さまざまなトラックの中で「クレーン付きトラック」を売りたい、というお話を頂くこともあります。
今回はこの「クレーン付きトラック」こと、「車両積載型トラッククレーン」についてご紹介していきましょう。

車両積載型トラッククレーンとは？

一般に「クレーン付きトラック」と呼ばれている車両は、正式名称を「車両積載型トラッククレーン」といい、一般的なトラックの車体の、荷台部分のシャシ（足回り）にクレーンを装備したタイプの車両です。

さらに、クレーンの取り付けられている位置によって、2種類に分けられています。

荷台とキャブ（運転席）の間にクレーンがあるタイプを「キャブバック型」
荷台の中にクレーンがあるタイプを「荷台内架装型」

現場で作業をする上で、この2種類は重心の位置が異なるため、活躍の場面も変わってきます。

さて、車両積載型トラッククレーンは同サイズの平ボディのトラックに比べ、クレーンの架装の重量の分だけ、荷物の積載可能量が少なくなります。
また、他の移動型クレーンと比較すると、車両の荷台に載せられる積載量に影響されるので、同サイズの、クレーンによる吊り上げ「専用」の物よりも、吊り上げ重量も少なくなりやすい傾向があります。

他にも、クレーン制御部がなく、クレーンの操作も運転席で行うなど、他の移動式クレーンと比べると「トラック」という立ち位置が強いので、トラック買取の業者に買取依頼をする場合は「クレーン付きトラック」と呼ばれることが多いのです。

ちなみに、このタイプの車両を指す言葉としては「ユニック」が有名ですが、この言葉は古河ユニック株式会社製のトラッククレーンの商標（商品名）で、他社製のものは本来の名称が異なります。
例えば、タダノ製のものなら「カーゴクレーン」、新明和工業製のものは「CBクレーン」と呼ばれていますが、これらは全て、「車両積載型トラッククレーン」という種類の車両で、ひとまとめに「ユニック」と呼ばれることがあります。

移動式クレーンを運転する場合、その吊り上げ荷重に応じて、免許の取得や講習の受講が必要となります。

車両積載型トラッククレーン場合、「小型移動式クレーン運転技能講習の修了」という資格を取得することが多いです。
この資格は、「約3日間の講習の受講」と「試験の合格」で取得することができる免許資格で、取得すると5トン未満の荷物をクレーンで吊り上げて移動することが可能です。
この資格と、例えば中型免許の取得によって、4.9トン吊りの中型トラッククレーンを、運転から作業までひと通り行うことができるようになります。

※ちなみに、このときの吊り上げ荷重は、ロープやフックといった「クレーンに装備してあるもの」の重量が全て加算されているため、正確にはこれらの装備を引いた重量の荷物までが吊り上げ可能です。
更に、吊り上げ可能なトン数は、クレーンブームの角度や長さをどれくらい引き延ばしているか、で変わってきます。

また、クレーン機構と一緒にダンプ機構がついているものもあり、運送や建設以外にも、土木などの様々な業界で活躍しています。

さて、ここまでクレーン付きトラックこと、車両積載型トラッククレーンの「特徴」についてご紹介してきました。
ここからは、車両積載型トラッククレーンの「買取」についてご紹介していきます。

車両積載型トラッククレーンの買取はどこに依頼するの？

車両積載型トラッククレーンの買取は、中古車の買取業者やトラックや重機専門の買取業者などが行っています。

この中でおすすめなのは、トラックや重機専門の買取業者です。

その理由を一言でいうと、「車両積載型トラッククレーンのための、買取りや査定の方法が定まっているから」です。
（※もちろん、一般の乗用車を売却する際には一般の中古車の買取業者で何も問題はありません。あくまで、「車両積載型トラッククレーンを買い取ってもらう際の基準」として、おすすめしています。）

クレーン車は一般のトラックのシャシや荷台、キャブを使用しています。査定の際の評価基準も、大半はこのトラックの買取における評価基準をもとにしています。
つまり、一般的なトラックの査定基準や整備基準によって車体の査定や整備が行われ、クレーンはあくまで架装（オプション）として扱われます。

トラックの買取をしている買取業者は、査定基準が非常に明確で細かいです。「車体の価値」で評価をするため、場合によっては車検切れなどの状態でも買取が成立することもあり、車体の状態を見て正確な価値を割り出してくれます。

したがって、クレーン付きトラックの買取を依頼するのは、トラックや重機の買取専門の業者が適任といえるのです。

クレーン付きトラックを綺麗に清掃して高額買取を実現

建設や土木など、さまざまな場所で活躍するクレーン付きトラックは、とにかく汚れや細かなキズが残りやすい車体だといえます。

そんなクレーン付きトラックを売却するときには、普段の整備・清掃のときよりも一層きれいに清掃しておきましょう。

そうすることで、クレーン付きトラックの査定額を上げることが出来る場合が多いからです。

買取の現地査定で来る査定員も人間です。
「傷や汚れが目立ち、車内にはヤニの匂いが漂う車」では第一印象からしてよくないですし、査定の評価が辛口になってしまうことだってあります。

何より、中古のトラックや重機といった車両は、よほど大きな故障がない場合は中古車として販売されます。中古車とはいえ、購入する側に立つと、（もちろん、買取後に買取業者によって整備はしてあるという前提はありますが）汚れた状態の車には乗りたくないでしょうし、荷物を載せたくもないでしょう。
逆に、整備を自身でできる限りのことをやって、もし傷があったとしても「自分ではどうにもならないもの」のみの状態、車内の清掃も行き届いている車両、であれば、査定の評価も高くなるでしょう。

売却前の清掃は査定結果に直結しますので、しっかりと行っておきましょう。

いかがでしたでしょうか。
車両積載型トラッククレーンを売却するためのコツとして、買取業者の選び方と、買取依頼をする前のポイントをご紹介しました。
ぜひ、車両積載型トラッククレーンを売却する際の参考にして下さい。