深夜や早朝、郊外のコンビニに立ち寄ると、大型トラックが列をなして停まっているのを見かけることがあります。
ときには非常に長い時間停まっていることもあり、不思議に思う方も多いのではないでしょうか。
実は、大型トラックがコンビニの駐車場に長時間停まっているのには、理由がありました。
目次
なぜ大型トラックがコンビニに停まるようになったのか
大型トラックの主な仕事は、送り主のもとから受取主のもとへ荷物を送り届けることです。
このとき、受取の時間を指定されるのですが、多くの場合、指定時間に遅れるのは当然として、早く到着しすぎてもいけないとされています。
早く到着しすぎると、指定時間になるまで受け取ってもらえなかったり、その後の取引に悪影響を及ぼしたりすることがあります。
そのため、指定時間より早く受取主のもとに到着した場合、近くでトラックを停めて待つ必要があります。
しかし、大型トラックを停めて待つことができる場所はあまり多くありません。
以前の記事でご紹介したように、路上でも集配中の駐車が解禁される場所は増えてきているものの、ただ時間をつぶすための駐車に関しては違反となるところがほとんどです。
関連記事:【朗報】集配中のトラックが路上駐車可能に?【働き方改革】
また、トラックドライバーの労働時間も理由のひとつです。
この記事を見たとき、「道中のサービスエリアやパーキングエリアの駐車場に停めればいいじゃないか」と思った方がいると思います。
しかし、トラックドライバーは、連続して運転できる時間が決まっています。
4時間運転すると、30分以上休憩することが義務付けられているのです。
関連記事:トラックドライバーの労働時間はどのように決められているの?(基本編)
するとどうなるか。
道中のサービスエリアやパーキングエリアが、同じように休憩する他社のトラックに埋め尽くされていて停められないということが起こります。
そのため、ときには休憩のために高速道路から降りて駐車場探しをするケースもあります。
そこで登場するのがコンビニの駐車場です。
近年、大型トラック用の駐車スペースを用意しているコンビニが増えてきています。
深夜や早朝の時間帯は、日中に比べて一般客が少ない傾向にあるので、大型トラックを停めていても比較的迷惑になりにくいこともあり、受取の指定時間を待ったり、適宜休憩をとったりするために、コンビニの駐車場を利用する大型トラックが増えているのです。
停めていても問題はないの?
コンビニの駐車場に長時間、何台もの大型トラックが停まっていても問題はないのでしょうか。
これについては、現在は各店舗の判断にゆだねられています。
問題ないと判断する店舗もあれば、例えば周辺住民からのクレームで長時間の駐車を禁止したり、エンジンを切るなどの条件を指定したりするところもあります。
ちなみに、大型トラックが停まっていることで、コンビニ側にもメリットがあると言われています。
まず、売り上げへの貢献です。
時間帯にもよりますが、受取主の指定時間まで長めの待ち時間がある場合、お弁当や飲み物だけでなく、お菓子なども購入することがあります。
そのため、意外と売り上げに貢献しているのです。
また、防犯上のメリットもあります。
深夜のコンビニは、強盗などの犯罪に巻き込まれるリスクがあります。
大型トラックが複数台停まっているということは、店内には屈強な大型トラックのドライバーがいるかもしれないということ。
それによって犯罪に狙われにくくなると考えられています。
おわりに
今回は、大型トラックがコンビニの駐車場に停まっている理由についてご紹介しました。
大型トラックがコンビニの駐車場に停まっているのは、正しい時間に必要な荷物を届けられるように、時間調整や休憩をするためです。
大型トラックが荷物を滞りなく届けてくれているおかげで、私たちも豊かに、安定して暮らすことができます。
だからこそ、コンビニの駐車場に列をなして停まっている大型トラックを見かけたら、「いつもありがとう」と温かく見守っていきましょう。