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トラックの「足回り」とは?

どんなものにも寿命があります。
人間しかり、トラックなどを含めた車両もしかり。
そしてトラックの車内にある「パーツ」にも寿命があり、定期的に交換しないと安全に運転することができません。

トラックのパーツは基本的には3ヶ月ごとの法令定期点検や1年ごとの車検時に、該当部分の劣化や消耗がみられた時に交換されており、パーツの交換には費用がかかります。

今回はトラックのパーツの中でも特に、パーツの劣化が即・危険へとつながる「足回り」についてパーツごとの特徴と、寿命を少しでも伸ばすコツをご紹介していきます。

足回りのパーツは、路面との接触の多いタイヤやきちんと止まるためのブレーキなど、消耗が激しく、交換のペースも他のパーツと比べて早いことが特徴です。
それぞれ見ていきましょう。

タイヤ

タイヤの劣化は主にタイヤの「溝」のすり減りと表面のひび割れがあります。

タイヤの溝のすり減りはグリップ力の低下を引き起こし、ブレーキをかけてもきちんと止まることができなかったり、ハンドルを切ってもきちんと曲がれなかったりする原因になります。
溝の深さが「1.6mm未満」になると、タイヤの寿命であるといわれており、1.6mmの深さまですり減ったタイヤには「スリップサイン」という目印が出てきます。
スリップサインはタイヤの溝にある盛り上がった箇所で、スリップサインが出たタイヤはグリップ力が非常に落ちており、事故を引き起こす危険性があります。

そのため、スリップサインが出たタイヤは道路運送保安基準によって走行が禁止されており、スリップサインが出る前にタイヤを交換する必要があります。
また、高速道路を走行する際はトラックの大きさによってタイヤの使用限界が異なり、中型だと2.4mm、大型だと3.2mmよりも溝が浅いタイヤでの走行が禁止されています。車体が大きいほうがタイヤにかかる負荷も大きく制動距離も伸びるので、より厳しく溝の深さの限界が規定されているのです。

タイヤの溝の問題は、ブレーキのかけ方の工夫や「タイヤローテーション」と呼ばれる「前後のタイヤの定期的な入れ替え」をすることで、ある程度寿命を延ばすことができます。

表面のひび割れは経年劣化や空気圧不足などが主な原因で、寿命はおよそ3年前後が限度だと言われています。
タイヤ表面のひび割れがタイヤ側面まで来ると、バースト(破裂)の可能性があり大変危険です。
空気圧を定期的に点検し、こまめに調節することで寿命を延ばすことができます。

ブレーキシステム

ブレーキのシステムには、ディスクブレーキとドラムブレーキの2種類があります。
日本製のトラックではドラムブレーキが主流になっています。

ドラムブレーキのパーツでは「ブレーキシュー(ブレーキライニング)」と呼ばれる、ドラムブレーキの内側を押さえて摩擦による制動を行うパーツの消耗が、車体の制御に大きな影響を与えます。
ブレーキシューは、摩擦によって車輪とともに回転するドラムを押さえつけてブレーキをかけていくため、使用するごとにすり減っていきます。

摩擦力の低下はそのままブレーキの効きの低下につながってしまいますので、寿命を迎えるまでに交換が必要です。
ブレーキシューの寿命は「シューの厚さが約1mmになったとき」といわれており、乗り方によって多少差はありますが「前回のシューの交換後、約5万~10万km走行したとき」が走行距離でシューの厚みを測る際の目安といわれていますので、心配な場合は前回の交換から走行距離が5万kmを超えたころに厚みをチェックして、交換が必要であれば交換して下さい。

ディスクブレーキの場合は、「ディスクパッド」と呼ばれるパーツが上述のブレーキシューのような役割をしています。
ディスクパッドは厚さが約2mmで寿命とされ、乗り方によって多少変動があるものの、約5万~10万kmがディスクパッドの寿命がくる距離の目安です。

これらのパーツはブレーキをかければかけるほど消耗していくので、ブレーキの回数を少なく、急ブレーキなど負荷のかかることを避けることで、比較的寿命を延ばすことができます。

ブレーキオイル

ブレーキオイルは、ブレーキを作動させるときに必要なオイルです。
定期的な交換が必要で、ブレーキオイルが劣化した状態だと、ブレーキが利かなくなる「べーパーロック現象」という現象が起こりやすくなったり、シリンダの腐食などが起こる原因となってしまいます。
ブレーキオイルは新しい状態であれば透明ですが、使用していって劣化すると色がつくので、交換時期が分かりやすいです。基本的には毎年の車検の際に交換するのが好ましいとされています。

ブレーキホース

ブレーキホースは、ブレーキペダルとブレーキ機構の部分をつなぐパーツで、中にブレーキオイルが満たされています。
このブレーキホース内のブレーキオイルの油圧を利用することでトラックのブレーキシステムは作動するため、ブレーキホースが劣化してしまうと、ブレーキペダルを踏んでもブレーキが利かなくなってしまいます。
大事故にもつながりかねないので、定期的な交換は必須です。
需要の目安としては期間にして4~5年、距離での目安は約6万kmだといわれています。

もちろんお伝えしているのは目安の数値なので、車検時の評価次第で寿命が延びたり縮んだりします。
寿命を延ばす方法ですが、ゴム製品のため伸縮はするもののあまり強い力が加わると劣化が早まるので、急ブレーキをしないなどの「やさしい運転」がコツです。

いかがでしたか?
今回は長距離輸送の多いトラックの「足回り」に関してご紹介してきました。

これらのパーツは、基本的に車検や法令で定められている3ヶ月の定期点検で交換されるため、交換できないというリスクは少ないです。
しかし、交換の際には料金が発生するので、交換する必要のあるパーツがあるかを把握しておくことで車両運用の際のコストの計算がしやすくなります。
ぜひ今後のトラックの運用計画にお役立てください。

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