高所における建設工事や点検補修など、さまざまな場所で活躍している高所作業車。
トラックの荷台に高所作業機能を持った機械を架装したタイプと、専用のシャシに昇降装置と作業台が装備しているタイプのものがあります。
今回は、トラックに架装するタイプの高所作業車について、特徴や売却などの視点からご紹介していきたいと思います。
目次
トラック式高所作業車とは
トラックに架装するタイプの高所作業車のことを「トラック式高所作業車」と呼びます。
トラック式高所作業車の特徴としては、「公道を走ることができる」ということが挙げられます。
移動範囲が広く、例えば道路上にある電柱の整備などは、トラック式の高所運搬車以外の場合、別の車両などで運搬する必要があり、手間や車体のコストなどが余計にかかってしまいます。
そのため、トラック式高所作業車は汎用性が高く、非常に多くの業界で活躍している車両だといえます。
ただし、他の高所作業車と比べて車体が大きく、バランスも多少悪く安定しにくいので、不整地や狭い場所などでの作業は他のタイプの高所作業車の方が得意だといえます。
高所作業車のバリエーション
実はトラック式高所作業車の中にもさまざまなバリエーションが存在し、作業装置の昇降方法や作業員が乗る床の形状によって、細かく分けられています。
昇降方法には、シザーズ式、垂直マスト式、直進ブーム式、屈折ブーム式などがあり、屋外で使用されるタイプとしては、直進ブーム式と屈折ブーム式が主流となっています。
床の形状としては、プラットホーム式、バケット式、バスケット式があります。
プラットホーム式は床に手すりをつけたタイプのもので、他と比べ作業範囲が広めの床です。
バケット式は床と囲いが一体構造になっているもので、プラットホーム式と比べると安定感の高いタイプの床です。
バスケット式は、床と囲いが1つのバスケットになっているもので、素材が絶縁体になっているものなどがあります。
このように、さまざまなバリエーションがある中で、用途や目的に応じて使い分けられています。
トラック式高所作業車の運転免許
トラック式高所作業車を運転するためには、車両そのものの運転免許の他に特殊な資格が必要です。
高所作業車運転技能講習もしくは高所作業車運転特別教育を修了した人でないと、トラック式高所作業車を運転、操作することはできません。
高所作業車運転技能講習と高所作業車運転特別教育の違いは、作業する床の高さです。
高所作業車運転特別教育の場合、作業する床の高さが10メートル以上の場所での作業を行うことはできません。
作業する床の高さが10メートル以上の場所で作業する場合、高所作業車運転技能講習の修了が必要になります。
高所作業車運転技能講習の修了者の場合は10メートル未満の場所での作業を行うこともできるので、時間や費用に余裕がある場合、高所作業車運転技能講習を取得しておくことで就職や仕事の依頼などに有利になります。
トラック式高所作業車は、新車で購入しようとすると1千万円を超える場合もあり、導入のハードルがそこそこ高いため、中古のトラック式高所作業車の需要が一定数あります。
そして、中古のトラック式高所作業車の車体に需要があるというところから、中古のトラック式高所作業車の買取の需要も比較的高いといえます。
そこでここからは、トラック式高所作業車を高額で売却できるポイントについてご紹介します。
トラック式高所作業車を整備しましょう
トラック式高所作業車を高額で売却するためのポイントとして重要なのが、車体が正しく機能するかどうかです。
高所作業車を買い取っている買取業者は、基本的に「車体の状態」を確認して査定の金額などを決定しています。
具体的には、トラックとして走行することはもちろんのこと、高所作業車として必要な高さまで昇降するかどうか、安全な作業ができるような安定性が維持されているかどうかなどが、査定で評価され金額が決定します。
そこで、売却前に改めて車体の整備を行い、問題なく運用できる状態にしたうえで売却に出すことによって、 査定の評価を上げていきます。
特に昇降台の制御部分は、高所作業車にとって最も重要な場所と言っても過言ではありません。
正しく昇降できるかどうか、作業時の安定性は維持できているかどうか確認しながら整備した後で売却に出しましょう。
いかがでしたでしょうか。今回はトラック式高所作業車について特徴や買取などの視点からご紹介しました。
トラック式高所作業車の場合、運用できる場所が他のタイプの高所作業車よりも多いため、需要そのものは多いといえますが、 車両サイズや新車購入時の値段などの観点から、 中古のトラック式高所作業車にも注目が集まり始めています。
より長く乗り、売却の際にはより高額で売却できるよう、普段から整備をしっかりと行なっておき、売却前には再度整備や、車体の清掃を行い理想的な形で手放せるようにしましょう。