トラックやダンプを運転するにあたって、気を付けなければいけないポイントの1つが「錆」の対策ではないでしょうか。
特に沿岸部で使用されるトラックやダンプは潮風の影響もあって錆が付きやすく、しっかりとした対策が重要になってきます。
今回は、トラックやダンプにとって大きなダメージの1つ、「錆」についてのご紹介です。
目次
錆はなぜつくの?
そもそも、何故トラックやダンプに錆が付いてしまうのでしょうか。
もともとトラックやダンプには防錆剤が塗られています。
そのため、トラックやダンプは購入時の状態であれば錆は非常につきにくいといえます。
しかし、トラックやダンプなどは荷台に重たい物を載せたり、長距離を移動したりします。
そうやって長年使っていると防錆材が剥がれてしまったり、荷物の重さで車体に傷がついてしまい、防錆材で保護されていた鉄板等が露出してしまいます。
露出した鉄板は、水分が付着すると空気中の酸素と反応し、酸化してしまい「酸化鉄」になります。
実はこの酸化鉄こそが錆の正体なのです。
より詳細なメカニズムを説明すると、鉄は金属の状態では分子が安定しておらず、酸化鉄などになることによって物質として安定しています。
このことから、鉄板などの金属部分が露出したままになっていると、鉄は安定するために自然と酸化反応が起きて酸化鉄=錆となってしまうのです。
トラックで錆が付きやすいのは
トラックやダンプ等の車両で錆が付きやすい場所は「荷台」と「足回り」です。
基本的にトラックやダンプなどの車両は、上述したように防錆材などでコーティングされて保護されています。
そのため錆が起きにくくなっているのですが、例えば荷台の場合は、物を載せ続けると防錆材が剥がれたり、載せたものの重さで傷が付き、荷台の鉄板部分がむき出しになってしまうことによって錆が発生します。
また足回りについては、飛び石がぶつかって防錆材が剥がれてしまったり、雪国を走行するときに道路の融雪剤などが付着して腐食が進んだりします。
足回りが錆びると、最終的には安全な走行が困難になってしまうこともあります。
さらに足回りには、車体を識別するために必要な「車台番号」が打刻してあるのですが、万が一この部分が錆びてしまい車台番号が読み取れなくなってしまうと車検を受けることができず、公道を走行することができなくなってしまいます。
車台番号について詳しくはコチラ…意外と知らない「車台番号」の秘密
錆が付いてしまうと
トラックやダンプに錆が付いてしまうと、見た目が悪くなってしまうほか、錆が進行すると耐久性に大きな影響が出てしまいます。
一度錆や腐食が発生してしまうと、かなり速いスピードで腐食が進行してしまい、最後には穴が開いてしまうことさえあります。
そのため、しっかりと錆を予防し、付いてしまった錆は早めに落とすことが大切になります。
錆の被害を抑えるために
錆が付いてしまうことは車体の消耗があるので避けられません。
しかし、できるだけ錆をつきにくくし、万が一錆が発生してしまった際には素早く錆を取り除くことによって、錆の被害を最小限に抑えることはできます。
ここからは、錆の被害を最小限に抑える方法をご紹介します。
錆を予防しましょう
錆の発生自体を予防する方法としては、「コーティング」と「洗浄」があります。
トラックやダンプなどの錆は、露出した金属部分に水分などが付着することで酸素が反応して起こります。
そのため、酸素との反応を防ぐ防錆材を定期的にコーティングしたり、荷台に防錆マットを敷くなどによって、金属面が露出しないようにするのです。
洗浄では、特に足周りの融雪剤や泥などの汚れをしっかりと落として、腐食の進行を防ぐことが大切です。
このとき、高圧洗浄機などを使用し水洗いをすることが多いですが、洗浄後に水分が残ったままの状態でいると、せっかく塩分や泥を落としたところで結局水分に反応して錆びてしまうので、洗浄後はエアブローなどを使って水分が残らないようにすることが重要です。
錆は正しい方法で落としましょう
錆が付いてしまった際の対処としては、早めに錆落としを行うことをおすすめします。
現在では錆落としのためのグッズなどが市販されており、それぞれの製品ごとに使い方が異なるので、取扱説明書などを読み、正しく使いましょう。
※錆の度合いが酷いもの等、自分で錆落としを行うのが難しい場合は、無理をせずプロに任せましょう。
また、錆を落とした場所は金属面がむき出しになっているはずです。
必ずアフターケアとして防錆処理を行い、せっかく錆を落とした場所が新たに錆び付いてしまわないようにしましょう。
いかがでしたか?
今回は、トラックやダンプなどを運用する上で避けては通れない「錆」の問題についてご紹介してきました。
錆の原因から予防法までしっかりと知っておくことで、トラックやダンプを運用しているときに、「錆のせいで突然動かなくなってしまった」ということのないようにしましょう。