トラックメーカーの販売サイトや、トラックの買取業者のサイトなどで見かける「カーゴトラック」。
実際「カーゴトラック」とはどのようなものなのでしょうか。
今回は「カーゴトラック」について、特徴や買取などのポイントをご紹介していきます。

カーゴトラックとは

そもそもカーゴトラックとはどのような車両なのでしょうか。
実は、カーゴトラックとは「運送を目的としたトラックの総称」であり、特定の車種や架装の種類を指すものではありません。

該当するのは、「平ボディ」「アルミバン・パネルバン」「冷凍車・冷蔵車」「ウイング車」「幌車」などです。
それぞれ個別に見ていきましょう。

平ボディ

最もシンプルかつポピュラーなタイプの、荷台が低く積み上げや積み下ろしが容易な車体です。
基本的に、荷台には落下防止のための鋼鉄製のあおりが装備されていますが、車体によってはアルミ製のあおりを装備している場合があり、そうした車体は「アルミブロック」と呼ばれています。

アルミバン・パネルバン

荷台を箱型にして平ボディよりも密封性を向上させたものが「アルミバン・パネルバン」と呼ばれる車体です。
平ボディに比べると、風雨を防ぎ、荷台内の温度や湿度をある程度一定に保つことができるため、積荷の状態を維持したまま走行することができるようになっています。

ちなみに、「アルミバン」とは荷台の箱がアルミ製でできている車体のことで、「パネルバン」とは荷台の箱をパネルで覆っている車体のことです。そのため、呼び方に違いはあるものの、車体としてはほとんど違いはなく、ものによってはアルミバンでありパネルバンである車体、というものも存在します。
荷台の装備そのものを増やしているため、平ボディに比べ購入の値段は高めに設定されています。

冷凍車・冷蔵車

アルミバンやパネルバンのように密封性を高めた上で、さらに荷台の中を冷やして、冷凍機能や冷蔵機能を持たせたものを、それぞれ冷凍車・冷蔵車と呼んでいます。
冷却機能が追加された分、荷台内部の装置の重量が増え、荷物の積載量が減少してしまうほか、購入のコストはアルミバンやパネルバンより高額になります。

ウイング車

ウイング車はアルミバンやパネルバンなどのバンタイプの車両の、荷台の扉が側方に大きく開くタイプの車両です。
開いた時の見た目が羽のように見えることから「ウイング車」と名付けられるようになりました。

油圧によって自動で開閉するもののほか、バネによるアシストを使い手動で開閉するタイプのものもあります。
アルミバンやパネルバンと比べ、「車体側方が開くことによって積み下ろしが楽にできる」という特徴があり、そのぶん値段も多少高額になります。

幌車

平ボディの車体に骨組みを装着し、そこに幌を付けて風雨から荷物を守れるようにした車体を「幌車」と言います。
幌は布製のため、アルミバンやパネルバンほどの気密性能はなく、湿気などの対策は必須です。

ちなみに、幌車の中で荷台側方が開くタイプの「幌ウイング車」も存在します。
購入金額は「平ボディ以上、アルミバン・パネルバン未満」といったところです。

これらの車体を総合してカーゴトラックと呼んでいます。
逆に、運送以外の用途や目的がある車体（例：ダンプやミキサー車など）については「特装車」と呼ばれています。

カーゴトラックの買取について

カーゴトラックは、運送を目的としたさまざまな車体の総称です。
そんなカーゴトラックの買取における注意点としては、大きく言うと1つだけです。

それは「詳細な情報を伝えること」です。
トラックは、それぞれの車体ごとに買取の金額が異なるだけでなく、買取業者ごとでも買取金額が異なるなど、「決まった相場」というものがありません。
そのため、概算査定で「この買取業者は」「この車両を」「だいたいこれくらいの金額で」買い取ってくれる、と把握することが、スムーズな交渉や高額売却のために重要です。

概算査定で買取業者にある程度以上詳細な金額を提示してもらうためには、「詳細で正確な車両の情報」を提示することが不可欠です。
例えば、車種、重量や積載量、年式、型式などの車両そのものの基本情報の他に、架装の種類や寸法、架装自体が持っている機能やクレーンやエアロなどのオプションパーツといった追加装備、走行距離やキズ・汚れの有無のように車体をどう扱ってきたか、などがあげられます。
これらの情報をより細かく、より正確に伝えることによって、概算査定での詳細な金額を知ることができるようになります。
概算査定で詳細な金額を知っておけば、現地査定で実際に車体を診たときに大きな値下げをされてしまうなどのトラブルを回避できるようになります。
複数の買取業者を比較検討する上でも便利なので、できるだけ詳細に車体の情報を最初の概算査定の時点で伝えて置きましょう。

今回はトラックの中でも運送を専門とする「カーゴトラック」についてご紹介しました。
カーゴトラックは運送目的の車体全般を指すので、購入や売却の時にはより細かなバリエーションのことを意識しながら行うと良いでしょう。