ダンプカーは、荷台にさまざまなものを載せて、一気に積み込み、積み降ろしをすることを目的として走行している車両です。
運ぶものには土砂やウッドチップなどがありますが、このうち、ダンプの種類によっては土砂を運搬することができない「土砂禁ダンプ」というものが存在します。
今回は、この土砂禁ダンプについてご紹介します。

土砂禁ダンプってどういう車両？

「土砂禁ダンプ」は、その名の通り土砂を運ぶことができないダンプのことです。
そもそもダンプで運ぶものにはいろいろなものがあるのですが、なぜ土砂を運ぶことができないダンプが存在するのでしょうか？

その理由は「比重」にあります。
土砂禁ダンプは、ウッドチップや産業廃棄物などの「比重の軽いもの」を運ぶために調整された荷台を持つダンプです。
比重が軽いということは、比重が重いものに比べて、「重さあたりの容積（見た目の大きさ）」が大きくなります。

例えば、「2トンの木片」と、「2トンの土砂」を思い浮かべてみて下さい。
このとき、重さは同じでも、比重の軽い木片の方が容積（見た目の大きさ）が大きくなります。

このため、通常のダンプで比重の軽いものを積載量いっぱいまで運ぼうとすると、荷台からはみ出してしまう恐れがあるのです。

それを防ぐ目的で、荷台の深さをより深いものにしたり、荷台にアオリを加えたものが土砂禁ダンプです。
荷台が通常のダンプトラックよりも深いことから「深ダンプ」と呼ばれたり、乗せるものの種類から「ファームダンプ」や「チップダンプ」とも呼ばれたりしています。

荷台に乗せられる容積が大きくなったことで、比重の大きなものを荷台一杯に載せたときには「過積載」になってしまう可能性があるため、土砂などの比重の大きなものは土砂禁ダンプに乗せることができません。

過積載の危険性についてはコチラの記事で説明しています…過積載の危険性と買取への影響

仮に過積載にならない量だとしても、土砂禁ダンプに土砂を載せることは法律で禁止されており、違反すると罰則もあります。

ちなみに、重量あたりの大きさが大きなものを運ぶダンプトラックだからか、土砂禁ダンプは大型ダンプであることが多いです。

土砂禁ダンプの需要

土砂禁ダンプは、載せるものによって活躍の場所が変わります。

例えば、ファームダンプであれば、畜産飼料や農業肥料などをより多く、それも遠方に運搬するのに適しているため、牧場の多い北海道などでの活躍が目立ちます。他にも、チップダンプはウッドチップと呼ばれる、ガーデニングやバイオ燃料などに使われるものを運ぶのに活躍しています。
さまざまな扱い方ができる土砂禁ダンプの需要は、業界問わず高いことがうかがえます。

土砂禁ダンプは売れるのか？

多くの業界で活躍する土砂禁ダンプ、果たして買い取ってもらえるのか、気になる方もいると思います。
ここからは、土砂禁ダンプの買取についてご紹介します。

前提として、土砂禁ダンプの特徴として、より多くの体積を載せるという目的上、大型のダンプトラックになることが多いです。
そして、土砂禁ダンプに限らず、大型のダンプトラックは新車で購入しようとすると、非常に高価です。

そこで、中古の土砂禁ダンプを入手して運用している企業もあります。
新車に比べて安価で、納入も早い中古の土砂禁ダンプの需要は、十分にあるのです。

さて、中古の土砂禁ダンプの需要が高いということでしたが、中古の土砂禁ダンプを販売している業者は、どのようにして車両を入手しているのでしょうか？

実は、この車両の入手のために「買取」が行われているのです。
トラックの買取業者が、販売する車両の「仕入れ」として、車両の買取を行うことは珍しいことではありません。
需要の高い車両であればあるほど、買取業者は欲しがっていると考えられます。
このことからも、土砂禁ダンプの売却は高い確率でできるのです。

ここからは、土砂禁ダンプをより高額で買い取ってもらうためにできることをご紹介しましょう。

土砂禁ダンプをより高く売ろう！

土砂禁ダンプは多くの業界で活躍している車両で、国内はもとより、海外でも高い需要を誇っている車両です。
特に「日本製」の土砂禁ダンプは人気で、新車で購入しようとするとあまりに高額過ぎる、ということで、そこまで性能低下するわけでもないのであれば中古車で購入しよう、という層が一定数います。

むしろ、中古車でも日本車であれば、高い性能や整備の容易さから高額で販売されることも多いです。
海外で高額で販売が可能な車両ということで、海外に販売経路を持っているトラックや重機の買取業者は、中古の土砂禁ダンプが欲しい状況です。そのため、多少高額でも買取を行っています。
したがって、土砂禁ダンプを高額で売るためのポイントの1つ目は、「海外に販売経路を持っている買取業者と交渉すること」です。

土砂禁ダンプを高額で売却するもう1つのポイントは、売却前に清掃をしておくことです。
当たり前のことかもしれませんが、この清掃をしているかどうかが、意外と馬鹿にできない結果につながるのです。
清掃の度合い次第で、年式や走行距離の差を覆して高額査定になることもあります。
何も特別なことは必要ありません。
車内の清掃や洗車、オイル交換など、自身で出来る最低限のことをしておくだけでも、査定額アップに十分つながります。

いかがでしたか？
土砂禁ダンプは現在国内外の多くの業界で活躍しています。
運用するときも、乗り換えるときも、手放すときも、最高の形で迎えられるようにしましょう。