トラクタ&トレーラーは、トラクタ部分と荷台部分(トレーラー)にわかれた大型の車両です。
トラクタ&トレーラーは運ぶものや形状によってさまざまな種類が存在します。
・トラクタ部分に荷台がなく、荷台(トレーラー)部分にさまざまなタイプのものを装着・換装することによって場面ごとに使い分けることができる「セミトレーラー」
・トラクタ部分に荷台があり、より多くの荷物を積んで走行することができる「フルトレーラー」
・長尺の積載物を運ぶために伸縮式のステアリングドローバーと呼ばれるけん引のパイプが装備されている「ポールトレーラー」
などの種類があり、目的に応じて使い分けられています。
日本国内で最も一般的なものは「セミトレーラー」とよばれる形態で、通常のトラックよりも積載できる荷物の量が多くなることから、運送業界のあらゆる用途で使用されます。
トラクタ部分とトレーラー部分が切り離せるため、船舶での運送の際にトレーラーのみを積み込み、トラクタヘッドは次のトレーラーを運び込むために使用するという使い方もでき、汎用性の高さがうかがえます。
また、トレーラーそのものの種類も豊富で、平ボディや自動車を積載できるキャリアカー、コンテナなど多種多様であり、業界問わず活躍しています。
目次
トラクタ&トレーラーはトラックより操作が難しい
トラクタ&トレーラーは他のトラックやダンプといった車両よりも操作が難しいといわれています。
公道を走行する際には内輪差が激しいため交差点での旋回には注意が必要です。
さらに、路面が非常に滑りやすい状況で走行していると、トラクタ側とトレーラー側の接続部分を起点に車体が「く」の字に折れる「ジャックナイフ」という現象が起こり、重大事故につながるケースも存在します。
この現象を防ぐためにオートブレーキシステムなどの対策システムが導入されているほか、運転方法での対策が周知されてきているため、全体的に事故は減少傾向にあるものの、未だジャックナイフによる事故発生率が0%にはなっていないので滑りやすい道を走行する際には注意して運転しなくてはなりません。
トラクタ&トレーラーの免許について
安全について少しご紹介したところで、今度はトラクタ&トレーラーを運転する際の免許についてご紹介したいと思います。
トラクタ&トレーラーはトラクタ部分とトレーラー部分に分かれており、トラクタの部分を「けん引車」、トレーラー部分を「被けん引車」という分類で分けられています。
そして車両総重量が750kgを超える「被けん引車」を「けん引車」でけん引する際には「けん引免許」が必要になります。
※ただし、故障車をロープやクレーンなどでけん引するときや、「けん引車」と「被けん引車」が切り離せない場合は例外的にけん引免許は不要になります。
けん引免許は、通常の自動車運転免許とは別に必要になります。したがって、車両の大きさに合わせた免許(基本的には中型免許か大型免許)を取得していないと運転することができませんので、自分の持っている免許とトラクタ&トレーラーの車体の大きさがきちんと対応しているか注意が必要です。
トラクタ&トレーラーの買取について
さて、トラクタ&トレーラーについて、さまざまな角度からご紹介してきましたが、ここからはトラクタ&トレーラーの買取についてご紹介していきます。
トラクタ&トレーラーは大型の車両であることが多く、買取の際には一般の乗用車を買取している業者ではなかなか対応していないことが多いです。
中古車の買取業者は、買い取った車両を整備し売れるような状態にして国内外やオークションに「中古車販売」として販売しています。
そのため、一般の乗用車の買取業者であれば基本的に「一般向け」に中古車販売を、トラック専門の買取業者であれば「土木・建築・運送などの業界向け」に中古車販売しています。
トラクタ&トレーラーを「一般の乗用車を購入しようとする層の人」が欲しがることはめったになく、基本的には「運送業界の方」が欲しているといえます。
トラクタ&トレーラーは運送業界向けにも販売している「トラック専門の買取業者」が主に買取っているのです。
トラクタ&トレーラーの買取で特徴的なことは、他のトラックや重機などの場合と異なり、トラクタ部分のみの買取や、トレーラー部分のみの買取にも対応していることです。
トラクタ&トレーラー以外のトラックやダンプといった車両は通常、ボディ部分と荷台部分の架装がひとまとまりになって買い取られます。
トラックなどの場合、製造の段階でそれぞれの架装に合わせさまざまな調整をした状態で設計され販売されているのに対し、トラクタ&トレーラーの場合は、トラックの「架装」にあたるトレーラー部分が自由に取り換えられます。
そのため、中古のトラクタ&トレーラーのなかでもトレーラー部分だけが欲しい需要やトラクタ部分だけが欲しいという人からの需要があり、それに応えるために買取業者が個別に買取をしているのです。
例えば売り手側の選択肢として、ドライバーの数に合わせて車体数を調整するためにトラクタ部分だけを売却したり、逆にトレーラー部分を事業の方針転換のために買い替える、といった方法もあり、臨機応変に対応できます。
トラクタ&トレーラーを売却する際には、状況や目的に応じた最良の方法を取れるように、計画的に売却を行うようにしましょう。
いかがでしたでしょうか。
今回はトラクタ&トレーラーについてご紹介してきました。
現在の日本の運送において欠かすことができないトラクタ&トレーラーを売却するときには、ぜひ一番良い方法を取るようにしてもらえればと思います。
そしてこの記事が少しでもその参考になれば幸いです。