さまざまなものを載せて運ぶトラックの中で、ひときわ大きなものを運んでいる車両がレッカー車です。
レッカー車は全国のロードサービスや修理工場などが、故障した自動車を運ぶために使用しており、24時間、365日、日本中のどこかで稼働している自動車といえます。
特にこれからの寒い時期、エンジントラブルや雪道のスタックなど、レッカー車の力を借りることも増えてきます。
そんなレッカー車ですが、当然古くなると故障や不具合が起きやすくなります。
場合によっては新しいレッカー車に買い替えたいところですが、決して安い買い物ではありません。
そこで今回は、レッカー車を買い替えるときに、一番良い方法が何なのかを検証していきたいと思います。
目次
レッカー車とは
いきなり買い替えの話をする前に、まずはレッカー車とはどんな車両なのかについてご紹介していきたいと思います。
レッカー車とは、自動車の前輪または後輪を吊り上げて、そのまま引っ張って移動することができる車両です。
基本的に「自走できない車両」を移動させるための車両なので、「下から持ち上げる」「上から吊り上げる」「車輪を抱える」など、さまざまなシチュエーションに合わせたけん引機能を備えています。
面白いのは、レッカー車はけん引車の一種でありながら、ドライバーにけん引免許が必要ない(ただし、車両総重量750㎏未満のものに限る)ことです。
そのため、レッカー車を運転するのであれば、車両の大きさに合わせた自動車運転免許があれば問題ありません。
レッカー車買い替えの方法
さて、ここまでレッカー車とはどんな車かについてご紹介してきました。
ここからはレッカー車の買い替えの方法についてご紹介していきたいと思います。
レッカー車を買い替える方法としては大きく2種類があります。
それは、「下取り」と「買取」です。
それぞれどのように違うのかを見ていきましょう。
下取り
下取りは、メーカーやディーラーで新しいレッカー車を購入する際に、既に持っている車両をメーカーやディーラーに売却することで、新しい車両の購入価格から値引きしてもらうことができるシステムのことです。
下取りの良いところは、基本的にどんな状態の車でも売却して値引きを受けることができることです。
また、下取りは「車両の購入」が前提となる買い替えの方法なので、売却と購入の手続きを一度に行うことができるというメリットもあります。
逆に、下取りの際の値引き額はあまり大きくならないという点や、下取りで値引きされた分の金額を、他の用途に使うことができないというデメリットがあります。
これらの理由は、メーカーやディーラーが下取りを行う目的が、「新規で車両を購入してもらうこと」にあるからです。
メーカーやディーラーにとっては、「車両が売れること」が利益になるので、車両の販売を促進するために下取りを行っています。
しかし、下取りであまり大きな値引きをすると、メーカーやディーラーの利益が少なくなります。
そのため、下取りの場合は値引き額に対して独自の上限額を設定したり、逆に最低保証金額を設定したりしてバランスをとっています。
だからこそ、下取りではどんな状態の車両でもほとんどの場合引き取ってもらえるものの、値引き額が大きくなりにくいのです。
買取
レッカー車を買い替えるときにはもう1つ、「トラック買取」サービスを利用する方法があります。
レッカー車はトラックの架装バリエーションの1つなので、トラック買取のサービスを利用して売却することができます。
そうして予算を確保して、新たに車両を購入することで、結果として格安で車両の購入ができるようになります。
買取のメリットとしては、車体をある程度高額で買い取ってもらえるケースが多く、下取りに比べて最終的な値引き額が大きくなりやすい傾向にあることです。
これは、買取は下取りと異なり、買取業者が「買い取った車両そのもの」で利益を得るからです。
レッカー車を含め、トラックの買取で引き取られた車両は整備されたり分解されたりして、新たな車両やパーツに生まれ変わって販売されています。
そのため、買取で引き取られた車両自体に価値が生まれ、その状態に応じて買取金額も変動します。
状態の良い(普通に走る)車両であれば、下取りの際の値引き額よりも大きな金額を受け取ることができるので、新車の予算の負担を減らしたり、他のことに使う予算として確保することもできます。
こうしたメリットがある一方で、車両の状態によって買取金額があまり安定しないことや、「手持ちの車両の売却」と「新車の購入」の手続きを、それぞれ個別に行わなければいけないため手間がかかる上に、売却から購入までの間の車両の確保のことを考える必要もあります。
レッカー車の売却の方法を2つご紹介してきましたが、実際に買い替えを考えたときに、どちらの方法を選ぶと良いかについてのポイントをご紹介しましょう。
・買い替えの際の手続きが面倒だと考えている、できるだけスムーズに、手間を少なく買い替えようと考えている人は「下取り」がおすすめです。
・多少面倒でも、しっかりと車両を評価して適正な価格で引き取ってもらいたい、車両を売却した予算を新車の購入以外にも活用したいといった方には、「買取」がおすすめです。
いかがでしたでしょうか。 今回はレッカー車の買い替えについてご紹介しました。 これからの季節、今まで以上に活躍する機会の多いレッカー車ですから、しっかり運用し、適切なタイミングと方法で買い替えられるようにしましょう。