トラックには、さまざまなパーツやアイテムが使用されています。
その中には、定期的に補充や交換が必要なものも多くあります。
そこで今回は、トラックに装備されているパーツの中で、定期的な点検や交換が必要な「消耗品」についてご紹介していきたいと思います。
目次
トラックの消耗品にはどんなものがあるの?
トラックの消耗品は、大きく分けて
・エンジン
・足回り
・架装
の3種類を構成するパーツに当てはまります。
今回はこのうち、エンジンを構成しているパーツについて、「消耗品とはどのようなものか」「交換時期はいつごろか」をご紹介していきます。
トラックの消耗品 エンジン編
エンジンオイル
トラックのみならず、自動車の消耗品の中で代表的なものがエンジンオイルです。
エンジンオイルは、自動車のエンジン部分を正常に動作させるために、部品同士を潤滑させたり、エンジン内のパーツが錆びついてしまうのを防いだりするパーツです。
また、トラックに代表されるディーゼルエンジンのエンジンオイルは、燃料となる軽油に含まれる硫黄が燃焼することによって発生される「硫黄酸化物」を中和する役割も持っています。
定期的に交換しないと、最悪エンジンが焼き付いて、オーバーホールしないといけなくなります。
交換時期は、「交換後の車両の稼働期間」と「走行距離」で判断されることが多く、特に長距離を走行することが多い大型トラックなどの場合は、走行距離で判断されることがほとんどです。
交換時期の目安
小型トラック:2万kmごと
中型トラック:3万kmごと
大型トラック:4万kmごと
※交換後の稼働期間は全ての大きさで12か月程と共通
オイルフィルター
オイルフィルターは、エンジンオイルを常に清潔な状態でシリンダーなどに送り出すためのろ過装置です。
エンジンオイルに不純物が混入していた場合に、エンジンオイルをろ過することでオイルの機能を損なわずに済みます。
当然、エンジンオイルが少しずつ劣化していくたびにオイルフィルターがろ過していくので、オイルフィルターに汚れや不純物が溜まっていきます。
せっかくエンジンオイルを交換したとしても、オイルフィルターが汚れてしまっていてはあまり意味がありませんので、定期的な交換が必要になってきます。
交換時期の目安
交換時期は、エンジンオイルの交換2回につき1回オイルフィルターを交換するようにすればよいでしょう。
タイミングベルト・タイミングチェーン
エンジンの内部でタイミングよく駆動しているのが、タイミングベルトやタイミングチェーンと呼ばれるパーツです。
エンジンのピストン運動のエネルギーを生み出す「カムシャフト」を、タイミングよく動かすためのパーツで、タイミングベルトはゴム製、タイミングチェーンは金属製です。
エンジン内で高速回転する構造になっているため、どちらも長期間使い続けると少しずつ伸びていきます。
するとエンジンの駆動するタイミングがおかしくなってしまったり、エンジンの点火がうまくいかず、エンジンの始動すらできない場合もあります。
定期的な交換が必要なパーツのなかでも、タイミングベルトやタイミングチェーンは交換を怠ってしまうと大きなトラブルになりやすいパーツといえます。
交換時期の目安
タイミングベルト:約10万kmごと
タイミングチェーン:約30万kmごと
エアクリーナーエレメント
その名の通り、空気を綺麗にした状態でエンジンに送り込む装置です。
ディーゼルエンジンは、エンジン内で空気を圧縮して反応させ、そのときに発生したエネルギーによって動作するエンジンです。
エンジン内に取り込む空気が汚れていると、エンジンの燃焼効率が落ちてしまい、燃費性能の低下を招いてしまいます。
定期的に交換や清掃を行い、常にきれいな空気をエンジンに送ってあげましょう。
交換・清掃時期の目安
約2万km~4万kmごと
ラジエーターキャップ
エンジンのラジエーター(冷却装置)の中の圧力を調節し、ラジエーターに入ってきた熱い空気を排出しつつ、冷却水(LLC)の量を調節して効率よく冷却できるようにしているパーツです。
ラジエーターキャップに不具合があると、ラジエーターの冷却機能がエンジン内部にうまく伝わらず、オーバーヒートなどの原因となってしまいます。
交換時期の目安
車種等でかなり違うものの、おおよそ5年程度が目安とされています。
ただし、ラジエーターキャップ内部の、圧力調整のためのスプリングがあまり動いていなかったり、裏側のゴムが固くなってしまっているなど、少しでも不調がある場合は早めの交換が必要です。
定期的にキャップテスターなどでキャップを点検するようにしましょう。
LLC(ロングライフクーラント)
LLCはエンジンの冷却に使用する不凍液です。
不凍液の名前の通り、凍結防止、さらに防錆の効果もあり、エンジン内部のパイプを通ってエンジンの熱を吸収し、ラジエーターに戻って冷却されます。
LLCがエンジン内を循環することで、オーバーヒートやパイプの劣化などを防ぐことができます。
交換時期の目安
LLCの交換時期は、おおよそ3年ごととされていますが、劣化するとウォーターポンプの腐食、ラジエーターや各部パイプの腐食、オーバーヒートにつながります。
また、LLCが凍結するとエンジンを破損する場合があり、この場合はエンジンの交換すらできなくなってしまいます。
定期的なチェックを行い、液の色が使用前に比べて濁っていたりしたら交換するようにして下さい。
いかがでしたか?
今回は、トラックにおける消耗品のうち、エンジンに関わる部分のご紹介をしました。
次回は足回りについてご紹介しますので、お楽しみに。