トラックに限らず、エンジンルームは自動車の心臓部分にあたる非常に重要な場所です。
エンジンルームに少しでも異常があると、車両の能力が低下し、時には走行不能になってしまうこともあります。
エンジンルームの状態を正しく管理するには、定期的な洗浄が不可欠です。
そこで今回は、トラックのエンジンルームの洗浄についてご紹介していきたいと思います。
目次
エンジンルームが汚れていると
まず、トラックのエンジンルームが汚れていると、どんなことが起きるのでしょうか。
エンジンルームが汚れていると、さまざまなエンジントラブルに見舞われやすくなるほか、エンジンルーム内で何かの変調・不調が起きていたとしても気付きにくくなってしまいます。
特に泥や油分などの汚れがひどい時には、エンジンオイルの漏れなどの症状が起きていたとしても気付くことができず、オーバーヒートなどの重大な問題に発展する恐れもあります。
エンジンルームの汚れの原因は何か
エンジンルームの汚れのほとんどは、走行中や作業中に発生する泥やほこりです。
また、飛び散った油分などもエンジンルーム内部の汚れとして挙げられます。
積雪の多い地域や海に近い地域を走行するトラックでは、雪や潮風などに含まれる塩分がエンジンルーム内部に入りこむこともあります。
こうした汚れが原因で、エンジンルーム内部のトラブルは発生しやすくなるため、できるだけ早めに洗浄することが大切です。
エンジンルーム洗浄の方法
さて、ここまででエンジンルームの洗浄が重要だということはお伝えしたかと思いますが、では実際、どのように洗浄を行えばよいのでしょうか。
ここからは、実際にエンジンルームを洗浄する際、どのように行っていけばよいかをご紹介していきたいと思います。
①基本的に乾拭き、できるだけ水分は使用しません
エンジンルームの洗浄では、基本的に乾拭きを行い、水分の使用はおすすめしません。
エンジンルーム内部は電気系統や電気部品の宝庫です。
水分が電気製品に付着すると腐食の原因となったり、電気系統に異常が発生したりしますので、なるべく水分を使用しなくて済むような洗浄が必要になります。
具体的には、乾いたタオルやエンジンルーム専用のウェットシートなどを使ってホコリやチリ、泥、油分などを拭き取っていきます。
注意点としては、エンジンルームの洗浄を行う際には、エンジンを停止させてしばらく時間を置き、エンジンルーム内の熱を冷ました状態で作業を行うようにしましょう。
エンジン停止直後のエンジンルーム内部は、思いのほか高熱になっているため、トラックを停車後に時間ができたからといって、すぐにエンジンルームを開くと、思わぬやけどにつながってしまいます。
②汚れがひどい場合は水洗い。ただし電気系統には要注意
乾拭きでどうしても落とせないようなひどい汚れの場合には、水拭きや放水など水を使用した洗浄を行いましょう、
この際、電気系統に水がかからないように注意が必要です。
バッテリーは外しておき、コードやプラグ、ヒューズなどにはビニールの袋をかぶせたり、ビニールのテープで覆うなど、電気系統が水に触れない工夫をしておきましょう。
電気系統が誤って濡れないように、エンジンルーム内を水拭きして、その後乾拭きして水分をふき取ります。
完全に乾いてからバッテリーを付け直し、覆っていたテープをはがして洗浄を終えましょう。
※放水する際は、高圧洗浄などの過度にエンジンを水気にさらす行為は避け、ホースからの放水程度に抑えた方が良いでしょう。
③さらにひどい汚れの場合はエンジンクリーナーで洗浄
さらに汚れがひどい場合は、トラック用のエンジンクリーナーを使用することによって洗浄することができます。
エンジンクリーナーの種類にはさまざまなものがありますが、使い勝手が良いスプレー式で泡タイプの洗浄剤がおすすめです。
注意点は水洗いの時と同様、クリーナーの泡が電気系統に接触しないようにすることです。
クリーナーを噴霧してしばらくすると汚れが浮き上がってきますので、軍手や雑巾などでふき取ります。
軽くホースなどで放水して残った洗剤を洗い流し、乾かしてからバッテリーなどを付け直すあたりは、水洗いによる洗浄と変わりません。
④洗浄後には「コーティング」するとなお良し
洗浄が終わったら、エンジンルーム内部に「コーティング」を行うことをおすすめします。
汚れを取るだけでなく、次に汚れが付かないようにすることも、エンジンルームの洗浄の大切なポイントです。
ワックスやコーティング剤を使用することで、「汚れの予防」「錆止め」「腐食対策」が可能なので、洗浄後はぜひコーティングを行いましょう。
時には業者に洗浄依頼をしましょう
ここまでご紹介したように、ご自身の手で洗浄する方法もありますが、「汚れがあまりにひどい」「精密機械に水をかけてしまわないか不安だ」等、さまざまな事情でご自身の手で洗浄することが難しいという人もいるかと思います。
そんな時は、エンジンルームの洗浄を行っている専門業者に洗浄を依頼しましょう。
専門業者に洗浄の依頼をした場合、料金は5000円から15000円くらいが相場で、エンジンルームの洗浄から細かなメンテナンスまで行ってくれるところもあるので、ご自身での洗浄が難しい時には、検討してみてはいかがでしょうか。
いかがでしたでしょうか。
今回は、トラックのエンジンルームの洗浄についてご紹介しました。
普段使用している車両をより長く、快適に使っていくためにも、定期的にエンジンルームをチェックして、必要であればエンジンルームを洗浄するようにしましょう。