2019年も折り返しに差し掛かり、トラックの業界も法律の改定や技術の進歩など、さまざまな変化がありました。
変化といえば、トラックの車体に関しても「モデルチェンジ」という形でさまざまな変化がありました。
そこで今回は、トラックのモデルチェンジについてご紹介していきます。
目次
トラックのモデルチェンジとは
トラックなどの自動車は、性能の向上や規制への適応のため、状況に応じてバージョンアップしています。
このように、機械の設計に変更を加えたり改良を加え、バージョンアップやリニューアルを行うことを「モデルチェンジ」と言い、トラックに限らずあらゆる工業製品でも行われています。
トラックでは、ある程度の期間を空けて定期的に行われており、ブランド名(いすゞの小型トラックならば「エルフ」、三菱ふそうの大型トラックならば「スーパーグレート」など)はそのまま残ることが特徴です。
2017年には、大手トラックメーカーの大型トラックが一斉にフルモデルチェンジしたことも記憶に新しいのではないでしょうか。
現在は、全国規模で毎年開催されるトラックショーのなかで新モデルが発表されるほか、各メーカーのホームページなどで最新モデルの情報が公開されています。
モデルチェンジには2種類ある?
上述の文章で、「フルモデルチェンジ」という名前を出しましたが、トラックの場合モデルチェンジには大きく分けて2種類のものがあります。
1つは、車体の一部に変更を加えるだけで、そのほかの部分は変えない、細かな変更の「マイナーチェンジ」。
そしてもう1つが、現在のモデルから大幅にリニューアルし、完全に「次のモデル」に移行する「フルモデルチェンジ」です。
それぞれの特徴を見ていきましょう。
マイナーチェンジ
マイナーチェンジは、トラックがフルモデルチェンジするまでの間に、規制の変更や業界の状況の変化、あるいはリコールなどに合わせて改良を加えていくタイプのモデルチェンジです。
モデルそのものが大きく変わるわけではないので、現行のモデルの売り上げが落ちないような配慮として、マイナーチェンジを行っているという側面もあります。
フルモデルチェンジ
現行のモデルから完全にリニューアルするのが「フルモデルチェンジ」です。
フルモデルチェンジは、マイナーチェンジのように細々とした変更では対応できなくなった場合に行われることが多く、根本的な部分から変更されるので、それまでのモデルでの操作に慣れている人にとって1から覚え直しになる操作もあって、基本的にフルモデルチェンジが行われるスパンは非常に長いです。
モデルチェンジの中でも大きな影響を与えるのはフルモデルチェンジ
さまざまな状況に合わせ、その都度変更が行われていくマイナーチェンジと異なり、フルモデルチェンジではそれまでのモデルから非常に多くのものが変更され、ドライバーや事業者にとっての影響も大きいです。
そこでここからは、トラックのフルモデルチェンジについてご紹介していきます。
フルモデルチェンジが行われる要因
トラックのフルモデルチェンジが行われる要因として大きく2つの要素があります。
1つは「エンジンの変化」です。
トラックのエンジンは「ディーゼルエンジン」です。
ディーゼルエンジンは一般の乗用車よりも大きなトラックを動かすために、非常に高いパワーを引き出せるようになっています。
その一方で、発生する排気ガスが問題視されており、トラックメーカーは「強力なパワーを出せる」「排気ガスの少ない」エンジンの開発に常に挑んでいます。
そして、新たなエンジンの開発と同時に、それに対応した新たな車体をリリースするため、フルモデルチェンジを行っていく、というのが1つ目の要因です。
もう1つは、「足回りの変化」です。
トラックの「骨格」とも呼べるフレームの中でも、とりわけ「足回り」に関するフレームは、エンジンで生み出したエネルギーを効率良くタイヤに伝えるための技術が盛り込まれています。
効率よくエネルギーを伝えるだけではなく、安全に走行するための頑丈さも備えていなければいけません。
このように、足回りは安全かつ軽快に走行するためにも重要なパーツであり、足回りの技術の進歩に合わせてモデルの更新が行われることが多いです。
もちろん、上述した2つの他にも、安全設計の改良や快適性能の改良など、さまざまな技術の最先端の結晶として、新しいモデルが発表されます。
それまでのモデルは「型落ち」となる
フルモデルチェンジが行われると、それまでに販売されていた同じブランドの全ての車両は、1段階「型落ち」となります。
型落ちしたモデルは、新モデルに比べて安価で購入できる場合もありますが、メーカーの保証が受けられなくなったり、トラック買取の売却価格が安くなったりするなど、一長一短といえます。
フルモデルチェンジの期間は?
フルモデルチェンジは、早ければ7年ほどで行われ、新たな技術とともに進歩していきますが、中には20年近くものロングセラーとなったモデルもありますので、「〇年おきに必ずフルモデルチェンジになる」とは言い切れません。
目安として、7年~10年程度でトラックのフルモデルチェンジが行われているケースが多いということはお伝えしておきます。
いかがだったでしょうか。
今回は、トラックのモデルチェンジについてご紹介してきました。
細々とした「マイナーチェンジ」、全体がガラリと変わる「フルモデルチェンジ」など、さまざまな形でモデルチェンジは行われています。
一度、自分が持っているトラックの「歴史」を調べてみると、面白い発見があるかもしれません。