運送業にとってトラックの買い替えの時期は非常に難しいところです。
商売道具でもあり、愛着もあるであろう車両を手放すのですから、しっかりとタイミングを見極めてから手放したいですよね。
今回は、トラックの寿命をもとに、買い替えのタイミングを見極めるポイントをご紹介します。
目次
『トラックの寿命』とは?
全日本トラック協会によると、2010年時点での調査でトラックの『平均使用年数』は
普通車:14.85年
小型車:11.92年
という調査結果が出ています。
『平均使用年数』とは、人間でいう『平均寿命』にあたります。
公開されているデータでは、この『平均使用年数』は、1975年から2010年までの間にほぼ右肩上がりに伸びてきています。以降の調査結果は公開されているものがないので断定はできませんが、2017年現在ではさらに平均使用年数が伸びている可能性があります。
この結果から、一般的なトラックの平均寿命は10~15年とみて良いでしょう。
トラックの平均寿命は乗用車に比べて長い、とされています。
乗用車は「10年で走行距離10万km」というのがひとつの目安と言われていますが、トラックの場合、年数はそれほど変わらなくても走行距離が50万km以上も走っていることもあります。
同程度の年数で5倍近い走行距離があるなかで、性能が高い状態で維持できる理由としては、
- エンジンが乗用車に比べて大きいため、長距離を走る際のエンジンへの負担が少なくすむこと
- メンテナンスが行いやすいように設計されているため、整備や修理が容易なこと
等があげられます。
トラックの寿命は、一般的には「走行距離が100万km程度」といわれており、これが買い替えの目安といわれています。
トラック買い替えのベストタイミング
トラック買い替えのタイミングとして最も分かりやすいのは『7年目』と『10年目』です。
先ほど「トラックの寿命は10~15年」と書きましたが、買取の際に金額がある程度高額で維持される寿命というものも別に存在します。
そのひとつが「使用年数7年目までのトラック」なのです。
その理由は、『メーカーのフルモデルチェンジ』にあります。
トラック等の商用車は約7~8年おきにメーカーによるフルモデルチェンジを行います。フルモデルチェンジが決まって型落ちとなったトラックは、買取金額が大きく減額される傾向にあります。
買い取った車両を販売する際に、型落ちの車両であるがために値引きせざるを得ないからです。
したがって、7年目のトラックであれば高額での買取が可能であり、この7年というのが買い替えの際の資金の確保が行えるベストなタイミングといえるのです。
また、10年目に買取のベストタイミングが来る理由は、11年目以降のトラックは故障が増え始め、修理やメンテナンスのコストも大きくなるために、車両を維持するための費用やリスクが大きくなるからです。
売り主が修理や整備の費用を抱えたくないのと同様に、買取業者側も修理やメンテナンスの費用を抱えたくないため、買取の金額を大きく減額することがあるのです。
したがって、10年使用した車両は買取の1つの寿命を迎えたと言って良いでしょう。
これらのタイミングは、トラックを買い替える目安として判断基準のひとつにしてください。
タイミングを逃した!でもまだ使えるし…と思っていると思わぬリスクが
「買い替えのタイミングを逃してしまったとしても、15年まではメンテナンスをすれば走る」という認識でいると、思わぬリスクを伴うことがあります。
まず「メンテナンスをすれば走る」ということは、逆に「メンテナンス費用が上がり続けている中でメンテナンスをし続けなければ安定した走行ができない」という意味にとることができます。
修理費の面でも、例えばエンジンの調子が悪くなるとオイル漏れなどが起こりやすくなったり、もしもエンジンのオーバーホールや載せ替えが必要ということになったりすると、その費用は100万円から数100万円単位になることもあります。
さらに、年式が古くなった車両は各地域ごとに決められている排ガス規制に引っかかってしまう可能性があります。
古くなった車両は、ただ走行するだけでもさまざまなリスクを抱えた状態であるということを正しく理解しましょう。
買い替えのタイミングをしっかりと見極め、よりお得な選択肢を取るようにしましょう。
もし買い替えのタイミングを逃したとしても、安易に『廃車』ではなく、色々な買取業者を探してみて、より良い答えを見つけ出してください。