運送業界や、引越しの業界など、さまざまな業界で活躍している4トントラック。
2トントラックや10トントラックにはないメリットがある一方で、4トントラックを運用する際には注意をしなければいけないポイントもあります。
今回は、4トントラックを運用する際の注意すべきポイントをご紹介します。
目次
4トントラックとは
4トントラックとは、「荷台の最大積載量が4トン以下のトラック」のことをいいます。
最大積載量とは、トラックやダンプなどの貨物自動車が走行する際に、安全に走行するために設定された、荷台に載せられる荷物の重量を定めたものです。
トラックに荷物を載せるときに、最大積載量の規定が守られていないと、バランスを崩しやすくなったり、事故につながってしまう場合があります。
最大積載量が4トンのトラックは中型トラックに分類され、中型免許や大型免許などを持っているドライバーがよく利用しています。
運送業界や引越し業界のほか、土木や建設の業界など、あらゆる業界でさまざまなものを運ぶために活躍しています。
代表的な車種はいすゞの「フォワード」、三菱ふそうの「ファイター」、日野自動車の「レンジャー」、UDトラックスの「コンドル」などです。
荷台の架装にはダンプ機能を持ったものや、アルミバンやパネルバンなどのように、物資を運搬する目的に特化したタイプのもの、クレーンを装備したものなどがあります。
大型トラックに比べて小回りが利き、最大積載量が2トンや3トンのトラックに比べてより多くのものを一度に運ぶことができるというメリットから、住宅街などに向かう引越し業者のトラックの中で、最大クラスの車両として運用されることも多いです。
また、チップダンプやファームダンプなどのダンプとして運用されることも多く、業界を選ばず幅広い活躍をする車体だと言えます。
4トントラック運用の注意点
さて、4トントラックを運用する際に注意すべきポイントがいくつかあります。
車両総重量
1つ目は車両総重量についてです。
実は、4トントラックの最大積載量は4トンと表記されていますが、厳密にいうと4トンピッタリではありません。
最大積載量の数値は状況によって増えたり減ったりすることがあります。
これに関係するのが車両総重量です。
車両総重量とは、自動車が道路を安全に通行できる基準の重さを定めたもので、最大積載量の数値は、車両総重量をもとに割り出されます。
最大積載量を割り出す計算式は、
最大積載量=「車両総重量」ー「車両重量」ー「乗車定員(1人につき55㎏で計算)」
で求められます。
この計算式からわかるとおり、最大積載量の数値は、乗車人数や車両重量が変われば変動します。
例えば、普段1人で運行しているところを、何らかの理由で2人乗車して運行しなくてはいけなかったり、新しくオプションパーツを加えるなどしたときは、それまでの最大積載量よりも少ない量しか載せることができません。
結果、「4トントラック」であっても、実際には荷物を4トンまで載せることができないケースが発生します。
その状態で、普段通り4トンいっぱいまで荷物を載せていた場合、過積載になってしまう恐れもあります。
過積載については過去の記事でもご紹介していますのでそちらも参考にしてみてください。
過積載について詳しくはコチラ…「過積載」の危険性とトラック買取への影響とは?
架装重量
4トントラックを運用する上で注意すべき点の2つ目が架装の重量です。
上述したように、最大積載量の重量は、あくまでも荷台に載せられる「荷物」の重量です。
そのため、荷台にさまざまな架装を施していた場合、例えばアルミバンやパネルバンなどであれば、それを構成する箱の重量、クレーン付トラックの場合であればクレーンの重量なども、積載可能な重量からは差し引かれて計算します。
結果、4トントラックだとしても実際には4トンの荷物を載せることができないケースもありますので、こちらも注意が必要です。
免許制度
4トントラックを運転する際に注意すべき点の、最後の1つは免許についてです。
2017年3月に新しい免許として「準中型免許」が交付されるようになりました。
この準中型免許ですが、最大積載量が4.5トン未満、車両総重量が7.5トン未満の車両を運転することができる免許です。
最大積載量4.5トン未満であれば運転できるため、4トントラックの運転は可能ですが、実はこちらも注意が必要です。
準中型免許で運転できる車両の判断基準の中にも、最大積載量だけではなく車両総重量が設定されています。
そのため、仮に最大積載量が4トンの車両だったとしても、車両総重量が7.5トンを超えているものの場合、準中型免許だと運転することができません。
そうした車両を運転する場合は、「中型免許」以上の免許を取得しておかなければいけませんので、注意が必要です。
いかがでしたでしょうか。
今回は、さまざまな業界で活躍している4トントラックの運用の際の注意点を3つご紹介しました。
小型トラックや大型トラックにない特徴を持った4トントラックを運用する際には、最大積載量だけではなく車両総重量に気を付けると良いでしょう。