープ掛けで荷台に荷物を固定している場合は、荷物の傾きによってロープの固定が緩み、車体から荷物が落下してしまう危険性があります。
バンタイプの荷台を持つ車両では、積み重ねている荷物が荷崩れを起こしていると、荷物の損傷が発生する可能性や、最悪の場合車体のバランスが崩れて横転してしまう危険性があります。
どちらの場合も、配送の途中で点検を行うことによって事故を未然に防ぐことができます。
車体の点検は配送開始前には必ず、配送開始後にも必要に応じて随時行うようにしましょう。
車内環境を整える
長時間トラックの車内で過ごすトラックのドライバーにとって、車内の環境を整えることも非常に重要です。
日常的な運転の際に疲れにくく、眠気を誘発しにくい環境を整えておくことはもちろんですが、万が一の危険が近づいた時にそなえ、安全対策を整えておくことも大切です。
具体的には、シートやハンドルなどの普段から触れている箇所に対して、クッションやカバーなどを使用して、疲れが発生しにくい状況を作ることです。
睡眠不足も非常に危険な要因です。寝具や仮眠用品などもそろえたうえで配送にのぞむと良いかと思います。
安全対策としては、ドライブレコーダーやバックカメラ、車両接近警報装置などを装備して、万が一危険が迫ったり、あるいは事故に巻き込まれてしまったときに自分の身を守れるようにしておきましょう。
交通ルールの遵守
「トラックの安全対策」としては少しずれますが、交通ルールの遵守も重要な要素です。
これは、「ルール違反になったら罰金があるから」という理由だけではなく、安全に運転していくためにも必要なことです。
交通ルールの違反の中で、荷物の運送時に起こりやすいものとしては「過積載」があげられます。
荷主からの要求に応えるため、あるいは一度の運送での利益を増やすために、トラックの規定積載量以上に荷物を載せる違反です。
法の整備が進み荷主の責任も大きくなってきてはいるものの、未だに荷主側の立場が強く、大きな問題となっています。
過積載は制動距離の低下やバランスの悪化、車体の損傷や路面の損傷を引き起こし、荷物の落下の危険性以外にも多くの危険を誘発する違反ですので、法律違反ということもありますが、なにより安全のためにも絶対に行わないようにしなければなりません。
過積載についての詳細はコチラ…過積載の危険性と買取への影響
他には、近年一斉に摘発されニュースにもなった、路上への違法駐車の問題もあります。
特に都心部では、配送先の周辺に駐車可能なスペースがほとんど確保できないといった理由や、配送期限が早朝で移動が深夜になり、時間の調整が難しいため現場の付近まで移動しておいてから休息をとりたい、といった事情から、駐車禁止の路上に駐車してしまうことがあるようです。
駐車違反をしてしまうと、ドライバーに罰金が発生してしまうほか、荷主や会社にも迷惑をかけてしまうことになりますし、深夜から早朝の路上駐車の場合、トラックの駐車専用スペースのあるコンビニエンスストアやパーキングエリアよりも一般車や歩行者の交通量が多いので、発進時の事故が非常に発生しやすくなってしまいます。
可能な限り高速道路のパーキングエリアやトラックステーションなど、トラックの休憩が許容されている空間での駐車をしていただきたいと思います。
いかがでしたでしょうか。
今回は、トラックを運転するうえで、ドライバーが行っておきたい安全対策をいくつかご紹介しました。
状況によってできること、できないことも違うと思いますので、自身で可能なことを取り組んでもらえればと思います。
今後は、ここでご紹介したそれぞれの安全について、さらに掘り下げてご紹介していきたいと思います。安全なトラック運行に向けて、1つの助けになれば幸いです。