ドライバーは車酔いにならない、と考えている人は多いのではないでしょうか。
「ドライバーは他の同乗者に比べて酔いにくい」という情報はあるものの、一方で「絶対に酔わない」ということはなく、トラックのドライバーでも車酔いの症状が出ることがあり、時には業務を続けるのが困難になることもあります。
そこで今回は、トラックのドライバーも陥る可能性がある、「車酔い」の症状や対策についてご紹介していきます。
目次
車酔いとは?
車酔いとは、車の揺れや加速・減速などによって三半規管が刺激され、自律神経が失調状態に陥る状態のことです。
このことから、車酔いは別名「加速病」とも呼ばれています。
車酔いの症状は頭痛やあくびに始まり、吐き気やふらつき、酷い時には嘔吐したりトラックの運転ができなくなってしまうことがあります。
車酔いの原因
車酔いはなぜ起きるのでしょうか。
その原因は、大きく分けて3つあります。
身体的要因
睡眠不足や疲れのようないわゆる体調不良や空腹などは、車酔いの中でも特にトラックドライバーに影響を及ぼしやすい原因です。
普段トラックに乗り慣れているドライバーでも、体調を崩した状態でトラックに乗ると、普段気にならないような振動でも三半規管が強く刺激され、酔ってしまうケースがあります。
また、体調不良の場合に必要以上にシートに体を預けたり、猫背になったりと、トラックの揺れや加速の影響を受けやすい体勢になることで、車酔いをさらに悪化させてしまうことが考えられます。
外的要因
カーブや急勾配など、揺れや角度の変化が激しい道を走ったり、煙草やコーヒーなどの匂いが充満していたりといった周りの環境による要因のことを、外的要因といいます。
外的要因として多いのが、夏の気温と湿気ではないでしょうか。
うだるような暑さの中で運転していると、自然と体調が悪くなっていき、三半規管にも影響を及ぼすため、車酔いにつながりやすい要因の1つともいえるでしょう。
心理的要因
心理的な要因とは、「自分が乗り物酔いしやすい」と思い込んでいたり、不安や心配事を抱えていたりすることで、身体的要因や外的要因では問題がないにもかかわらず、車酔いを起こすことです。
車酔いの対策とは
「上述した要因を解消すれば車酔いを防ぐことができる」と言うのは簡単ですが、具体的にどのようなことをすれば車酔いの対策になるのかは分かりづらいのではないでしょうか。
また、酔い止めの薬を常備していなかったり、たまたま薬を切らしていることもあるでしょう。
そこでここからは、酔い止めの薬がない状況でも可能な対策として、車酔いの「予防」と「改善」の方法をご紹介します。
予防
トラックの車酔いを予防するには、体調管理と車内の環境を整えることが重要です。
トラックのドライバーのように生活習慣が不規則になりがちな職業だと、体調管理が難しいと感じる人も多いのではないでしょうか。
そこでまずは、睡眠を十分にとり、睡眠不足の状態にならないようにすることから始めると良いでしょう。
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車内の環境を整えることに関しては、内装を清掃をしたり、エアコンの掃除をしたりといった、「臭い」対策が最も有効です。
芳香剤の匂いが平気な方は、ラベンダーやグレープフルーツなどの香りのものを使用すると良いでしょう。
これらの香りは、自律神経を整える作用があるとされているので、車酔いに対しても効果があります。
また、音楽をかけるのも効果的です。
音楽をかけることで、車酔いの心理的要因である不安や心配事に意識が向かないようにして、車酔いを防ぎます。
改善
どれだけ予防しても、実際に車酔いが起こってしまっては、対策としては不十分です。
そのため、車酔いが起こった際に、一刻も早く改善させる方法を用意しておきましょう。
改善策の1つ目はガムやキャンディ、するめなどの唾液が出るものを噛むことです。実は、唾液には三半規管の調子を整える機能があるとされています。
また、飲み物では炭酸水もおすすめです。
炭酸水は胃腸の調子や自律神経に働きかけ、体調を整えてくれるといわれています。
車内の空気がこもっている場合は、窓を開けたりエアコンを外気循環モードにしたりして換気することで、車酔いが改善することがあります。
近くにトラックを停められるパーキングエリアやコンビニがある場合は、一度トラックから降りて休憩したり、お店で酔い止めの薬を購入してもよいでしょう。
いかがでしたでしょうか。
今回は、トラックのドライバーにも起きる可能性がある、「車酔い」に関してご紹介しました。
車酔いは一度起きると自然回復しづらいので、できるだけ起きないようにしておきたいですし、万が一の時に備えて何らかの対策はしておきたい状態の1つです。
今回ご紹介したようなポイントを押さえておき、運転中に車酔いが起きた際にすぐに対応できるようにしましょう。