トラックのタイヤ後ろに泥除けが付いているのを見たことがある人もいると思います。
泥除けはなぜ必要なのでしょうか。
また、取り付けていない場合に罰則などはあるのでしょうか。
今回は、トラックの車体下部にある泥除けについてご紹介します。
目次
そもそも泥除けって何であるの?
そもそも、泥除けにはどのような役割があるのでしょうか。
泥除けはその名の通り、泥から車体を守るために取り付けられています。
トラックの車体下部には、燃料タンクやトランスミッションなどの重要なパーツが多く、跳ねた小石がぶつかって傷ついたり泥が付着して錆びたりすると使い物にならなくなるので、保護する必要があります。
また車両の一番後ろのタイヤが小石を踏んで後ろに跳ねたときに、泥除けがないと後続の自動車にぶつかってしまうので、それを避けるためにも泥除けがあった方が良いでしょう。
泥除けにはいくつかの種類がある
あまりまじまじと見るようなものではないので、ご存知ない方も多いかと思いますが、トラックの泥除けにはいくつかの種類があります。
ステンレス製
ステンレスは金属なので光を反射する特性があります。
そのため、周りから見てもわかりやすいのがステンレス製の特徴と言えるでしょう。
また、他の泥除けに比べて軽量で、サビや寒さにも強いことから、どんな環境でも活躍する人気の素材です。
一方で、ステンレス製の泥除けは製造時に加工が難しく、その分ほかの素材の泥除けと比べて値段も少し高くなりますので、注意が必要です。
ゴム製
ゴム製の泥除けは比較的重量がある素材で、風の影響で巻き上がる可能性が少なく、後続車に泥を跳ねてしまう心配も少なく済みます。
また、ステンレス製の泥除けに比べて加工がしやすく、費用も抑えられるので、コストパフォーマンスも高い素材といえます。
ただし、ゴムという素材の宿命か、気温の変化にはかなり弱いため、寒い場所での使用はあまりおすすめできません。
EVA樹脂製
EVA樹脂とは、「エチレン・ビニール・アセテートコポリマー」の略称で、お風呂のバスマットやサンダルの底などで使用される合成樹脂のことです。
かなり軽量で加工がしやすく、経年劣化や水濡れにも強いため、人気の素材です。
またEVA樹脂は表面に印刷加工ができるので、社名やロゴなどを印刷して自社を宣伝することも可能です。
トラックを彩るアクセサリーの一つとして使うこともできるでしょう。
ただし、跳ね上げた小石などで引っかき傷がつきやすく、他の素材に比べてやや脆いことは注意が必要です。
泥除けはなくても車検に通る?
さて、ここまで泥除けの種類についてご紹介してきましたが、街を走るトラックの中には、泥除けがついていないものも存在します。
実は、泥除けの有無は車検に影響しないので、泥除けを付けていなくても、問題なく車検に通ります。
また、特に罰則などもないため、泥除けを取り付けていなくても何も問題ありません。
むしろ、泥除けは取り付け方を間違えた場合に車検に通らなくなるので、取りつけるときにこそ注意が必要です。
注意!正しい取り付け方をしないと車検に通らなくなる
ここからは、泥除けを装着する際に守るべきポイントについてご紹介します。
トラックの泥除けは車両の突起物として扱われます。
そして、泥除けの取り付け方が自動車の突起物に関わる基準を満たしていない場合、車検に通らなくなります。
条件は三つ。
一つ目は車体の横幅から片側1cm以上はみ出して取り付けないことです。
車体のフェンダー部分より内側に取り付けるようにしていれば、特に気にすることはありませんが、例えばEVA樹脂製の泥除けを目立たせようとして、車体の外側にはみ出る形で取り付ける場合は、片側1cmを越えないように注意しなければいけません。
二つ目の条件は角が尖っていないことです。
泥除けの角が一つでも尖っている場合、車検に通らなくなります。
角を取って丸く加工してトラックに取り付けましょう。
三つ目の条件は本体の硬さです。
ショア硬度という硬さの単位で計測され、基準値よりも数値が低い=軟らかいものに関しては、二つ目の条件をパスすることができます。
具体的には、本体の硬さが60ショアよりも低いものを使用するときには、角を丸める必要はなくなります。
ちなみに、タイヤのトレッド部のショア硬度がだいたい65ショア前後だと言われています。
そのため、ゴム製の素材で薄めのものやEVA樹脂を使用したものの場合は硬さが60ショアを下回ることが多いので、一つ目の条件である横幅を片側1cmcm以内に収めておくだけで車検に通すことができます。
ステンレス製のものや、ゴム製で分厚いタイプのものだと、硬さが60ショアを超える可能性があるので、角を取っておく必要があります。
おわりに
今回はトラックの車体下部にある泥除けについてご紹介しました。
トラックのパーツの中でもそこまで目立つものではありませんが、車体の劣化を防ぎ、周囲の車両の安全を守る重要なパーツです。
ルールを守ってしっかりと取り付け、泥や小石の影響を受けずに済むようにしましょう。