冷凍車と保冷車、名前や外見の似ているこれらのトラックは、一体どのように違うのでしょうか?
また、冷凍車や保冷車は買取に出すことができるのでしょうか?
買取での注意点は?
今回は、そうした冷凍車・保冷車についてのご紹介です。
目次
冷凍車と保冷車は具体的に何が違うの?
そもそも、冷凍車、保冷車とはどのような車なのでしょうか?
荷台がアルミバンタイプになっており、荷台内部を低温で維持することができるという点は共通していますが、装備としては大きく異なります。
冷凍車(冷蔵車)
冷凍車は、荷台の内部に冷却システムが装備されており、冷却機能の強いものになると最大でマイナス60度まで荷台内部の温度を下げることができるようになっています。
それだけの低温が実現できるので、新鮮な野菜や果物、冷凍食品などの生活に直接かかわるものから、非常に低温での運搬が必要になる精密機械などの運搬で大活躍しています。
冷却システムには専用の装置としてコントロール用のパネルが運転席に、コンプレッサーやコンデンサー、エバポレーターという実際に冷却を行う装置がキャブ上部やタイヤ同士の間などに設置されています。
こうした冷却装置が装備されている車両は「冷凍車」や「冷蔵車」と呼ばれており、冷却機能の強さで区別されています。装置によって温度をコントロールしているので、荷台内を設定した温度に保つことができ、外気温の上昇や下降の変化に関係なく一定の温度で荷物の運搬が可能になっています。
逆に冷却のためにエンジンからの動力を使用したり個別に動力が必要になったりと、冷却装置を装着する場所やタイプにもよりますが、全体的に燃費効率は保冷車よりも低めです。
保冷車
保冷車は冷凍車のように冷却装置は装着されておらず、荷台のパネルに断熱材の層を追加して外部の温度が荷台内部に影響しないように設計されている車両です。
外からの気温の変化に対する対策にはなるものの、元々常温のものを冷やしたりする機能があるのではなく、あくまで”保冷”をしておく車です。より冷却効果を高めるためには氷やドライアイスなどの冷却材が必要です。目的としては、冷凍車と同様青果や機械のほかに、熱さや寒さによる急激な温度変化を嫌う絵画などの運搬に効果を発揮します。
当然ですが”冷却”をしていないので要冷蔵、要冷凍のものは積むことができません。
冷凍車は、状況によって値段が大きく異なる?
今回ご紹介する車両のうち冷凍車は、状況によって値段が大きく変わることがあります。
その理由は大きく2つあります。
1つは「冷凍車」といってもその構造や車両のサイズなどによって金額に変動があることです。
冷凍車は冷却システムの場所や冷却能力、コンデンサーの大きさなどによって、買取査定時の評価が変動します。
さらに車両のサイズによっても買取額が変動することがあり、一口に冷凍車といっても車体によってはその値段は倍以上の差が出ることがあります。
もう1つは買取業者によって金額が変動することです。
実は冷凍車に限らずトラックなどの商用車は買取業者によって査定金額の基準が異なります。
そのため、査定の際に重視するチェックポイントが異なり、例えば冷却システムの性能で評価をする買取業者もあれば、 車両の運送能力を重視して評価する買取業者もいます。
これら2つの要因によって、 冷凍車の買取金額はその状況に応じて大きく変わってしまうのです。
買取金額に差が出てしまう場合に、売り手側でできる対策が2つあります。
1つは相見積もりを取ることです。
買取業者によって査定の金額が異なるとはいっても 、売り手側にその基準が見えているわけではありません。あくまでも、査定の結果、提示された金額でしか売り手は判断できないのです。
そこで、1社ではなく複数の買い取り業者に冷凍車の買取査定を依頼して、その見積もりを比較する、いわゆる「相見積もり」を取ることがポイントになってきます。
相見積もりを取った中で、一番良い条件の買取業者を見つけ出し交渉することで、 最も良い条件で売却することができるようになるのです。
もう1つは整備をしっかりしておく事です。
冷凍車は、 一般的なパネルバンタイプのトラックと異なり、荷台に冷却のためのシステムを積み込んでいる車両です。
そのため、 通常の車両の整備の他に、冷却システムの整備をしっかりと行っておかないと、運送能力もさることながら冷却能力も落ちてしまいます。
冷却能力が落ちてしまった冷凍車は、買取査定でも評価が低くなってしまうことがあります。
そこで、車体の整備に合わせて冷却システムの整備を並行して行っておくことで、どこの買い取り業者に依頼を行った場合でも買取での評価を下げることなく、さらに通常の運行の際にも作業効率や運送効率を高い状態のまま保つことができ、一石二鳥です。
保冷車の買取金額の変化は?
保冷車の場合は、構造として非常にシンプルで冷却用のパーツも断熱材のみと比較的少ないため、冷凍車と比べて買取金額に大きな差がつくことはあまりない、とされています 。
車体の損傷などの状態や大きさによる変化といった、通常のパネルバンタイプの車両の評価に断熱材の評価が加算される以外は、通常のパネルバンタイプの車両と評価基準はそう変わりはありません。
とはいえ、買取業者によって金額の査定基準が異なることについては冷凍車と同じなため、相見積もりを取り、しっかりと整備をしておくことが高額買取につながるところも同様です。
保冷車を売却する際にもしっかり準備しておき、高額査定につなげましょう。
いかがでしたか?
今回は冷凍車や保冷車について、その違いや買取での扱いについてご紹介しました。
冷凍車はさまざまなバリエーションがあり、購入や買取での価格の差が激しいこと。対して保冷車はそこまで大きな価格の差が付きにくいこと。
そしてそれぞれ用途によって活躍の場が異なることなどがお伝えできたかと思います。
ぜひ今後の購入や売却にお役立てください。